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講義 「子そだてネットワークの拠点としての保育所の役割」
児童館 チャイルドハウス館長 福留孝子 先生
 
子育てネットワークの拠点としての保育所の役割
 
(1)地域子育て支援の動向
[1]社会的変容
◎戦後の急激な経済発展
 ↓
◎核家族化
・ 育児文化の伝承が困難
・ 地域社会からの孤立化
 ↓
育児不安・自信喪失・育児放棄・虐待(図1参照)
 ↓
子どもの生命や発達を阻害
◎少子化
 
(2)社会的対策の動向
◎エンゼルプランの施策
◎社会福祉基礎構造改革
・ 児童福祉法の改正
・ 第三者評価の導入
・ 苦情解決実施
 
(3)子育てに必要な条件
  親・家族 → 子どもを知らない親の増加
  友だち(集団) → 子どもの遊び場がない
  自然 → 自然の遊び場がない
 
(4)子育て支援の実践
[1]一時的保育事業
[2]幼児クラブ
[3]育児サークル支援
[4]育児講座・育児相談
[5]図書貸し出し
[6]施設開放
[7]サークル活動
など
 
(5)ニーズの的確な受け止め方と今後の方向(図2、3、4参照)
[1]保育所、支援担当者の専門性の発揮
[2]地域・関係機関・行政等のネットワーク作り
[3]情報公開、提供
図1 子育ての負担感
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図2 子育てから展開するまちづくりのための情報システムの構築
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図3 保育所で行っている情報公開・情報発信のチェック
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図4 内容のチェック 情報収集と情報提供のチェックリスト
どことか 情報収集の例 情報提供の例
チェック 自分の保育園で行っている情報収集の内容 自分の保育園で行っている情報提供の内容
人類 (A) 歴史的に今、子どもを取り巻く環境は (B) 専門性からの研究・提案
チェック    
国民 (C) 少子化や待機児、過疎化の状況把握 (D) 公金使途の情報公開・制度、機能説明
チェック    
地域住民 (E) 地域の核としての役割要望 (F) 地域支援
チェック    
子育て家庭 (G) 相談内容、利用状況によるニーズ把握 (H) 子育て支援、育児相談、園のしおり
チェック    
保護者 (I) アンケート調査や要望による (J) 園だより、おしらせ
チェック    
クラス (K) 連絡帳・保護者会・個人面談 (L) 連絡帳・クラスだより
チェック    
他保育園 (M) 保育団体・研修会 (N) 研修会
チェック    
他施設 (M) ネットワーク (N) ネットワーク
チェック    
行政 (O) 制度・通達・指導 (P) 現状の説明・要求
チェック    
 
 資料
保育所における子育て相談に関する調査研究報告書
情報による子育て支援(全国私立保育園連盟強化委員会)
 
