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3-3-2 マリーナ等整備に関連する主要制度・施策
(1)マリーナ等の整備制度
[1]省庁別保管場所整備支援施策
 
 マリーナ等の整備にあたっては、水域管理者が事業者となるものと、第3セクターを含む民間事業者が事業者になるものとに大別される。
 また、下表のとおり各事業者ごとに事業の支援制度が用意されている。
表 マリーナ等の整備制度
区分 事業主体 支援措置 対象施設



公共マリーナ 港湾管理者 公共マリーナ整備事業
(補助率:4/10)
水域施設、外郭施設、ビジターバース、斜路
公共マリーナ整備事業
(起債)
係留施設、上下架施設、ボートヤード、艇庫、クラブハウス、土地造成
ボートパーク(陸上型) 港湾管理者 放置小型艇収容緊急整備事業
(補助率:1/3)
係留施設(桟橋、係留杭、係留浮標等)、駐車場、トイレ等、(斜路、ボートヤード)
3セクマリーナ、民間マリーナ 第三セクター 埠頭整備等資金貸付事業
(港湾特会無利子貸付:融資比率30〜40%)
泊地、係留施設、上下架施設、ボートヤード、艇庫、クラブハウス、土地造成
  NTT-A無利子貸付 水域施設、外郭施設、ビジターバース、斜路
第三セクター
民間事業者
小型船拠点総合整備事業
(財政投融資:政策金利II、融資比率30%)
水域施設、外郭施設、係留施設、上下架施設、ボートヤード、艇庫、クラブハウス、土地造成
  民活法特定施設整備事業  
(インセンティブ補助(5%)、NTT-C、財政投融資、税制優遇) クラブハウス(民活法特定施設)
(財政投融資)
政策金利II 融資比率50%
桟橋等(非特定施設)



河川マリーナ 河川管理者 河川利用推進事業
(補助率:1/3)
水門、護岸、係留施設、船溜まり等
第三セクター NTT-A無利子貸付
(民間都市開発の推進に関する特別措置法融資比率 補助率と同じ)
護岸等
第三セクター
民間事業者
都市治水事業
(財政投融資:政策金利I、融資比率40%)
桟橋、上下架施設、ボートヤード、艇庫、クラブハウス、駐車場等



フイッシャリーナ 漁港管理者 漁港利用調整事業(公共事業)
(補助率:1/2)
水域施設(航路、泊地)、外郭施設(防波堤、導流堤、護岸等)、ビジターバース(岸壁、桟橋、浮桟橋、係留杭、係留浮標等)、臨港交通施設(道路、橋梁等)、環境施設(広場、植裁、休憩所等)、用地整備
放置艇収容施設 地方公共団体 漁港漁村活性化対策事業(非公共事業)
(補助率:1/2)
簡易な係留施設、陸上保管施設、上下架施設(クレーン)、突堤、除砂設備、水域施設(泊地、航路等)、輸送施設(連絡道路、駐車場等)、放置艇対策設備(用地、看板)
水産業共同組合 NTT-A無利子貸付
(融資比率:50%)
水域施設(航路、泊地)、外郭施設(防波堤、導流堤、護岸等)、ビジターバース(岸壁、桟橋、浮桟橋、係留杭、係留浮標等)、臨港交通施設(道路、橋梁等)、環境施設(広場、植裁、休憩所等)、用地整備
漁港施設整備の密接関連事業
農林漁業金融公庫からの低利融資(※注1)
漁港施設等整備と一体的に行なわれる遊漁船対策、漁村の再開発に資する施設
第3セクター及び民間事業者 漁港施設整備の密接関連事業
農林漁業金融公庫からの低利融資(※注1)
漁港施設等整備と一体的に行なわれる遊漁船対策、漁村の再開発に資する施設


特定民間都市開発事業 第三セクター NTT-C無利子貸付、:融資比率50% 道路、緑地、水域施設、外郭施設、係留施設、上下架施設、ボートヤード、艇庫、クラブハウス、土地造成
第三セクター
民間事業者
NTT-C'低利貸付、民都低利融資:融資比率50%、NTT-C'と併用の場合70%
日本船舶振興会からの融資制度 第三セクター
民間事業者
造船関係事業資金貸付
(金利2.2%以内、融資比率80%以内(10億円以下))
建物・係留施設関連(陸上保管施設、事務所、食堂棟、工場建物、駐車場、クラブハウス、係留桟矯、ぎ装岸壁、斜路)、機械設備関係(ウインチ、フォークリフト、クレーン、救助艇、その他)
ふるさと融資 第三セクター
民間事業者
地域総合整備資金貸付無利子融資(※注2)
融資比率20%以内(通常)
設備の取得に係る費用等
リゾート法特定民間施設整備 第三セクター NTT-C無利子貸付:融資比率50% 外郭施設、水域施設、係留施設、上下架施設、ボートヤード・艇庫、クラブハウス
財政投融資
政策金利II:融資比率50%
税制/財政措置
民間資金活用型社会資本整備 政策金利III:融資比率50% PFI法に定められた公共施設等
注1:農林漁業金融公庫からの低利融資では中山間地域活性化資金も遊漁船等利用施設が利用可能
注2:地方自治体はふるさと融資の原資を地方債で調達、地方債の利子の75%は地方交付金で地方公共団体に補てん
[2]PFI制度の概要
 
