4. 参考資料
4-1. 海洋と日本〜21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提言(骨子)〜
4-2. 日本の海洋政策の現状分析
4-3. 各国における海洋政策への取り組み
4-4. 世界の排他的経済水域面積比較表
4-5. 日本の領海等概念図
4-6. 現行海洋関連法制・模式図
4-7. 海洋開発関係省庁連絡会議と科学技術・学術審議会(新旧対照図)
4-1. 海洋と日本 〜21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提言(骨子)〜
日本財団
提言1:総合的な海洋政策の策定
国連海洋法条約および国連環境開発会議(リオの地球サミット)に掲げられた国際的な海洋管理の理念のもとに、わが国の管轄する沿岸域から排他的経済水域および大陸棚外縁までの開発、利用、保全、並びに公海を含む全海洋におけるわが国の権利義務の行使および国際協力に関して、国家としての基本理念と行動計画を掲げるわが国の海洋政策を策定し、内外に明示すべきである。
提言2:海洋政策策定、実行のための行政機構の整備
海洋管理の基本理念に沿って政策が策定、実行されるように、関係する多数の省庁にまたがる海洋政策の総合的検討、策定およびその推進のための任務と権限を有する有効な行政機構を整備すべきである。
提言3:総合的沿岸域管理の法制整備
“沿岸域”を海陸一体となった独自の自然的・社会的環境を持つ区域として認識し、その生態系の総合的な環境保全のシステムを考慮した、開発と環境の両立を目指す持続的な総合的沿岸域管理について、必要な法制整備を検討すべきである。また、沿岸域の開発と利用、保全の当事者、受益者として、地域住民の役割を積極的に評価し、沿岸域管理政策の立案、実施、評価、再実施のサイクル的プロセスに積極的な市民参加を実現すべきである。
提言4:水産資源の合理的な管理、漁業と他の海洋利用との調整
海洋資源の合理的かつ持続可能な開発の枠組みの中で、わが国周辺海域における水産資源の保存と管理、漁業の振興を一層図る必要がある。そのためには、漁業制度の近代化・合理化のための漁業協同組合や漁業権制度の見直しを含めた抜本的制度改革を今後とも継続的に進めるべきである。また、漁業と他の海洋利用との競合問題の調整や共存のための合理的な法制度の確立を図るとともに、漁業補償について、国民全般の支持を得ることのできる透明性と公正性を確保するための手続、手法の見直しを実施すべきである。
提言5:排他的経済水域(EEZ)および大陸棚の総合的管理の具体化
わが国の排他的経済水域(EEZ)および大陸棚において、国連海洋法条約上の天然資源等に関する主権的権利や科学的調査、海洋環境保護等に関する管轄権を十分に行使するための総合的な海洋管理政策の策定を急ぎ、その具体的展開を図るべきである。また、EEZおよび大陸棚について、境界画定に関する基本方針を定めて隣接国との協議等を進めるとともに、EEZおよび大陸棚に関する現行法の見直しを行い、わが国の海洋政策の具体的展開を推進するために必要な法制整備を行うべきである。
提言6:海洋に関する青少年教育および学際的教育・研究の充実
国民の海に対する知識や理解の向上を図り、海との共生についてその積極的関心を喚起するため、海洋に関する教育・啓発、特に青少年に対する海洋教育の拡充を図るべきである。また、海洋問題に総合的視点で取り組むため、自然科学系と社会科学、人文科学系の相互間を含む各分野の学際的研究と交流を促進するとともに、大学院レベルでの海洋管理に関する総合的な教育・研究システムを整備すべきである。