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いのちを語りつぐ「新老人運動」
高度成長や技術革新による急速な物質文明の到来は、一方において人の心に甚大な被害を及ぼしました。新世紀初頭に起こった戦争や紛争、さまざまな犯罪の頻発に多くの人々がどんなにか胸を痛めていることでしょう。
いま私は、いのちの尊さを再認識し、健やかな心を育てていかなければならないと痛感しています。そして、その責務の一端は戦争を体験した私たち新老人にあるということを。私のはじめた新老人運動は、健やかないのちをはぐくむ社会をつくっていくために、現役を退いて傍観者になっている老人が立ちあがり、私たちの子や子孫の世代を全面的にバックアップしていこうというものです。
私たちは、どのように齢を重ねていくかということをもっと真剣に考えなければならないと思います。齢を重ねるにつれて体は病み、記憶力は衰え、体力も減退していくことでしょう。しかし、こころを満たすスピリット(魂)は、いまを生かされているという感謝のこころと共に、ますます磨かれていかなければなりません。土の器である肉体は滅んでも、私たちの魂は次の世代に受け継がれ、よりよい未来のために役立てられなければなりません。
 
「新老人の会」会長
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