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毎日新聞朝刊 2002年9月8日
小泉首相訪朝 米朝対話へ仲介…ブッシュ米大統領のメッセージを伝達
 
 小泉純一郎首相が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キムジョンイル)総書記との17日の会談で、米朝対話再開に向け北朝鮮に一層の努力を求めるブッシュ米大統領の金総書記あてメッセージを、直接伝える見通しとなった。7日、政府関係者が明らかにした。金総書記の返答はその後、外交ルートを通じてブッシュ大統領に説明する。首相は日朝対話を進めるうえでも米朝関係の改善が欠かせないと判断しており、米朝トップの意思疎通を日本が「仲介」することで、東アジアの安定に役割を果たしたい考えだ。(2面に関連記事)
 すでにメッセージについての日米間の事務折衝が行われており、12日(日本時間13日)にニューヨークで予定される日米首脳会談でブッシュ大統領から説明がある見込み。
 小泉首相は日米首脳会談で、核・ミサイルなどの安全保障上の諸問題解決と朝鮮半島の緊張緩和には、対話を通じ北朝鮮を国際社会に関与させるのが現実的な選択肢との考えを表明する。さらに安保上の重大な懸念を米国と共有する立場を強調する一方、「米朝関係の改善のためにも自分は北朝鮮に前向きな対応を求める」と説明。ブッシュ大統領のメッセージを金総書記に伝達する考えを明らかにする。
 外務省筋によると、大統領メッセージには、国際社会が北朝鮮の核やミサイル開発などに強い懸念を抱いていることを念頭に、米朝対話再開に向け環境整備に取り組むよう求める考えなどが盛り込まれる見通し。
 ブッシュ政権は、この大統領メッセージに対する「回答」を含む日朝首脳会談での金総書記の対応を見極めたうえで、ケリー米国務次官補を平壌に派遣するかどうか最終判断する方針だ。
 
 
 
 
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