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ご挨拶
 
 私たちの日本には、長い歴史と豊かな文化、変化に富む風土があります。
 人々は、自然の中から糧や恵みをうる一方、大きな脅威と被害も受けてきました。人々はこうした自然を恐れ、敬い、慰め、また感謝するために、山の神・海の神・田の神に祈りました。また、町では、悪霊を退け、先祖を敬うための祈りが捧げられました。こうして、全国各地に、お祭りや年中行事が生まれ、先祖代々受け継がれてきました。その数は3万をこえるといわれ、全国各地の町や村で、春夏秋冬、季節の移り変わりにつれて、様々な伝統芸能が演じられています。
 
 「地域伝統芸能全国フェスティバル」は、このような伝統芸能を、地域の観光振興に活用し、個性豊かな町づくりを図って行くことを目的に、「地域伝統芸能活用法」の趣旨にそう全国的な催しとして、平成5年度より毎年各地で開催してまいりました。ちょうど十回目となる今年の全国フェスティバルは、おりから富山県の各市町村で開催中の「いきいき富山伝統芸能フェスタ」の中核となる催しとして、平成14年11月7日(木)から10日(日)までの4日間、富山市のオーバードホールを中心に開催いたしました。
 
 今年は、「海が運ぶ・まつりの響演」をテーマとして、富山湾に臨み、古来海上交易で栄えた富山県を舞台に、島国日本の各地に伝えられてきた伝統芸能を披露し、その素晴らしさを多くの人々に楽しんでいただきました。開催期間中は、生憎の空模様にもかかわらず、会場周辺は約4万5千人の人出でにぎわい、所期の目的を達して大きな成果をおさめることができました。その模様は、地元マスコミでも連日大きく取り上げられたほか、後日、NHK衛星放送の全国ネットワークでも詳しく紹介されるなど、広く国民の伝統芸能に対する関心を高めることができたと考えております。
 
 これもひとえに、主催者として協力をいただいた、富山県・富山市・高岡市・魚津市・氷見市・小矢部市・宇奈月町・八尾町・城端町をはじめ地元の皆様の熱心なご協力、さらには関係機関のご指導、ご尽力のたまものと深く感謝申し上げます。
 また、出演していただいた皆様はもとより、たくさんの拍手を送ってくださったご来場の皆様に対しましても、改めて深く御礼申し上げ、挨拶といたします。
 
平成14年12月
第10回地域伝統芸能全国フェスティバル富山
実行委員会 委員長 土 橋 正 義







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