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操法実施要領
第15回全国女性消防操法大会操法実施要領
 操法は、「消防操法の基準」(昭和47年5月11日消防庁告示第2号)並びに「消防訓練礼式の基準」(昭和40年7月31日消防庁告示第1号)に準じ、次の要領により行う。
1 操 法
(1) 5人操法
(2) 手びろめによる二重巻ホース1線延長
(3) ホース3本
2 機 械
 D-I級軽可搬ポンプ(財団法人 日本消防協会が交付・助成したもの又は、日本消防協会仕様の二輪台車付)
3 水利の種類・位置
 水利は貯水槽とし、ポンプ左側後方に設置する。
4 火点の標識
 別図5に示す標的をもって標示する。
5 操法実施上の基本的事項
(1) 操法は、安全を確保するとともに迅速確実に行うこと。
(2) 動作及び操作の区切りは、特に節度正しく行うこと。
(3) 機械器具に精通するとともに、これの愛護に心掛けること。
(4) 他の隊員の任務に属する操作を行ってはならない。
(5) 指揮者は、常に指揮に便利で、かっ隊員を掌握できるところに位置すること。
(6) 指揮者は、隊員の動作及び操作を十分に監視し、必要な命令及び指示を与えること。
(7) 指揮者は、号令は明りょうに、命令及び指示は簡明適切に行って隊員に徹底させること。
6 各動作及び操作の原則事項
(1) 各隊員の移動
 3歩以上の移動は、かけ足行進によるものとし最短距離を移行すること。
(2) 方向変換の発進および停止
 方向を変えて発進するときは、後足をひきつけないものとする。但し、指揮者が操法開始及び終了報告する際の動作は、方向を変え前足をひきつけて発進するものとする。
 また方向を変えて止まるとき、あるいは停止するときは右(左)向け停止の要領によること。
(3) ホースの搬送要領
 ホースを搬送するときは、左手でめす金具部を保持し左脇に抱えて搬送すること。
(4)ホースの展張要領
 ホースを展張するときは、めす金具近く(はかま部分)を右足で押え、右手でおす金具を持ち、左手を輪状ホースに添え左足を1歩ふみ出して右手で展張する。
(5)ホースの結合と離脱
 ホースとホースを結合する場合は、おす金具部を右足でふんで金具を立てこれにめす金具部を両手で持って結合し、引いて確認する。離脱する場合は、おす金具部を左足でふんで金具を立て両手でめす金具部を持って離脱する。
(6)筒先の結合と離脱
 筒先とホースを結合する場合は、第3ホースを展張後おす金具を結合し易い位置におく。次に筒先を両手で持ち、左足でおす金具がやや上を向くように押え、おす金具に筒先を合わせ差し込み、引いて確認する。筒先を離脱するには、右手でノズルを持ち、右足でホースをまたぎ、左足でホースをおさえ離脱する。
(7)基本注水姿勢
 右手は筒先下部、左手は筒先上部を握り、筒先下部を握った右手を右腰上部にあてるようにして仰角おおむね30度で保持し、体形は左足を1歩前、ひざをやや曲げると同時に体重を前方に置き、右足は放水の反動力を支えるため真っすぐ伸ばし前傾姿勢をとる。
(8)立った姿勢での操作
 立った姿勢で操作を行うときは、足を横に開くか1歩前にふみ出した姿勢をすること。
7 その他の原則事項
(1) 前後左右とは、隊員が火点に向って前進する方向を基準とする。
(2) 操法実施中「……にいたり」とは、足を横又は前に1歩踏み出した姿勢をいい、「……停止」とは、基本の姿勢を意味するものである。
(3) 凡例
 [指]…指揮者
 [1]…1番員
 [2]…2番員
 [3]…3番員
 [4]…4番員
8 操法実施上の統一事項
(1) 一 般
ア 日本消防協会仕様の器具(ポンプ、台車、ホース及びロープ等)を使用することを原則とし、改造等は認めない。
イ ガバナーの調整は、エンジン及びポンプの性能、寿命を損なうことになるので禁止する。
ウ けん引ロープ(10m)は、切断してはいけない。ただし、ロープを二重にして使用すること及びけん引部分の長さを、結び又はテープにより調整することはよい。
エ 台車に乗せたホース(3本)は、倒れないようにゴムひも等で固定してもよいが、嵩上げしてはいけない。
オ 燃料缶、消火栓開閉ハンドル等、操法に直接必要のないものは台車に積載しなくてよい。
カ 延長ホース・余裕ホースおよび吸管投入の修正は送水開始までに行うこと。
キ 集合線、放水停止線等での足の位置の例示は、別図のとおりとする。
(2) 1 番 員
ア 定位についた際、両手を台車側面に添えるときは、台車の固定物を把持すること。(管鎗、吸管等を把持してはいけない。)
イ 余裕ホースを取り始める位置は、第3ホースの中央部(約10m)より先の位置から取り始めること。この場合、折り膝又はそれに準じた姿勢であること。
ウ [2]に「放水始め」と合図するときは、顔は前向きでも後ろ向きでも良いものとする。
エ 余裕ホースを取るときに、管鎗を振ってこれをしてはいけない。
オ 余裕ホースを取るときは、後方を向いても良いものとする。
カ 台車を旋回した後、[4]の「よし」で、[1]が[3]の1歩後方で待機する姿勢は、開脚のままとする。
キ 管鎗結合要領は、反転する方法でも、ホースを展張した体勢のまま結合し、一歩前進する方法でも良い。
ク ノズルは予め開放しておいても良いが、注水位置で開放する動作を必ず行うこと。
ケ 排水操作後または「排水やめ」の指示があったときは、ノズルを完全に閉じること。
(3) 2 番 員
ア [1]から「放水始め」の合図を受ける位置は、第3結合部より前方とする。
イ ホースを展張したのち、おす金具付近を折って置くときは、ホース上におす金具を重ねて置くものとする。
 なお、置くときは、左手を添えても良いものとする。
ウ 第1ホースの余裕を取る場合は、放口から約2mとする。
エ 第1ホースの余裕ホースを取った後、めす金具を放口に結合する時は、ホースを踏まなければ、またいでも良い。
オ 「放水始め」の伝令に行くとき、ホースをまたぐのは、第2ホース内であればどこでも良い、またその他の場合にはホースに沿って走るものとする。
カ ホースを展張した時、ホースが左に流れたらホースに沿って前進し、ホースが右に流れたら真っ直に進むこと。
キ 「ホースに沿って走る」とは、ホースから何センチメートルとは決めないが、おおむねホースの流れに添って進むことをいう。
 (この場合、小さな屈曲は無視しても良いものとする。)
(4) 3 番 員
ア よじれたホースを修正するときは、結合金具をひきずるような修正をしてはいけない。
(5) 4 番 員
ア 送水ポンプ圧力は、0.35MPaを超えることがあってはならない。
 (「放水やめ」に伴う圧力上昇は、含まないものとする。)
イ ネジ式の吸口キャップは、落ちない程度に緩めておいても良いものとする。
ウ 吸管操作で、[3]が吸管結合の補助に来るのが遅くなったときは、吸管の結合操作を始めても良いものとする。
エ エンジンを始動するとき、台車に足をかけてはいけない。
オ エンジンを始動する時のスロットル位置は、起動適正位置であること、なお、始動後に揚水するときは、真空作成用のスロットル位置(クリック)を必ずしも利用しなくてもよい。
カ 燃料コックは、操法開始前に開けておいても良いものとする。
キ 放口コックの開閉は、片手で行ってもよいが、動作の最後は必ず両手で行うこと。








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