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(3) 海底長期観測ステーションと深海地震総合観測システム
 海底長期観測ステーションは、現在、海底下で進行している地殻変動のモニタリングを目的とするものです。当センターでは、1993年9月、相模湾の初島沖の水深1,174mのシロウリガイ群集或に、ビデオカメラ、地震計、水中マイク、地中温度計をはじめ多数の観測機器を取り付けた上記のステーションを設置して、長期連続観測を開始しました。得られたデータは、初島の観測基地を経由して当センターにリアルタイムで送られてきます。
◆初島沖のシロウリガイ群集と深海の生物
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◆深海底総合観測ステーション位置図
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 一方、深海地震総合観測システムは、地震や津波などの海底変動現象を長期間連続でリアルタイムで観測するもので、現在、重点地域として高知県室戸沖と北海道釧路・十勝沖に設置されています。室戸沖およびその周辺海域は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートとの衝突に起因して、1944年の東南海地震など、巨大地震が多発し、海底下の地殻変動が活発な海域として知られています。
 また、北海道の下には、太平洋プレートが千島海溝から西南西の方向へ年間約8cmの速度で沈み込んでいて、この沈み込みに伴う活発な地殻変動のため、北海道太平洋沖合では1952年に十勝沖地震などの巨大地震が発生しています。そこで、釧路・十勝沖に本システムを設置し、日夜精度の高い観測を行っています。
◆日本列島周辺のプレート境界
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◆高知県室戸岬沖「海底地震総合観測システム」の観測機器
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今後、日本周辺の太平洋側、日本海側および南西諸島方面のプレート境界域等に「海底地震総合観測システム」を多数設置する計画があります。








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