8 中山公家住宅
台帳番号51
桜町970
概要 島原街道は白土町と加美町の町境で一度東に折れ、中掘町で再び北に折れ南北方向に通る。当家敷地は、白土町から東に折れずそのまま北へ延長し、島原街道から一本西側を平行する通りの西側に位置する。主屋は通りに東面して建ち北側を上手とする。
当家は下手半部と上手半部で建築年代が異なる。
主屋主体部分は全体で桁行7間半(14.1m)で、梁間は下手側3間半(6.9m)上手側2間半(4.9m)で、下手を入母屋造、上手を切妻造桟瓦葺き平入で、つし二階建とする。主屋正面の下手側半分に1間半の下屋を葺き下ろし、上手側半分は坪庭をつくり塀で囲み、街道に面して門を開く。背面は半間の下屋がつく。外壁は大壁造漆喰塗りで、上手側の軒裏は漆喰で波型に塗込め、下手側はベタ塗りする。
主屋は上手半部の方が新しく明治18年建築であることが棟札から判明した。現主屋主体部分の間取りは床上部分と土間部分に分かれる。床上は上手座敷の2室を桁方向に並べ、この下手側に表裏2室の居室を設ける。土間は通り土間であったが裏側に床板を張る。
特徴 上手半部より建築年代の古い下手半部に棟札はなかったが、島原大変(1792年)の後に建築したと言い伝えられている。なお下手半部の小屋梁は唯一折置組で架けられ、和釘を使用していること、大黒柱を持たないことなど、古い要素を残す町家である。
中山公家
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一階平面図1/200
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梁間断面図1/100