(2)空気始動(エアスタータによる方式)
エアスタータによる始動方式は、電気始動方式のスターティングモータの代わりにエアモータを使用した方式で2・192図に示すような部品で構成されており、エアタンクの圧縮空気は、減圧弁により0.6〜0.9MPa(6〜9kgf/cm2)程度に減圧され、フィルタで濾過された後、オイラを通過する。
オイラは自動的に潤滑油を噴霧状にして圧縮空気に混合させる。この圧縮空気がスタータの給気口より入ってスタータを駆動し、消音器を経て放出される。
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2・192図 始動装置と空気の流れ
(4)エアスタータ
エアスタータは2・193〜195図に示すようにモータ部分と駆動部分に分かれており、モータ部分にはケースの中にロータとロータ羽根が組み付けられている。又駆動部分は、ケース(1)、減速ギヤ(6)、摩擦板(7)、ピニオン(4)、ピニオン軸(5)などで構成されている。
圧縮空気が、エアスタータの給気口よりメインケース(1)内に吹き込まれるとロータ(2)の溝にはめ込まれたロータ羽根(3)を押し出すと同時にその側面に当たり、回転力をロータ(2)に与え急激に高速で回転を始める。ロータの回転は減速部分及び緩衝部分を介してピニオン軸(5)に伝達されるがピニオン(4)は慣性のため同時には回転せず回転を起こす前にピニオン軸(5)に切られたネジによって前方に押し出され、エンジンのはずみ車に設けられたリングギヤと噛み合う。ピニオンはピニオン軸の端まで来て止まり、そこで初めて軸の回転がリングギヤに伝わりエンジンを回転させる。エンジンが始動して回転が上昇するとピニオンがエンジンにより駆動される状態となり起動の場合と逆にピニオンが後退し、リングギヤとの噛み合いが外れる。従ってエンジンが始動すれば直ちにクイックバルブを閉じ空気の供給を止める。なお、自動起動の場合はエンジンの回転数が設定した回転に達すれば電磁弁を自動的に閉じる制御回路を設けている。
2・193図 エアスタータの構造例
2・194図 モータ部分
2・195図 駆動部分
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