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三星重工
 三星重工は1974年に韓国で設立された上場企業である。同社は韓国第2位の財閥である三星グループの一員である。造船が同社の中核事業であり、売上の約7割を占めるが、他にも多くの事業を手がけている。周知のとおり、三星重工には造船・プラント部門、デジタル機器・環境事業部門、及び建設部門の3部門がある。
 
 三星重工は1995年以降売上を3倍増にするなど、近年、その事業を急激に拡大しており、現代重工、大宇重工に続く世界第3位の商船造船会社である。
 
 1997年に債務水準が高かったこと、さらには同年、純損失を計上したため、三星重工は赤字事業の再編を実施し、造船部門と産業機械部門に専念せざるを得なかった。それ以降、財務構造は改善しており、事業の処分及び1998年と1999年における増資により、総借入は縮小している。金融費用負担は未だに重いものの、金利費用が減少したため1998年と1999年は黒字であった。
 
 以下の表は三星重工の収益力と財務構造の改善を説明したものである。
 
年度 売上経常利益率 EBITDA/金利負担 キャッシュフロー/総借入 自己資本負債比率
1999.12 3.5 1.8 14.4 213.0
1998.12 21.2 1.1 5.5 293.2
1997.12 -2.3 1.7 10.3 759.9
 
損益計算書の概要
年度(単位10億ウォン) 1999.12 1998.12 1997.12
売上 3,703,148 3,753,229 3,953,213
総収入 796,048 780,302 911,164
営業利益 582,329 533,439 534,962
営業外収入 239,458 436,769 396,669
営業外費用 690,934 924,532 1,031,103
経常利益 130,853 45,676 90,472
特別利益(費用) -115,244 24,971 -5,052
純利益 8,541 70,647 -95,524
 
 同社は自主再建計画を実施した(不動産及び建設機械(フォークリフト)プラントのボルボへの売却)が、政府が同社に対して債務免除、債務または金利の救済、または資金支援を行ったという証拠はない。この状況は韓国での調査で確認されている。
 
 その結果、調査は三星重工が債務または金利の救済を通じて補助金を受け取っていないと結論している。







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