川喜田さんは1914年生まれ。現在学習院大学で数学を聴講しています。川喜田さんは女学校を卒業後,東京女子大学の数学専攻部で学ばれ,卒業と同時に結婚,3人の子供さんに恵まれました。その傍ら「数専会」という東京女子大学数学専攻部を卒業した方たちの会で,読書会など数学の勉強を続けていたそうです。戦後は日本の社会が一変しましたが,数学の世界といえどもその例外ではなく,西洋の新しい考え方が怒涛のように押し寄せました。それとともに,数専会でも新しい数学を勉強したいという気運が高まり,有志による勉強会が行なわれ,その中の読書会の責任者に川喜田さんが選ばれました。そして数学の読書会,その他の教育研究会での研究発表,討論などを重ねる中で,実技を通した教育方法の発表に特にひかれてゆきました。後に中学で教えるようになったとき,これらのことが非常に役に立ったそうです。川喜田さんは,幾何の授業に折紙を取り入れ,計算式の意味を一緒に考えるなど,生きた数学を教えることに取り組まれたのでした。このような教育方法がいまの教育に生かされていないことが残念に思われました。

　昭和35年,末娘さんの中学入学を契機に,川村学園の中学,高校の時間講師としての招きに応じました。それまでは専業主婦を希望していたご主人,細菌学で著名な故川喜田愛郎先生も「自分の子供を教えるように愛情をもって教えなさい」と助言してくれたそうです。それから定年を迎える約20年は,「自分が背伸びをして教えている」というジレンマにいつも悩まれたといいます。定年を迎えたときには「これから勉強ができる」という大きな喜びを感じたとおっしゃいます。早速,聴講生として母校の東京女子大学へ通い,その後さらに学習院大学で聴講を続け,今では多くの単位を得られています。今年は数学の中でも位相の講義を選択され,週に一回聴講されています。見せていただいたノートには,図式や数式がデッサン画のようにきれいに描かれていました。

　ところで,小学校時代の川喜田さんは,決して算数が得意ではなかったといいます。一生のテーマともいうべき数学に目覚めたのは,女学校時代の2人の恩師との出会いだったそうです。ひとりは川喜田さんの数学の能力を見出した担任の先生。もう一人は教育実習として赴任していた物理の先生で,川喜田さんが提出したノートの後ろに「天才は努力なり」という言葉を添えて返してくれて,その言葉がいまだに脳裏に焼き付いているそうです。学生時代に素晴らしい先生と出会うことが,生涯を通してどんなに貴重であることか。謙虚な努力を積み重ねてこられた川喜田さんの原点を,ここにみた思いがしました。

　「俳句やコーラスを一生続けておられる方はたくさんいらっしゃるでしょ。私はたまたま数学が好きだったので今も数学を続けているだけよ」とこともなげにおっしゃいます。4年前から自由に楽しむピアノをはじめ,最近ではパソコンと洋裁をはじめたという川喜田さんは,学ぶ喜びを知る達人といった方でした。

生死一如,一期一会	伊沢　喜美子
中庸,至誠力行	石井　泉二郎
平常心	石川　朝子
憤ノ一字ハ之進学ノ機関也	石川　武男
一刻一刻を充実して生きること	石澤　慶子
吾唯足知る	石田　登茂江
	(50音順)

主催:(財)ライフ・プランニング・センター

協力:LPCボランティア

手作り作品,雑貨,衣類,菓子,食料品,掘り出し物,オークションなど

100円(当日受付でも販売いたします)

手作り作品・食品,雑貨,保存のきく食品(賞味期限をご確認ください),衣類(新品に限る)など,特に手作り品には販売希望価格をつけてご献品ください。詳細は献品送付先までお問い合わせください。

〒102-0093　東京都千代田区平河町2-7-5

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⇒送付期間

　2001年10月1日(月)〜11月13日(火)

お持ち込みは10:30〜15:30の間にお願いいたします。

(土日祝日を除く)

日野原　重明先生

(お電話でお申し込みください。)

　絵画,書,写真など額に入れ,作者名・

　作品名(テーマ)を添えてください

　10月31日(水)までにクリニクにお持ちいただくか,　宅急便でご送付ください。

　詳細はLPクリニク山村まで　Tel(03)3454-5068