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(6)今後の課題
 とりわけフルタイムで働く母親の就労支援を考えた場合、延長保育が必要な制度であることは十分理解できます。子どもにとっても安定した良好な環境が整備されなければなりません。そのために保育所が大きな役割を担う必要があることは当然であります。
 しかし子どもの健全育成を考えた場合、家庭がその根本にあることは誰でもが認めるところです。核家族の中で両親が働いていても、家庭における子育て機能が十分働くように、地域や社会が支援していくことが重要であります。それは保育所だけが抱えるのではなく、職場が育児休業制度や育児時間の確保、残業の削減に向けて改善や努力をするとともに、ファミリーサポートセンター事業の充実、ベビーシッターの育成など幅広い対応が必要であると考えます。できる限り家庭で安心して保育できる環境作りをしていくことが、コミュニティーの形成、健全な社会の構築につながっていくものと思います。
 このようなことを考えると、延長保育事業の利用者が増加することは、保育所の利用以外に地域の中で子育てを支援する機能が働いていないということにもなり、社会全体で子育てを支援していくことが必要という観点からみると、子育てへの対策がまだまだ不十分であり、一層の充実が求められることになるのではないでしょうか。








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