II 都市型新産業創出支援体制の整備、都市型新産業支援機関、中核的支援機関及びこれらの相互の連携又は連絡に関する事項
本市は、(財)千葉市産業振興財団を中心として、市内に存在する産・学・官の様々な産業支援機関の連携を強化することにより、都市型新産業創出支援体制を整備します。
1 中核的支援機関に関する事項
本市の都市型新産業創出支援体制(=地域プラットフォーム)において各種支援事業を実施する都市型新産業支援機関との連携を図る中核的支援機関として、(財)千葉市産業振興財団を認定します。
(1)中核的支援機関の概要
・名称 財団法人 千葉市産業振興財団
・所在地 千葉県千葉市中央区中央3丁目2番1号
事業者の経営革新及び都市型新産業の創出、その他地域産業の振興に資する事業を実施することにより、活力ある地域経済社会を構築し、市民生活の向上に寄与することを目的に、平成13年4月1日に設立され、設立当初より、中小企業支援法第7条第1項に規定する指定法人に指定されています。
本財団では、事業者の経営革新や新分野への進出などを支援するため、プロジェクトマネージャー・サブマネージャーなどによる「経営・技術支援事業」をはじめ、「人材育成事業」、「情報提供事業」などの各種事業を実施するとともに、創業支援としては、インキュベータ施設の整備、創業者研修、マネージャーなどによる迅速な支援サービスの提供などの事業を展開しています。
・事業内容
[1]経営・技術支援事業
[2]創業支援施設事業
[3]情報提供事業
[4]人材育成事業
[5]交流促進事業
[6]調査研究事業
[7]技術振興事業
[8]地域商業活性化事業
[9]資金助成事業
(2)都市型新産業創出支援事業の概要
本財団では、ベンチャー企業、製品開発型企業などにおける新技術開発やその事業化の促進のため、技術振興機能、技術移転・交流促進機能、インキュベート機能を重視した各種支援事業を実施するほか、中核的支援機関としてワンストップサービス機能の強化を図ります。
・事業内容
[1]地域産業資源の発掘・調査
[2]技術開発等の支援
[3]支援人材の配置(コーディネーター、インキュベーションマネージャー等)
[4]産業情報ネットワークシステムの整備など
2 都市型新産業支援機関の概要
【千葉商工会議所】
市内中小企業の経営向上のため、企業の経営指導・経営改善普及活動や、会員企業への情報提供、地域情報の発信などのインターネット活用情報交流事業など、幅広い事業を展開しています。
また近年では、会員企業の産学連携や共同研究に対する意識を醸成し、都市型新産業創出を促進するため、千葉大学共同研究推進センターとの意見交換会などの事業を実施しています。
【千葉県工業試験場】
昭和11年に発足した千葉県の公設試験研究機関であり、県内工業の振興発展を図るため、食品、醸造、バイオ、化学、デザイン、情報技術などの分野における研究開発のほか、技術相談、受託業務、講習会、研修、設備開放、情報の収集・提供などの事業を実施しています。また、中小企業における新分野・技術開発を支援する「ものづくり試作開発支援センター」を開設しています。
【千葉県機械金属試験場】
昭和29年に千葉県内の中小企業の技術力向上を目的に設置された千葉県の公設試験研究機関であり、機械・金属関連などの分野における研究開発のほか、技術相談、依頼試験、開放試験室、人材育成、情報提供などの事業を実施しています。
また、中小企業が粉末焼結技術を応用して新分野を開拓するための「ものづくり試作開発支援センター」を開設しています。
【千葉大学】
9学部と8大学院研究科及び連合大学院を有する総合大学であり、研究分野は広範多岐にわたっています。「共同研究推進センター」や「電子光情報基盤技術研究センター:ベンチャービジネスラボラトリー」、「産官学連携推進室」などの産学連携窓口・体制が整備され、市内の大手・中堅企業等との共同研究や産学連携が推進されています。また、TLOの設立も検討されています。
【東京情報大学】
「総合情報学部4学科体制」の私立大学で、「情報」をキーワードに経営情報、IT、環境情報、マルチメディアの学際領域に焦点をあてた研究が活発で、学内においては、研究・教育用のERP(Enterprise Resource Planning)システムが稼働しています。
