3)燃料高圧管
燃料噴射管は噴射ポンプにより圧送される高圧の燃料を噴射弁へ導く燃料高圧送油管であり、通常はインジェクションパイプなどと呼ばれている。高圧管の管内圧力は直接噴射式の場合瞬間的には78.4〜98MPa(800〜1,000kgf/cm2)程度に及ぶため、肉厚の高圧鋼管を使用し両端部は2・100図に示すような形状に成形されている。
高圧管の長さは噴射遅れや管内圧力波と関係があるため、各シリンダとも長さを揃えてある。またセンタが合わず無理に傾いた状態でネジ込むとシート面から噴き漏れを生じシート面を損傷したり首部の段付個所に亀裂が入ったりするため無理な取付けをしないように両方の袋ナットを弛め両端とも無理なく取付けられるようにしてネジを締めることが大切である。
2・100図 端部形状
高圧管は途中振れ止めを設けて振動を防止するようにしたものもあり、このような振れ止めは必らず取付けるようにする、振れ止めがないと振動により高圧管が亀裂を生じることがある。
高圧管内部はピッチングやキャビテーションにより腐蝕したり潰蝕したりすることがあり、外観では判別できないので航海中突然に亀裂やパンクする事故に対して、常に1〜2本程度は予備品として備えておく必要がある。
シート面をカラーチェックにより調査し、亀裂の有るものやシート面に損傷の有るものは交換する。
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