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空気冷却器
(1)装備の目的
 過給機は機関に多量の空気を供給するために使用される。これは給気圧力を高くし密度の高い空気を機関に送り込むことであるが、そのため機関出力を増大することが可能となる。しかし密度の高い空気を作るには給気圧力を上昇させるほかに給気温度を低下させることによっても同様の効果を得ることができる。したがって過給機を使用して給気圧力を上昇させ、さらに空気冷却器を使用して給気を冷却することにより出力の増大を図っている。
(2)空気冷却器の構造
 空気冷却器の構造を2・201図に示すが、アルブラックまたはエバブラス製の内径10〜20mmの円管、あるいは偏平管に銅または耐蝕性アルミ合金製の円形または矩形の薄板フィンを接着させてある。管内に清水あるいは海水の冷却水を流し、圧縮空気はフィンの間を通過する際に冷却される。
 なお空気中の湿度の高い時には、圧縮空気を空気冷却器で冷却すると、空気中の水蒸気が凝縮して水滴となる。このため梅雨時期等には運転中に空気冷却器または吸気管下部に水分が溜ることがある。発生した水分の一部はシリンダ内に吸入されるが、少量ならば運転上支障はない。ただし空気冷却器の水漏れとは区別する必要がある。多量に出る時は吸気弁保護のため常時水分を排出する必要がある。
 
2・201図 空気冷却器の構造







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