平成13年4月には、「学術フロンティア共同研究推進センター」が発足し、「アジアの環境」というテーマに取り組んでいます。
【千葉工業大学】
本市に隣接する習志野市に立地する私立大学で、工学部、情報科学部、社会システム科学部及び大学院が設置されています。
産学連携専門の窓口として研究助成課が設けられ、産学連携を全学的に進めており、また、インターンシップ事業にも積極的に取り組んでいます。
【千葉経済大学】
実学を重視した私立大学で、地域における産学官連携の一翼を担う大学として、経済学部(経済学科・経営学科の2学科)の上に大学院を置き、また地域総合研究所を併設しています。
また、公開講座などを開講することにより、地域社会との連携を進めています。
【国民生活金融公庫 千葉支店】
国民生活金融公庫は、平成11年に国民金融公庫と環境衛生金融公庫が統合し発足した政府系金融機関で、中小企業への事業資金融資のほか、恩給・共済年金担保貸付など幅広く融資を行っています。
また、新規開業企業に対して積極的に融資を行うほか、新規開業支援室を設けるなど、創業支援にも様々な取り組みを行っています。
【千葉県信用保証協会】
千葉県信用保証協会は、昭和28年に信用保証協会法に基づき設立され、県内の創業者、中小企業等を対象として、その債務を保証することによって金融機関から事業資金の融資を受けやすくするなど、債務保証事業を展開しています。
【雇用・能力開発機構 千葉センター】
市内の産業・業種団体、事業主、勤労者、離・転職者に対して、能力開発と雇用管理に関する公的な各種施策を実施しています。「中小企業労働力確保法」に基づく創業または異業種進出等に関わる雇用創出・人材確保の助成金等による支援や、新規・成長分野企業等支援コーナーでの労働・雇用情報の情報提供及び出会いの場の提供等を実施しています。
【(社)発明協会千葉県支部(千葉県知的所有権センター)】
特許制度普及事業、発明奨励振興事業、特許情報サービス事業など、特許に関わる各種事業を行っています。
同支部内の「千葉県知的所有権センター」は平成9年に設置された技術開発や特許導入を希望する中小企業に対する支援機関で、大企業や大学等が保有する開放特許を円滑に中小企業へ移転・流通することにより、中小企業の新製品・新技術開発の促進を図ることを目的とした特許流通促進事業を実施しています。
【(財)ひまわりベンチャー育成基金】
千葉銀行が全額出捐して平成10年に設立した財団法人で、県内のベンチャー企業に対する支援を行うことを通じて、千葉県経済の健全な発展と活性化に寄与し、ひいては県民生活の向上に資することを目的としています。 県内ベンチャー企業などを対象とした助成金の交付のほか、セミナー・講演会の開催、企業経営に必要な相談・指導などの各種支援・育成事業を実施しています。
【民間専門支援機関】
川鉄テクノリサーチ(株)は、本市の産業集積形成の核となった大手鉄鋼メーカーの高度技術支援サービス会社であり、各種の素材技術・物性評価技術などの研究開発とともに、環境・省エネルギー・素材等の技術開発支援やI SO等の国際標準規格を中心とした各種の幅広い技術支援サービスを提供しています。
3都市型新産業創出支援体制における支援機能の概要
(1)技術振興機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・地域における産業資源を活用し、連続的に都市型新産業を創出するため、重点分野を中心とした技術シーズ、新事業ニーズや産業支援人材の発掘・調査を行います。これらの情報は産業情報ネットワークを通じて提供するとともに、専任のコーディネーターなどにより事業化を促進します。
・研究開発・商品開発の成果の事業化を図るため、「事業可能性評価」、「専門家相談」、「専門家派遣」などの支援を実施するほか、川鉄テクノリサーチ(株)などの支援機関と連携し、事業可能性評価のために必要な技術動向や市場動向の調査を行います。
・支援機関である市内外の大学との連携により、産学による共同研究を促進するための試作品製作や商品化可能性調査、マーケティング調査など事業化に向けた支援を行うほか、新技術の調査・評価や、検査・分析などを千葉県の公設試験研究機関や川鉄テクノリサーチ(株)などの支援機関と連携して支援することにより、その実用化を促進します。
