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第37回 剣道指導者研修会 報告書
a 実施期間 平成14年3月1日(金)〜3月3日(日)
b 実施場所 全日本少年剣道錬成会館
c 実施内容
 5月の全剣連審査会に向けての修練と指導力、技量の向上を目的とした第37回剣道指導者研修会を優秀な講師を迎えて、全日本少年剣道錬成会館において開催した。
 1日、予定通り14時30分開講式で太田忠徳全日本剣道道場連盟専務理事が、今回の研修会では初心に返って学んで戴き、今後の少年剣道指導と自己の剣道のレベルアップに生かして貰いたいとのべた。引き続き講師紹介、講師を代表して倉澤照彦筆頭講師が、3日間という短い期間であるが講師一同全力を尽くし皆さんのお役に立ちたいと挨拶した。
 早速準備運動に入り体を十分ほぐした後、研修生の技量を測るため、審査の要領で2会場に分けて立会いを行った。まだ地稽古を遣らない前の立会いで、かなり緊張している様子が伺え力を発揮出来ない研修生が多々見受けられた。研修生は立会いが終わるたびに講師より立会いの内容について、注意やアドバイスを受けたが、今後の剣道の指針となったことと思う。引き続いて研修生同士の稽古を20分行い、最後に講師元立ちで指導稽古を行い1日目を無事終了した。
 2日目は倉澤筆頭講師の剣道講話で研修を開始した。内容は闘争の剣から人間形成の剣で無ければならない。礼法や感謝の気持ち、協調や尊敬の念が無ければ剣道は単なる暴力に過ぎないと、剣道人としての心構えを説いた。又、剣道の着眼点として、礼法・気勢・打突・風格・品性等について所感を述べたが、倉澤講師の長年の修行から得た薀蓄のある講話であった。
 引き続いて青木講師の剣道形の研修に入った。先ず剣道形の大事なところ、要点を話しその後、大太刀1本目から模範を示しながらの指導で実に詳細に亘るもので、青木講師の形に対する研究の深さが伺える内容であった。予定では剣道形は午前中で終わりであったが予定をオーバーした為、午後に持ち越されることとなった。
 午後は残りの形を午前中同様に指導し剣道形10本を無事終了した。続いて伊藤講師による指導法(切り返し・基本打突・地稽古)を中心に講師が永年修業されたこつと要領を余す事無く模範を示しながらの指導であった。一通りの基本的な指導を終え、研修生同士の回り稽古を行い、最後は特別講師と全講師が元に立ち指導稽古を行って予定通り2日目を終了した。
 3日目最終日は早朝6時30分より気迫溢れる早朝稽古を行った。朝食後、初日同様各立会個人指導である。研修生を年代・段位別に分け、審査の要領で一組ずつ立合を行った。本番さながらの雰囲気で、立会は研修生も緊張した様子であったが各講師から一人一人に細かな的確なアドバイスがあり自分の欠点を反省する為、真剣そのものであった。又そのアドバイスを他の研修生も今後の剣道に生かそうと真剣に耳を傾けていた。立ち会いが終わり基本打突、相互練習を行い、最後に講師元立ちの指導稽古で全ての研修を終了した。
 今回の研修会には79歳の高齢者も参加し、全てを休むことなく熱心に研修したが、改めて生涯剣道の実践を見る思いがした。尚、講師の熱心な愛情溢れる指導により剣道形、剣道共に内容が当初より見違える程良くなり、大きな成果を上げる事が出来た。
d 参加人数 49名
講師 倉澤照彦 範士九段  伊藤陽文 範士八段
  青木彦人 範士八段  
本部講師 太田忠徳 範士八段  
特別講師 遠藤正明 教士八段  石ケ森重人 教士八段
  西川清紀 教士八段  








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