|
四国へ喜んで人が来ることは何でもすること
日下
今の藍川さんのお話ですが、インドの西海岸の山奥にあるお祭りが、ねぶた祭りとそっくりなんです。それで行ってきたんですが、そこへ住み込んで研究している日本人が1人いまして、その人は「これが伝わったに違いない」と言っています。
何ならいらっしゃいますか。お金は出します。偉そうなことを言っておりますが、これは東京財団として言っているわけです。そのお金は日本財団から来ているわけです。実は競艇の上がりから3.3%が、日本財団会長の曽野綾子さんのところに行くことに法律でなっているのです。曽野綾子さんなら立派な方だから、何かよいことに使ってくれるだろうというわけです。で、その3.3%のうちから曽野綾子さんが、日下さんなら悪いことに使わないだろうと少しくださるのを、藍川さんと片山さんならいいことに使うだろう、という話なんです。
そもそも丸亀市にはモーターボートの競艇場がありまして、そこを一生懸命やっているのは丸亀の市長さんなんです。お金は結局、グルッと回っているんですね。ですから、この際皆様に、競艇をしに来る人を、どうか暖かい目で理解してあげてくださいとお願いしておきたいのです。
先ほど片山市長がおっしゃったように、よそから来る人を暖かい目で歓迎しなければいけませんよね。私はそれが四国の人に少ないと思うんですよ。僕は、この橋をかけようという30年前から関係しているんですが、建設省の道路審議会の委員、有料道路部会の専門委員などとして、いろいろなことを言いました。「2万5000台なんて通るわけがないだろう」と言うと、みんないろいろな言い訳を言いました。「どうしてもと言うなら、岡山はただちにアクセス道路をつくれ、香川県もすぐにつくれ」とも言いました。橋だけできて、四国に着いた後はどこへ行けばいいんだ、道もできていないのです。
それを「橋を」「地元の悲願だ」「熱意だ」と、皆がはしかみたいに言っていました。後悔するぞ。必ず課徴金とか負担金とか分担金が来るんだって、30年前から言っています。だけどみんな熱い夢、ばら色の夢を描いていたんですよ。それが、今になって「いったいどうしましょう」なんて聞かれても、「知るか」って言いたいんですけれどね。
でもその30年間ずっと関係していますからね、1つ2つは言っているんです。例えば、高知県が国民休暇県という宣言をしましたけれど、それで何をしているかというと、労働省の厚生施設、厚生省の厚生施設、運輸省のレクリエーション施設などを誘致して建物をいっぱい建てましたという話なんです。「高知県民はどういおもてなしをしているんですか」ときいても、その答えは全くない。要するに、お客が来たらぼってやれ、食い物にしてやれというだけですよ。その食い物をたくさん連れてくる知事が偉い知事なんです。
それでは誰も来てくれません。ではどうすればいいでしょうと言うから、香川県から高知県へ峠を越える所に「国民休暇県」という大きな看板が立っているから、その横に「高知県は皆さんがゆっくりドライブをしてこの景色を楽しんでいただくように、ねずみとりのスピード違反取り締まりはいたしませんから、気持ち良く走ってください」と看板を立てておけと言いました。それだけでもおもしろいから週刊誌が書くし、神戸や大阪から人が来る。「もしマナーの悪い人がいて交通事故が増えたらまた復活しますよ。皆さんマナー良く走ってください」と書いておけばいいわけです。
そう言ったら、橋本大二郎さんの前の知事は名案だとおっしゃったけれど、何年経ってもやっていない。ともかく知事や市長さんがいいことを考えても、できないようになっているんです。それで結局はお客が来ない。税金で払っていただきたいという話になります。払ってあげてもいいですけれど、それなら最初から国道としてつくるべきなんですよ。この橋も国道として最初からかけてしまえばよかったのです。
国道にはいろいろな手続きがあって、それが邪魔くさいから飛ばそうというので、本四架橋公団で勝手にやってしまう。それで赤字になったら道路公団に合併してくれといい、道路公団はガソリン税で全部払ってくれ、赤字道路は国道にしてくれといっています。
結局、子孫が払うわけです。お父さん・おじいさんを恨みながら。せめてたくさんのお客が来て喜ぶように、できることはちょっとでもやりなさい。私は本四架橋公団の委員をしていまして、ご意見をと言われるけれど、出した意見は腐るほどあるのに一つも採用されていない。例えば、瀬戸大橋を韓国や台湾の人がたくさん見に来るから、その人たちが喜ぶようなことをしたらどうかと言ったら、「ここは日本だ」なんて威張っているんですよね。金が欲しければ何でもやれって言いたいわけですよ。全国各地で利用者が増えるように、お金が取れるようにやっている実例はいくらでもあります。
国交省だからいけないんなら、文化庁に移管したら、芝居でも何でもできる、と考えてみるべきです。でも、文化庁は受け取りを拒否するでしょう。なら、香川県で買い取れということですよ。金がなければスイスでもアメリカでも行って集めてくればいいんです。値段次第なんですよ。まああれは未来永劫赤字でしょうけれどね。それでも何とかするから10億円でひとつ、といったら、それはそれで立派な理由があることだと思うし、そういう話が盛り上がってきたら、僕は四国を尊敬するわけです。
明石
ありがとうございました。あまり時間がないので、大林さんに最後にお伺いしたいのですが、橋の活かし方、地域の活かし方、島の活かし方、いろいろな提案の端緒といいますか、いくつか出てきたと思います。そのへんで、もう少し明るい瀬戸内海像も描いてみたいと思うのですが。
|