(2) 輸送動向
最混雑1時間帯の混雑率、終日輸送量において、実績値との比較をする。
a) 混雑率
・目標値に対して、実績値の混雑率が非常に高い主要路線→大阪環状線(大阪外環状線が未整備のため)
・目標値に対して、実績値の混雑率が高い路線→JR福知山線、JR東西線、地下鉄西神線
図2-4-6 目標値と実績値 (混雑率)
図2-4-7 目標値と実績値の乖離状況 (混雑率)
b) 輸送量
答申第10号時の需要予測結果(予測年次2005年)と、現況(1998年)における需要を、輸送密度で評価することにより、予測結果と現在の実績値との比較を行った。
全路線における輸送密度再現率(絶対値が1に近いほど的中している)は、0.95であり、若干現況値が予測を下回っているもののマクロ的には精度の高いモデルであり、相関係数RはR≒0.92となった。
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図2-4-8 答申時需要予測結果と現況実績値(1998年)の輸送密度比較(プロット) (右)は拡大 |
点線は誤差10%以内
また予測結果の乖離原因が、人口によるものかどうかを見たのが図2-4-9である。この再現率0.95(誤差率-5%)のうち、人口の減少による影響分は0.94(-6%)、その他の要因によるものは1.02(+2%)の再現率であった。
したがって、マクロ的には、人口設定の大小の影響が強く影響を及ぼしている。また、各路線を細かく見ると、実績値が予測を大きく下回っている路線も見受けられるが、この原因として、沿線開発の遅れや競合・補完路線の整備状況、鉄道サービス(運賃・所要時間など)が当時と変化した、自動車の普及がより進んだ、などが考えられる。
また、人口以外の「その他の要因」には、モデルそのものが持つ推定誤差の他、バス網や自動車保有台数の伸び、道路ネットワークや各自治体内における開発計画の進捗の遅れなど種々の前提条件が想定と変化したことも含まれる。
図2-4-9 答申時と実績値の予測誤差の原因 (数字は誤差率)
(3) 開発計画
下表は、主要開発計画の計画値、予測値、実績値を比較したものである。実績値は、予測値よりも更に低い場合がある。
表2-4-1 答申時の計画、予測値、及び実績値
プロジェクト名 |
10号答申時の 計画人口 |
実績(H13年) |
答申時の 予測値(H17年) |
常住人口 |
従業人口 |
常住人口 |
従業人口 |
常住人口 |
従業人口 |
関西国際空港※ |
  |
20,000 |
  |
16,000 |
  |
18,000 |
テクノポート大阪 |
60,000 |
92,000 |
0 |
14,860 |
12,600 |
26,000 |
湊町地区再開発 |
  |
17,000 |
50 |
1,500 |
  |
10,700 |
梅田地区再開発 |
  |
45,000 |
  |
25,000 |
  |
27,300 |
OBP※ |
  |
40,000 |
  |
26,560 |
  |
32,000 |
国際文化公園都市 |
60,000 |
  |
0 |
0 |
21,000 |
  |
六甲アイランド※ |
30,000 |
22,200 |
14,833 |
15,387 |
21,000 |
17,800 |
ポートアイランド第二期 |
  |
39,000 |
  |
18,000 |
  |
27,300 |
西神地域開発 |
103,000 |
24,700 |
73,900 |
16,000 |
64,400 |
11,000 |
北摂三田ニュータウン |
90,000 |
  |
26,584 |
  |
45,700 |
  |
洛西地域開発 |
9,700 |
  |
1,670 |
  |
9,300 |
  |
※常住人口: H12年国勢調査、従業人口: H8事業所統計
注) プロジェクトにおける全ての人口指標ではない。自治体アンケートの回答に挙げられているものと10号答申時の開発とマッチングが可能なものだけである。
図2-4-10 実績値と予測値の比較