 PFI制度の概要は以下のとおりである。
 
○「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法である。
○民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施する。
○PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指す。
○我が国では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に制定され、平成12年3月にPFIの理念とその実現のための方法を示す「基本方針」が、民間資金等活用事業推進委員会(PF I推進委員会)の議を経て、内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられた。
○英国など海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、有料橋、鉄道、病院、学校などの公共施設等の整備等、再開発などの分野で成果を収めてる。
図 PFI制度のイメージ
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(資料)「平成13年2月レジャー用舟艇等の流通促進及び利用者保護に関する調査研究(舟艇の簡易陸上保管システムの推進編)」(国土交通省海事局舶用工業課)
(2)水域占用許可制度の概要
 
 港湾区域内の水域の占用に関しては、港湾法により規定されているとおり、港湾管理者の長の許可を受けなければならない。また、水域占用許可の審査基準として、「港湾施設の建設を行う場合は、当該港湾施設が暫定的なものである場合を除き、港湾計画等により位置づけられている」ことが求められている。
 なお、造船施設は占用許可を受けていると考えられるが使用内容の変更が必要と考えられる。
表 水域占用許可制度の概要
項目 概要等
港湾法 ■港湾法第37条第1項より
港湾区域内の水域の占用は、港湾管理者の長の許可を受けなければならないこととなっている。
港湾管理者の長による規則 ■港湾管理者の長は、上記港湾法第37条の規定を根拠として水域占用にかかわる規則を制定し、許可の対象、許可期間、許可条件、区分別単位あたりの料金等をあきらかにしている。
審査基準 ■水域占用許可の審査基準として、港湾局管理課長通達では、「港湾施設の建設を行う場合は、当該港湾施設が暫定的なものである場合を除き、港湾計画等により位置づけられていること」とされている。
 
(拡大画面: 284 KB)
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[参考]
  港管第2078号
  平成6年9月14日
港湾管理者殿
  運輸省港湾局管理課長
 行政手続法における審査基準等の設定について
 
 標記について、港湾法第37条第1項(港湾区域及び港湾隣接地域内の工事等の許可)に関する審査基準等については、下記事項を参考のうえ地域の実情に応じて定めることとされたい。
 また、貴都道府県管内の市町村管理に係る地方港湾の港湾管理者には、貴職よりこの旨周知方お願いする。
 
●審査基準
[1]港湾施設の建設を行う場合は、当該港湾施設が暫定的なものである場合を除き、港湾計画等により位置づけられていること。
[2]他の港湾施設の維持及び整備に支障を与えないこと。
[3]工作物等を設置する場合、安全な構造であること。
[4]土砂採取、危険物の設置等、他の法令により規制を受ける行為をする場合は、当該規則に従うこと。
[5]周辺の船舶航行に支障を与えないこと。
[6]近傍に立地する事業者の事業活動に支障を与えないこと。
[7]環境を悪化させるおそれがないこと。
 
●標準処理期間
  原則20日以内とする。
 
[参考]
港湾区域内の水域の占用許可の運用について
  平成2年7月20日港管2441号
  運輸省港湾局長から各港湾管理者の長あて
 
 最近におけるウォーターフロント開発等の動きに対応し、マリーナを核としたレクリエーション関係事業のほか、ホテル、レストラン及び駐車場等の事業を、水域を占用することにより行おうとする案件が発生してきていることに鑑み、港湾法(昭和25年法律第218号)第37条第1項に規定する港湾区域内の水域占用許可を行うにあたっては、下記の点に留意することとし、これにより水域の適切な利用を図るとともに、総合的港湾空間の創造に資することとされたい。
 なお、貴都道府県管内の市町村管理に係る地方港湾の港湾管理者の長には、貴職よりこの旨周知方お願いする。
1 許可期間
 許可期間については、占用案件の性格等に応じ、最長10年間(更新可能)まで認めて差し支えない。
 これに伴い、当該占用水域の公有水面としての性格を損なわないため、許可にあたっては、次の条件を付すこと。
[1]公益上必要があると認める場合は、許可の取消しができること。
[2]許可を取り消した場合、又は許可期間の終了した場合には、直ちに当該水域を原状に回復させること。
2 許可対象水域
 許可対象水域については、占用案件等の性格に応じ、占用物件の周囲の水域も含めて差し支えない。
3 許可にあたっての配慮事項
 水域の計画的利用を図る観点から、占用案件の許可にあたっては、周辺の土地利用計画等を勘案し、その配置が適切なものとなるよう配慮されたい。
 








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