平成13年度 児童館チャイルド・ハウス事業計画書
社会福祉法人 清豊福祉会 児童館チャイルド・ハウス
活動項目 事業名 実施予定日 実施場所 人員 活動内容
1.施設の有効活動 地域の健全育成団体への開放 随時 館内外   児童育成を目的とした活動、会議に限り開放。個人を含む各種団体。
※但し、子どもの利用に支障のない範囲以内において家庭内の幼児、母親が楽しく遊べるように施設、遊具を開放する
図書コーナー 月〜土曜日
貸出10時〜
18時
館内   多くの種類の本に触れ、興味を持った本は借りたりする。また、好きな本を選んで友だちとの会話を楽しみ好きな時間に読むことが出来る。
児童館で遊ぼう 月1回
第3日曜日
館内外 定員無 いろいろな材料・道具を使い考えたり工夫したりしながら遊びを楽しむ。
2.他団体との連携活動 母親クラブ
(バーバママ
クラブ)
通年 館内外   児童・幼児を持つ母親たちなどの事業への積極的な参加と児童館活動への協力、親同士の親睦を基本にして、心身ともに健全な児童の育成と資質の向上を目指す。また同好会活動を通して仲間作りに取り組む。
育児サークル
・ぽけっと
・おひさまえん
月2回
月1回
館内外   保護者が主体となり、独自のカリキュラムを立て、遊びを通して親子のコミュニケーションを図る。
母親サークル
・ゴスペル
サークル
月1回 館内   母親を中心としたサークルヘ場所を提供し、仲間作り・活動の充実を図る
ボランティア活動との連携 随時 館内外   地域に住んでいる遊びの指導者、読み聞かせ、各種サークル活動者の発掘、組織化を進める。
子供会・自治会との連携 随時 館内外   地域の子供会や自治会、団体等との連携した活動を実施して相互の活動の活性化を図り、より多くの人に健全育成活動に参加してもらう。
3.交流活動 地域交流活動 随時 館内外   食事会や昔の遊びの伝承を通じ、お年寄りと子どもとの交流と触れ合いの場をもつ。
ゲートボール 不定期 館内外   地域の敬老会の指導を受け、お年寄り及び異年齢児童との交流を深め合いながら、触れ合いの場をもつ。また、競技のルールを学ぶ。
国際交流 年2回 館内外   海外の方々との交流と触れ合いの場をもち、いろいろな国々の言葉・生活習慣・遊びを学ぶ。
4.クラブ教室活動 のびのびクラブ
(2・3才児)
年間28回
木曜日
館内外 25組 幼児と保護者を対象に親子遊びや集団遊びを通じて遊びの輪を広げる。また、保護者同士の交流も図り、家庭や地域の還元を図っていく。
すくすくクラブ
(2・3才児)
年間28回
水曜日
よちよちクラブ
(2才児)
年間28回
火曜日
わんぱくクラブ
(1・2・3才児)
年間19回
月曜日
手話サークル
(Heart&Heart)
第1・3
土曜日
館内外 30 児童から大人を対象に手話を通じて障害児(者)について考え、また他団体との交流を図っていく。
音楽クラブ 月2回
第2・4
月曜日
館内 30 音楽(歌・楽器)に興味を持ち活動を楽しむ。また、他団体との交流をもち、音楽の深さを知る。
学童クラブ 通年 館内外 50 留守家庭児童を対象に、児童の放課後生活を補助する目的で、宿題の指導他楽しく過ごす環境を配慮する。
こどもエコクラブ 随時 館内外 学童
クラブ
身近にある動植物に目を向け観察や植物を使った遊びを通じて自然保護や地球環境について考える。
5.文化・芸術活動 講演会 年3回 館内 50 保護者や地域の人々を対象に専門家の話を聞き子育てやこれからの考え方等について学べる場所にする。
お話しの会
(おとぎのへや)
月1回
第2火曜日
館内
保育園
定員無 幼児・児童を対象に絵本の読み聞かせ、素話し、わらべうた等、話を聞きながら想像力を育む。
人形劇
・バーバママクラブ
・かすぺる
不定期 館内 定員無
各地域
幼児から大人まで楽しめる内容を検討し、物語に興味をもてるようにする。
児童劇 年1回 館内 170 児童館巡回事業を通して優良な劇に触れ、感受性や情操を豊かに発展させ想像力を培う。
映画祭 年3〜4回 館内 50 映画鑑賞を通じて児童の情操を高める。
陶芸教室 年2回 館内 50 土に触れ、その感触を味わい自分の作品を完成させて創作活動への意欲を高める。
折り紙教室 年2回 館内 50 日本文化の中でも簡便さに優れている折り紙を使い、様々な作品を作り上げる楽しみ、創作意欲を高める。
演奏会 年2回 館内 定員無 クラシック音楽を身近で鑑賞し日頃の疲れを癒すと共に、家族で楽しい一時を過ごせる場所にする。また、いろいろな楽器に触れ音楽を楽しむことを目的とする。
発表会 年1回 館内 定員無 大人から幼児まで、自分の得意なものを披露する場を作り、向上心や自分への自信を持つ。
6.体力増進活動 ハイキング 不定期 野外 定員無 野外活動を通じて、体力の増進と自然を愛する心を育みながら仲間作りを進める。
ドッチボール大会
バレーボール大会
不定期 野外 定員無 好きなスポーツを通じて体力増進を図ると共に仲間作りを行う。また、競技のルールを学ぶ。
ふれあい運動会 10月 野外 定員無 体力の増進を図ると共に協調性を養い、異年齢児童または、園児との交流を楽しむことを目的とする。
7.自然体験事業 少年自然の家
学習
8月 少年自然の家 30 施設の周辺の自然を利用し自主的に活動の協調性や忍耐カを養っていく。
自然観察会 不定期 野外 定員無 自然を愛する心を育むために遊びや経験を通じて、動植物をはじめとする自然を守る大切さを学び、森や林を散策し、自然の営みと季節の移り変わりの様子を知る。
野鳥の会
バードウォッチング参加
年6回 慈眼寺公園遊歩道
クリーン作戦 年3回 児童館周辺 定員無 地域の清掃活動を通して、ゴミ問題やリサイクル活動について話し合い、環境の大切さを知る。
8.季節的行事 七夕祭り 8月 館内外 定員無 季節的行事を行い季節の生活観を高めると共に、地域のお年寄りやボランティアの方々と交流しながら、伝統行事を、子ども達に伝承していく。
十五夜祭り 9月
焼き芋大会 11月
しめ縄作り 12月
餅つき大会
9.イベント活動 夏祭り 7月 館外
保育園
定員無 夏の夜を夜店や花火等で楽しみ地域の人達と交流をもつ。
磯庭園へ行こう 8月 礒庭園 40 公共施設のマナーを守って利用し、その仕組みを知る。
大学祭に行こう 11月 鹿児島国際大学 30 ふれあい同好会のメンバーと交流を持ったり、大学祭の雰囲気を味わう。
こどもわくわくフェスティバル 12月 館内外 定員無 保育園、各クラブ(母親、幼児、学童クラブ)、教室の発表展示を行ったりボランティア、地域の人達との協力による活動や集団遊びを実施し、自主性と幼児・児童期の思い出作りを行い、地域の人達との交流を図る。
クリスマス会 12月 館内 50 ゲームや食事会などを楽しむと共に会を通じて、世界の恵まれない地域の仲間達を思い、自分たちの生活に感謝できる心を育む。
スケートに行こう 1・2月 セイカ
スポーツ
センター
40 公共の交通を利用し、マナーを知り、また冬の遊びとしてのスケートを十分に楽しむ。
10.情報の収集と提供 児童館だより 毎月 館内外   児童館行事の広報活動と情報の提供。
学童クラブだより 毎月 館内外   学童クラブ行事の案内と誕生児紹介、クラブでの児童の様子紹介(他連絡事項を含む)。
幼児クラブだより 毎月 館内外   各幼児クラブ活動内容の案内と、誕生児紹介(他連絡事項含む)。
利用案内 随時 館内外   利用案内のポスター、広報紙の作成と配布。
社会福祉法人
清豊福祉会
セバストガ
チョウ号
年4回 館内外
各関係機関
  清豊福祉会が取り組んでいる事業を一般の方々に理解していただくと共に、児童健全育成の場としての情報等の提供をする。








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