・新技術の権利化のため、(社)発明協会千葉県支部などの支援機関や弁理士などと連携し、特許権の取得手続きなどに対して支援を行います。
[2]千葉県工業試験場
事業者の技術上の様々な問題について常時、相談・指導に応じるほか、事業者の依頼による一般化学分析、機器による分析、性能試験や設計などを受託しています。
また、事業者の新製品開発や技術向上のため、機器・装置等の設備を開放しています。
[3]千葉県機械金属試験場
事業者が抱える技術的諸問題の解決のため技術相談に応じるほか、技術相談だけでは解決が困難な場合、専門分野の職員が現地に赴く実地指導・テクニカルカウンセラー制度を実施しています。
また、試験機器や装置を持たない企業のため、試験・検査・測定・分析等を行う依頼試験を行うとともに、事業者の新技術や新製品の研究開発のため、開放試験室を設置しています。
[4]各大学
・千葉大学 |
「共同研究推進センター」や「ベンチャービジネスラボラトリー−電子光情報基盤技術研究センター−」、「産学官連携推進室」などが中心となって、市内企業との産学共同研究や技術相談などを行っています。 |
・東京情報大学 |
民間企業出身の教官・研究者を中心に、共同研究取り扱い規定に基づく産学共同研究や受託研究などを行っています。 |
・千葉工業大学 |
研究助成課を窓口として、受託研究や共同研究などの産学連携を全学的に推進しています。 |
・千葉経済大学 |
「地域総合研究所」を中心とした受託研究や共同研究など、地域社会との連携が進められています。 |
[5]民間専門支援機関(川鉄テクノリサーチ(株))
各種技術の調査・評価や、検査・分析などの技術的な支援を行うほか、技術動向・市場動向・事業化調査などを行います。
(2)技術移転・交流促進機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・地域プラットフォームにおいて、研究開発から事業化に至る一貫した総合的な支援を行う窓口となる専任のコーディネーターを配置し、各支援機関との連携を強化します。
・事業者・創業者等の事業ニーズと、大学における研究成果や未利用特許などの技術シーズを結びつけるため、コーディネーターによる仲介や斡旋を行い、技術移転を促進します。
・地域プラットフォームを構成する各支援機関や連携機関、市内企業、市などの交流を促進することにより連続的な新事業の創出を図るネットワークグループを形成し、その運営・支援を行います。
[2]各大学
・産学連携窓口を設置し、公開特許を含めた研究成果の移転を推進するとともに、先端的技術に関する研究会・講演会などを開催し、産学の交流促進を行っています。
[3](社)発明協会千葉県支部(千葉県知的所有権センター)
特許庁構築のデータベースを活用して、特許情報の検索・閲覧ができるほか、未利用特許を事業に結びつけるため、特許の売買情報の収集や、常駐のアドバイザーによる相談・指導、未利用特許の導入希望企業への仲介等、特許保有企業・大学との橋渡しなどを行っています。
「特許流通アドバイザー」は技術移転件数において全国でも高いレベルの実績を上げています。
(3)インキュベータ機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・創業者・創業希望者の独創的な事業プランや技術を公募し、優秀なものには賞金を授与するとともに、各種の支援により事業化を促進します。
・創業者・創業希望者を施設面から支援するため、ビジネスインキュベータ施設を設置、管理・運営を行います。
・地域プラットフォームにおいて、インキュベータ施設入居者をはじめとした創業者に対する総合的な一貫支援を行う窓口となる専任のインキュベーションマネージャーを配置し、各支援機関との連携を強化して効率的・機動的な支援を行います。
・創業者・創業希望者に対して適切かつ効果的な支援を行うため、専門家が事業プランの進捗状況を評価することにより、現状や課題などを把握します。
