日本財団 図書館


3. 略画法
 主要な機械部品であるネジ・バネおよび歯車などの製図に際しては、これらを実物の形状どおりに図示することは、はなはだ手数を要するので、略画法が用いられる。JISでは、ネジ製図(JISB0002)・歯車製図(JISB0003)およびバネ製図(JISB0004)に、これらの略画法を規定している。
 ここでは、ねじおよび歯車についての略画法を示す。
 
3.1 ねじの略画法
 ねじの図示方法は、JISにより次のように規定されている。
(1)おねじの外径線、めねじの内径線および完全ねじ部と不完全ねじ部との境を表わす線は、太い実線で書く。
(2)おねじ、めねじおよび不完全ねじの谷底を表す線は、細い実線で書く。
(3)不完全ねじ部の谷底を表す線は、中心線に対し30°の傾きで書き、必要に応じて不完全ねじ部の寸法を記入する。
(4)見えない部分のねじは、山頂、谷底を示す線をそれぞれ中間の太さの破線で書く。
(5)ねじの結合部は、常におねじの方を表す。
 なお、ねじの表し方は、山頂又は谷底を示す線から引出し線を出し、その先端にねじの種類を表す記号と寸法を記入する。
 ねじの形状および各部の名称を4・20図に、ねじの略図例を4・21図に示す。
 
4・20図 ねじ各部の名称
 
 
4・21図 ねじの略図
(拡大画面:58KB)
 
3.2 歯車の略画法
 歯車は、普通、軸に直角な方向から見た図を正面図とし、歯車の図不方法は、JISにより次のように規定されている。
(1)歯車の歯先円は、太い実線で書く。
(2)ピッチ円およびピッチ線は、細い一点鎖線で書く。
(3)歯底円は細い実線で表わすが、側面図では省略してもよい。ただし、正面図を断面で示すときは、太い実線で書く。
(4)歯すじ方向は、普通3本の細い実線で表わす。
(5)かみ合う一組の歯車の歯先円は、ともに太い実線で書くが、正面図を断面図示するときは、かみ合い部の一方の歯先円を示す線は、中間の太さの破線で表わす。
 なお、図の寸法は、歯車素材の製作に必要なものにとどめ、歯切りに必要な歯数、ピッチ円直径、歯厚などの要目は、図の外に要目表を作って記入する。ただし、図の中にピッチ円直径を記入するときは、寸法数字の前に、P.C.D.と記入し、歯末のたけの寸法を( )に記入する。
 4・22図に、歯車の略図例を示す。
 
4・22図 歯車の略図
(拡大画面:43KB)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION