(財)全日本剣道道場連盟
鹿児島支部会長 中村 保
皆さんお早うございます。
この大会を催すに当り、鹿児島西高校体育館をお貸し下さいまして心から感謝している次第です。本日の大会が終了するまで汚さないよう入場している皆さん一人一人がよく気配りして体育館は勿論使用した全般を綺麗にしてお返しできるよう心掛けましょう。
さて、鹿児島県はかって「武の国薩摩」と言われ全国的にも有名な剣道王国でありました。この道場連盟に参加団体も年ごとに減少し、有名だった吉野剣道や暁剣道も姿を消しました。何故でしよう。隣県の実情を調査してみますとこの道場連盟に加入している団体は熊本県で121団体、宮崎県で62団体となっています。しかるに私共の鹿児島県では30団体がやっとで嘆かわしい次第です。私共幹部の力不足も認めますが、もっともっと剣道人口を増やしたいものです。
鹿児島県出身のある剣道の先生が「この国から剣道の姿が消えるとき、この国も共に亡ぶだろう」と申されたことを思い出します。
剣道は礼儀作法から始まり礼儀作法に終わる武道であります。何よりも精神の鍛錬と強健な身体作りが主な目的であり、技術の錬磨は第三の目的であります。
最近のスポーツには金儲けを主としたものが多く、勝つ為には手段を選ばず、相手に怪我をさせようと、著しく人格を誹謗しようと勝ちさえすればよいというような、日本古来の武道精神とは全く違ったものが横行しています。嘆かわしい限りです。
剣道も勝敗を決める競技でありますが、剣道の規則にもあるように厳しく反則として取り上げられ正々堂々と闘うことが規制されています。
皆さんは立派な指導者に恵まれ、正しい剣道を学んできた剣士ばかりです。どうぞ悔いの残らない試合をして、自分達の団の名声を高めて下さい。
皆さんの健闘を祈ります。