日本財団 図書館


沿岸警備隊-海軍法施行協力
 米国沿岸警備隊は、捜索又は救助などその他の主要な任務とともに、しばしば同時にこれらの3つの主要な海上法律施行任務を実施しているが、海軍の支援を受けることもしばしばある。最近、米国海軍リーダーは、こう述べている。「海軍艦艇がこの半球の平時行動では沿岸警備隊の任務を補助している」 海軍は、日々の任務として麻薬対応行動を支援し、大規模な移住、重要な捜索と救難活動あるいは他の重要な海上イベントといった重大な局面では、沿岸警備隊を支援できるように備えているのである。38 (海軍艦艇は、実際にこの10年間、キューバ及びハイチ移住の捜索と救助、更に封止で沿岸警備隊を支援することに、そして主要な航空機災害の後、沿岸警備隊の救難と回収努力を援助することにかかわってきている) 先に言及したように、その義務を実行する際、海軍及び他の連邦政府機関に支援を要請するためには、沿岸警備隊にとっても国内の法的権限があり、法律施行において領土外行動の事件では、かつ国防長官又は国防副長官の事前の承認によって、法律施行にその他の軍隊の利用を許す例外がありさえする。例えば、1996年10月、そのような例外が、83人の暴力的な違法移住を運んでいるバミューダ商船に乗り込む沿岸警備隊法施行分遣隊に対する米国海兵隊のバックアップを許可することが行われている。39
 
 麻薬対抗行動の限定分野では、米国海軍は、看破と監視のための主導的政府機関として沿岸警備隊を支援している。海軍艦艇と航空機は、海軍の高度なレーダーと通信システムを持っており、麻薬禁止のための不可欠な情報収集と追跡の有用な装備である。40 米国海軍は、現在、カリブと東太平洋での艦艇2隻を継続的に存在させ、麻薬対抗行動に専念している。米国海軍は法律施行権限を持たず、また、沿岸警備隊は禁止と押収と逮捕において、主導性を持っているが、海軍艦艇は、また、沿岸警備隊法施行分遣隊(LEDETs)を乗船させることによって禁止と押収と逮捕の利点として役立ち得るものである。LEDETsは一般に、6-7週の間海軍艦艇に配置されている。LEDETプログラムは、米国海軍フリゲート艦、駆逐艦、及び巡洋艦上に年間平均で約35回の配置が行われる。これらの展開のための主要な行動水域は、カリブ海と東太平洋の通過地帯地域である。全体では、米国海軍プラットフォームからのLEDETsは、年平均100回の乗船が疑わしい船舶に対して行われている。41 この10年は、海軍艦艇によるLEDETsは、イラク及び旧ユーゴスラビアの国連の出入港禁止命令に違反すると疑われている船の数万回に及ぶ捜索も実施している。42
 
 米国沿岸警備隊は、順々に、ポスト冷戦の期間に米国海軍と米国地域チーフ司令官との協力を徐々に増してきているし、かつ平時任務の国際行動を通じて彼らを支援してきている。法律施行分野では、沿岸警備隊は、特にカリブ海諸国での協力プログラム及び海軍の法律施行訓練において主導的役割をはたしてきている。ハイチにおける沿岸警備隊の組織化と(カナダとの)沿岸警備隊の訓練、そして、更に最近では、地域沿岸警備を訓練するためにカリブ海に補給艦の配備等もある。フロリダ海峡をわたる移住の禁止と麻薬対抗行動を促進するためのキューバの国境警備隊とのインフォーマルな取組関係さえある。米国沿岸警備隊は、ロシア連邦国境任務部とともにベーリング海の漁場施行での取組関係を展開してきている。43 米国沿岸警備隊は、米国沿岸警備隊の設備及び海外のモバイルトレーニングチーム(MTT)を通して広範囲のトレーニングを提供している。1986年以来、65ヶ国国において5,000を越えるMTTを配置してきた。米国沿岸警備隊は、米国の警備隊の学校で各年ごとに300人の職員及びMTTsを通して海外で2,000人の人員を訓練している。カリブ海と南アメリカの例年のUNITAS演習における米国海軍力とともに沿岸警備隊の警備艦の伝統的な展開だけでなく、近年は、米国の海外平時任務の展開において、沿岸警備隊の部隊の一層の活動が見られる。これは驚くに当たらないことで、世界の「海軍」の大多数が規模と任務において、米国海軍より米国沿岸警備隊に近いことによるものである。また、沿岸警備隊の「白い船体」--捜索、救難、安全、そして法の施行という彼らの人道上の主要な任務による-は、しばしば、より容認しうるもので、他国に対して彼らの存在がそれほど敏感な問題にはならない。(例えば、1994年のハイチで、米国沿岸警備隊の警備艦は、米国海軍の艦艇が転覆した後、コンタクトを続けることができた。)そうして最近では、米国地域チーフ司令官の要請で、沿岸警備隊のカッター(沿岸監視船)が地中海、バルト海、及び黒海、ペルシャ湾に差し向けられ、そして例年のCARAT演習中の米国海軍に参加している。最近の数ヶ月では、沿岸警備隊は一隻のカッターを、世界大戦後初めてではあるが、航空船隊とともに配備している。44 太平洋地域では、米国沿岸警備隊は、フィリピンで水路管理に関して米国が援助するプロジェクトの初期アセスメントを実施し、パトロールボートをフィリピンに派遣している。1999年9月、シンガポールからの最初の学生が米国沿岸警備隊のナショナル・サーチ・アンド・レスキュー(SAR)スクールに出席し、そして米国沿岸警備隊はシンガポールの民間航空センターで共同のSARコースを実施している。沿岸警備隊は、二国間演習のさらなる実施としてベトナムのために海上ニーズアセスメントを行いつつある。最近、沿岸警備隊MTTが日本を訪問し、containerized inspection effortsを援助している。(コンテナー化されたものの検査方法??)そして、26地域の国々が、米国の沿岸警備隊訓練コースに出席した職員を擁しているか、又はMTTsを受けている職員を抱えている。特に注目すべきは、昨年、米国沿岸警備隊は、太平洋前衛地域における沿岸警備隊の通常装備(パトロールボートとブイ整備船)を補うために、有用な追加装備(高耐久性警備艦、C-130航空機、及び追加のパトロールボートとブイ整備船)を配備することでグアムを目標にしている中国の密入国者に対応している。このグアム行動において、18隻以上の密入国船が阻止され、1,100人の移住者が返還されている。45








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION