2.ひと(人)
2.1 船にはどんな人がいるの?(船長、機関長、乗組員、船員、海員等)
船を運航する人々を、“乗組員”といいます。船を運航する乗組員の体制は、貨物船と旅客船とでは大きく違います。
ふじ丸のような旅客船では、5つの部[甲板部・機関部・無線部・ホテルサービス部(事務部)・医務部]に分かれた乗組員が、常時、安全でしかも快適な航海となるように一人一人が心掛けています。ふじ丸の乗組員体制は、次のとおりです。
2.2 船に関わる人の仕事は?(輸送(貿易)、港務、検査、教育関係等)
船は、旅客や貨物をたくさん運ぶ(輸送する)ために造られた人類の芸術品と言われています。この芸術品を守るために、実にたくさんの人々が働いています。船で運ぶために貨物を集めたり、貨物を船に載せたり、どれくらいの貨物があるのか数えたりする人もいます。船が安全に航海できるかどうか検査をしたり、大きな船を出港、あるいは入港させるためにタグボートと呼ばれる小さな船で押したり曳いたりする人々、あるいは港の様子をよく知っている人が、船長さんにアドバイスをする人々もいます。日本の農作物に被害を与えないように、外国から運ばれてくる貨物に病原菌がいないかどうか確かめる人もいます。船を安全にそして環境に優しく動かすために、船に関わる人々を教育する人もいます。
このように、船の一隻を考えても、たくさんの人々が船に関わった仕事をしていることがわかります。
2.3 船のことを勉強するには?(商船・水産・防衛・保安/教育機関)
船に関わっている人々を教育するところ、船に乗って、船を動かす方法を勉強するところはどこにあるのでしょうか。いろいろな種類の船があったように、船のこと、海のことを勉強するところを紹介しましょう。
2.3.1 商船関係
(1)商船大学(2校+1)/(神戸<兵庫県>・東京<東京都〉)/東海大学海洋学部
(2)商船高等専門学校(5校)/(富山<富山県>・鳥羽<三重県>・大島<山口県>・広島<広島県〉・弓削<愛媛県〉)
(3)海員学校(8校)(小樽〈北海道>・宮古<岩手県〉・館山<千葉県>・唐津<佐賀県〉・口之津<長崎県〉・沖縄<沖縄県>・清水〈静岡県>・波方<愛媛県
2.3.2 水産関係
東京水産大学、北海道大学、水産大学校、長崎大学、鹿児島大学等
2.3.3 防衛関係
防衛大学校
2.3.4 保安関係
海上保安大学校
2.4 楽しい船内生活を過ごすには?(船酔い、団体生活、パニック、水平線等)
2.4.1 船酔い
船酔いは、動揺病(Motion Sickness)と言って、とても辛いものです。船内生活を楽しく過ごすために、「船酔いの予防法」をお話ししましょう。
(1)体調の管理:
まず、体調管理です。可能な限り睡眠時間を多く取りましょう。また、当日の朝食は自宅を出る前に軽めに取り、乗船時にやや「小腹がすいた」と感じる程度がよいと思います。ベルト等も緩めにして下さい。もし、気分が悪くなってきたら、多少のお茶を飲み、腹部の圧迫を解くためにベルトなどは緩めて下さい。
(2)酔い止め薬:
船に乗り組んでいる人でも、船酔いはします。船酔いに強い人でも、久しぶりに乗船したときや、大きさの違う船に乗ったときなどは、頭がおもくなったり、なまあくびが出たりします。トラベルミン等の酔い止め薬を飲んでおくと効果的でしょう。
(3)天候(海上の波):
次に天候です。天気予報の「海上の波高」に注意して下さい。ふじ丸のように大きな船でも揺れない保証はありません。酔うか酔わないかを心配しているとほとんど船酔いをしてしまいます。「船は揺れるもんだ!」と思った方がよいでしょう。
2.4.2 団体生活
名前も知らない、顔も知らないたくさんの友だちが生活を一緒にしています。一人のわがままが、たくさんの友だちをいやな思いにさせたり、折角のクルージングが楽しくなくなってしまいます。友だちも楽しく、自分も楽しく、そして快適な船内生活を過ごすために、挨拶を心掛け、友だちを思いやる心の余裕とゆとりが大切です。 広く大きな海、果てしなく続く水平線を眺めれば、自然や地球のすばらしさが感じられ、多少いやなことがあっても吹っ飛んでしまうものです。
2.4.3 パニック
突然、船内が真っ暗になったり、あるいは火災になって煙が吹き出してきても、決してあわてないことが大切です。普段の様子と違って、わけもなく大きな声を出したり、いきなり走り回ることは、船内では特に危険です。どのような場合でも、あわてず、急がず、落ち着いて行動することが大切です。