c) 交通圏における交通機構成比の変化からみた整備効果
《路線整備》
■大阪市内では地下鉄7号線及びJR東西線等の整備が進められた。
■その他地域では、大阪モノレール等の新線やJR福知山線等の線増が進められ、輸送サービスが向上した。
■相対的に、大阪市内では、私鉄の整備が遅滞した。
《交通需要構成比の変化》
・ 私鉄は、大阪市内において減少となった。
・ 地下鉄は、大阪市内において横ばいを示した。
・ JRは全域にわたり、増加となった。
《整備効果》
d) 路線整備による需要効果の事例(対前年度比)
○地下鉄整備
図2-5-5 地下鉄整備と利用者の推移
資料: 都市交通年報
○複線化・相互直通運転化(JR福知山線、JR片町線)
・ JR東西線開業により、JR福知山線、JR片町線は相互直通運転化が図られ、対前年度比の減少率が縮小した。
図2-5-6 複線化等による効果
資料: 都市交通年報
○路線の延伸(泉北高速鉄道、鴨東線)
・ 平成元年に開業した京阪鴨東線(三条〜出町柳間)により、叡山線と京阪線のネットワーク化が図られ、叡山線の輸送需要は大幅な増加となった。
・ 開発の進捗等により、平成7年に路線延伸が実施された泉北高速線(光明池〜和泉中央間)は、対前年比の上昇となった。
図2-5-7 路線延伸等による効果
資料: 都市交通年報
(2) 答申第10号が果たした役割
答申第10号の目的(諮問理由)は、以下に整理したとおりである。このことを考慮しつつ答申第10号が果たした役割を検討する。
諮問理由
・ 社会経済環境に対応した高速鉄道を中心とした交通計画の策定
・ 路線整備の促進
□効率的な交通整備とその誘導
↓
■大規模プロジェクト等への対応
■混雑の緩和
■鉄道サービスの高度化
○ランク別路線整備による評価
・ 新設路線中のAランクでは、答申路線長全体に対する約85%が整備済み若しくは工事中である。また、免許取得済みを含めると、約90%の高い達成率となる。
・ Bランクでは、免許取得済み路線長を含めても、約30%である。一方、線増路線において、Aランクでは、工事中路線を含めると約30%であるが、免許所得路線を含めると約70%の高い達成率となる。
・ Bランクでは、整備路線の割合が約80%となっているが、これは答申路線長に占める福知山線(21.5km)の割合が高いことによる。
・ Cランクでは、大規模住宅開発に対応して、8号線の整備が進められている。
図 2-5-8 ランク別路線整備状況
↓
【評価】相対的に、ランクの高い路線における整備の進捗率が高い。