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3. 法定船用品整備事業場に関する事業
 
 法定船用品整備事業場については、法定船用品等で定期的な保守点検が要求される物件の整備に関し、法令に定められた施設及び設備を有し、かつ、整備に関する人員等が充実している事業場を国土交通大臣(職権委任により地方運輸局長)が「認定事業場」として認定しています。当該事業場において整備された物件については、国の検査が省略され、当該事業場の自主検査に任されています。
 この制度は、船用品の品質・性能を担保するための整備技術と整備に係る書類・物品等の適切な管理能力が前提となっています。整備認定事業場は、整備に関し国の検査を代行するという重大な責務を担っており、常に法定要件を満足する管理体制の維持と整備技術の向上に努める責務が課せられています。
 本会は、これらの事業場を対象として次の事業を実施しています。
 
1 調査指導事業
 調査指導は、次のとおりですが、いずれも本会指導技師が国土交通省海事局及び事業場の所轄運輸局と蜜に連絡をとりながら、関係事業場に立入り、必要な指導を行っています。
(1)新規指導
 新しく事業場の認定を受けようとする事業場が法定要件の全般に亘って基準に適合しているか、どのような改善が必要か等について、申請から認定取得まで適宜指導しています。
(2)巡回調査指導
 定期的に事業場における法定要件の維持等状況について調査指導をするとともに、整備技術者に対する指導を行っています。
 
2 講習事業
 船舶の重要な救命設備である膨脹式救命いかだ、降下式乗込装置、極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置、レーダー・トランスポンダー及び双方向無線電話装置の整備技術者の育成のため、国の安全検査と同水準の検査を行うために必要な法令知識、整備技術、作業管理等について講習会を開催しています。
 この講習会を修了し、所定の試験に合格した受講者に対して「整備技術者」の資格を付与しています。
 (現在膨脹式救命いかだ整備技術者415名、降下式乗込装置整備技術者98名、GMDSS整備技術者287名)
 また、現に資格を有し、実務についている整備技術者を対象に技量の維持、向上のため研修会を開催しています。研修会においては、法令事項の解説及び整備技術の解説等の補完教育を実施しています。
 
3 整備情報集中管理事業
 膨脹式救命いかだ及びGMDSS救命設備の整備に関して「整備管理システム」を構築し、年間3万件に及ぶ情報を本会のコンピューターにより集中管理し、整備作業の利便に供するとともに、これらに関する統計資料、製品の改善等に活用しています。
 
4 整備技術調査研究事業
 船用品の性能、品質の改善、向上に資するとともに、事業場の要望に応え、整備技術の向上のため適宜テーマを定め、各種の調査研究を行っています。
 
<膨脹式救命いかだ整備技術講習会>
 
<GMDSS救命設備整備技術研修会>
 
<無線工学の基礎講習会>
 
<GMDSS救命設備整備技術講習会>
 

 
 
1 船舶検査関係法令に係る調査研究事業
 船舶検査制度は、近年国際化、多様化が進み、船舶検査制度に関する国内外の諸法令・制度の内容、適用関係等について、調査研究を行っています。
 また、船舶検査制度に関して本会が国土交通省、検査関係機関、造船関連団体及び諸外国の関係機関から入手した各種の情報及び資料等について、当会のホームページ及び定期刊行物(品管時報)等を介して会員にお知らせするとともに、必要に応じて関係先に提言、報告等を行い、また、講習会、説明会、各種連絡会議を開催し、周知徹底を図るよう努めています。
 
2 各種相談及び各種証明事業
(1)貸付けに関する相談・証明
 日本財団ではモーターボート競走の収益金により、国土交通省の施策に沿って設備の近代化、合理化に必要な「設備資金」、経営基盤の安定化に必要な「運転資金」等を低利、長期償還という有利な条件で貸付けする制度を設けていますが、本会では会員に対して、これら借入申請を行うために必要な申請手続等に関する相談・指導と申請に必要な「団体加入証明書」の交付を行っています。
 
(単位:百万円)
年度 設備資金 運転資金 合計
3 1188 1188
4 315 1081 1396
5 130 1102 1232
6 1218 1218
7 17 1306 1323
8 1146 1146
9 1118 1118
10 14 951 965
11 1297 1297
12 979 979
13 33 976 1009
<本会会員に対する日本財団資金貸付状況>
 
(2)相談事業
 船舶安全法に基づく事業場の認定、型式承認に関する事項等について、相談を受付け、適宜指導を行っています。
 最近では、ISO9000シリーズ及び14000シリーズの認証取得に関する指導の他型式承認物件の変更承認申請等の案件について、国土交通省海事局と連絡を密にとりながら、必要な指導を行っています。
 
3 表彰事業
 本会の事業に関連のある業務に関して顕著な功績をあげ、他の模範となる業績をあげた会員会社の社員に対し、本会が表彰しています。
 また、本会では、叙勲及び褒賞をはじめ国土交通大臣及び地方運輸局長表彰並びに各団体の表彰に関して、これに該当する会員会社の役員、社員等を推薦しています。
 
4 団体PL保険に関する事業
 本会では、製造物責任法(PL法)の施行に伴い、保険会社と提携して本会独自の「団体PL保険制度」を設け、会員に対してこれを周知するとともに、保険の付保等を支援しています。
 
 
 製品安全評価センターは、国土交通省の行政目的に沿って、また、本会会員の必要とする技術開発等に資することを目的として設立された機関であり、次の事業を実施しています。
 
1 依頼試験
 船用品、艤装品等について、本会会員その他の依頼に応じて試験を行い、試験成績書を発行しています。試験は、船舶安全法、各船級協会等諸規則等依頼者の試験仕様に基づいて行われますが、発行する試験成績書は、第三者機関としての証明能力を有します。
 
2 施設貸与、技術指導
 当所の各種試験施設、機器を希望者に貸与しています。この際、試験施設、機器の活用方法の指導、情報の提供等を行っています。
 
3 開発研究
 船用品、艤装品等の試験を通じて当所に蓄積された技術力と秀れた試験施設、機器を活用して時代の要請に応える新たな船用品、艤装品等の開発研究とその基準づくりに貢献しています。
 
4 一般部門への対応
 船舶関係以外であっても、製品の試験、開発、改善等に関してできる限りの対応をしています。
 
<大型電機油圧式振動試験機>
 
<ランダム加振動制御装置>
 







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