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ご挨拶
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(財)全日本剣道道場連盟
元文部大臣
会長 松永 光
 
 第30回愛知県少年剣道錬成大会が、名古屋市において関係各位のご協力のもと盛大に催しされますことは、主催者として誠に喜びに堪えません。
 本大会は昭和六十一年度(15年前)から各都道府県剣道道場連盟の協力を得て、県下組織の活性化、少年剣道の普及促進を目的に各県単位で、開催されて来たものです。又、毎日新聞社が大会の特別後援ということで新聞紙面等でご支援を頂き本当に有難く深く感謝しております。
 明治維新より百数拾年が経ち、剣道の技術や精神も時代と共に変遷しております。しかしながら、剣道道場主が真の剣道とは何か、本来の武道とは何かを、常に自問自答しながら日本の伝統文化剣道を伝授して行くことは極めて大切なことであると思います。又、全日本剣道連盟も剣道試合・審判規則改正や、社会体育指導者認定制度の充実等で、剣道を正しく広く伝えていく努力をしておられますが、剣道界の各団体と一致協力して剣道の普及伝承を図っていかなければならないと思います。
 剣道道場の隆盛には、親しみやすさ、厳しさ、爽やかさ、そして幼年から熟年まで精神と技術の交流が必要であると思います。道場の雰囲気造りと指導者の資質向上並びに連盟本部としての普及環境整備が強く要望されるところであります。
 本日は、国の宝である夢多き少年少女剣士がさわやかな竹刀の音をこの会場一杯に響かせ、武道精神の根源である旺盛な気力、克己心並びに忍耐力を持って立派な試合を行い、お互いの研鑽錬磨に努めて頂くようお願いします。
 二十一世紀は教育の時代、そして環境の時代と言われており、知育、体育、徳育をさらに充実して、心身共に健康で豊かな心を備えた少年を育成することこそ日本の繁栄と世界の平和につながるものと思います。そうした人間を育成することに最も適しているのが剣道であることは間違いないところであり、多くの識者が認めているところであります。
 本日の大会が皆様のご支援のもと、剣道を通じて立派な少年少女育成という大事な目的を達成する機会となり、そして日頃より剣道を指導しておられる各道場の一層のご発展をお祈りして、私の挨拶といたします。
 
 
 
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愛知県剣道道場連盟
名誉会長 鈴木 正雄
 
 本日ここに、第30回愛知県少年剣道錬成大会を迎えました。
 選手の皆さんには、日ごろよく練習に励み、体力をつけ、気力と技を磨き本日のご出場の栄を得られたことおめでとうございます。
 各道場の代表として思う存分の力を発揮して正々堂々のご健闘をお祈りいたします。
 さて、剣道はわが国固有の武道として古くから尊ばれて来ました。その根本理念は“礼に始まり、礼に終わる”と言われているとおり礼の精神であります。礼とは社会の秩序を守るための社会規範のことですが言い換えれば敬意をもって振る舞い、相手を敬う心であります。剣道に励むことにより、人間として大切な礼の心を磨き、将来みなさんが成人して社会に出た時、立派な日本人として活躍していただくことを期待いたしております。
 ところで、剣道を修行していくうえの訓えに拙守求真(つたなきを守ってまことを求める)という言葉があります。これは人は皆、器用・不器用はあるけれど不僥不屈の心を怠るなという意味です。不器用な人が器用な人の真似をしても、到底うまくいくはずがありません。その行う動作がたとえ下手で未熟でも常に正しく人一倍の努力を重ねることによって本質を究めることが出来るのです。今日の試合の勝者も敗者も、この訓えを心に刻み、さらに努力を続けて頑張ってください。
 最後に、今年もまた関係各位には本大会運営にあたり、格別のご尽力を賜りましたこと心からお礼申し上げます。
 
 
 
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愛知県剣道道場連盟
会長 日比 孝吉
 
 本日ここに、第30回全日本剣道道場連盟主催、愛知県剣道道場連盟主管による少年剣道錬成大会が開催できますこと心からお喜び申し上げます。
 出場される選手の皆様は日頃の鍛錬の成果を思う存分発揮して頂き、悔いのない試合ができますことをお願い申し上げます。
 さて、昨今の一部の青少年の事件報道は実になげかわしいという他ありません。本日参加される少年剣士達は、親孝行をして親に感謝することと、剣道道場で諸先輩に学ぶ礼儀の精神を尊び、先人の知恵を身に付けて頂きたいと存じます。時流は刻々と移り変わりますが、礼儀作法や人としての心のあり方を剣道を通じて発見して下さるならば、この上ない幸せでございます。
 又、試合には必ず勝敗があります。勝負に勝つことが大事なことは言うまでもありませんが、そればかりにとらわれず一つの結果、通過点として更なる自分を磨いて行けば成長の止まることはありません。勝って奢らず、負けて挫けず。新しい自分に常にチャレンジする気迫をもって、本大会に臨まれる事をお願い申し上げます。
 最後になりますが、本日の審判をつとめられる先生方、並びに当大会の運営にご尽力賜りました皆様に心からの感謝の意を捧げまして、私の挨拶とさせていただきます。








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