・インキュベータ施設入居者をはじめとした創業者・創業希望者を対象に、大学の教員や専門家を講師として、実践的なカリキュラムにより創業に関するノウハウを習得することを目的とした研修を実施します。
・創業者・創業希望者に対する総合的支援・調整能力を強化するため、支援担当者をインキュベーションマネージャー養成研修に派遣するとともに、地域プラットフォームとしての支援機能を高めるため、市内に所在する民間専門支援事業者を発掘、育成し、ネットワーク化を進めます。
[2]千葉商工会議所
「新規開業応援セミナー」「創業塾」をはじめ、起業家ネットワークの輪を広げるための「創業・ベンチャーフォーラム」を開催しています。
(4)資金調達支援機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・千葉市が実施する創業者あるいは創業後間もない者を対象とした創業支援資金融資や、新製品の研究開発及び事業化を図るための資金を必要とする市内中小企業を対象とした新製品開発促進資金融資など資金融資事業の受付・調査業務を行います。
・ベンチャー企業に事業プラン発表の場を提供し、投資家・投資機関との仲介を行います。
[2]国民生活金融公庫千葉支店
新規開業特別貸付制度や女性・中高年起業家貸付制度などにより、一般の金融機関から融資を受けることが困難な場合が少なくない創業者を資金面から支援しています。
また、中小企業経営に関する調査・研究の成果や全国の支店・相談センターで得られた情報を活用して新規開業者などの情報ニーズに対応しており、経営支援機能なども担っています。
[3]千葉県信用保証協会
創業支援資金、新製品開発促進資金の融資など千葉市が実施する資金融資制度に対する金融機関への債務保証を行い、創業者、中小企業者等への資金調達の円滑化を図ります。
[4](財)ひまわりベンチャー育成基金
ベンチャー企業などを対象とした研究開発助成金やインキュベータ施設に入居する企業への家賃補助金を交付しています。
(5)経営支援機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・事業者・創業者等の経営課題や法律上の問題について、専門家等による相談を行うほか、登録制の民間専門家を企業に派遣し、アドバイスや指導などの支援を実施します。
[2]千葉商工会議所
経営改善普及事業として、経営指導員、専門経営指導員による巡回指導や窓口指導、講習会等の開催による指導を行い、企業の経営改善発展を推進しています。また、経営改善普及事業の一つとして、国・県・市の制度融資を斡旋し、資金調達を側面から支援しています。
(6)販路拡大機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・事業者・創業者等の市場開拓、販路拡大を支援するため、コーディネーターによるマッチングを行うとともに、見本市・商談会等のブースを確保し、出展の機会を提供します。
・ベンチャー企業に事業プラン発表の場を提供し、ビジネスパートナー等との仲介を行います。
[2]千葉商工会議所
全国の商工会議所及び海外の商工会議所ネットワークにより、取引照会や情報の提供を行っています。
(7)ワンストップサービス機能
[1](財)千葉市産業振興財団
専門相談員などによる総合的な窓口相談を行うとともに、産業情報ネットワークシステムを構築することにより、各支援機関の事業内容やデータベース化した各種産業情報を提供し、地域プラットフォームにおける中核的支援機関としての機能を高めます。
(8)人材育成機能
[1](財)千葉市産業振興財団
・支援機関である大学と連携し、事業者・創業者・学生等が参加可能な技術分野及び経営分野のゼミナールを開設し、実践的なカリキュラムや相互の交流により、実務に直結した知識・経験を得る機会を提供します。
・支援機関である千葉県の公設試験研究機関や雇用・能力開発機構をはじめ、様々な専門研修機関が実施する高度技術研修などへの参加を支援します。
・経済情勢、IT技術などをテーマにした経営者・実務者向けのセミナーを実施します。
[2]千葉県工業試験場・千葉県機械金属試験場
技術者養成や能力開発のための一般研修のほか、各分野の専門講師や試験場スタッフによる講習会を開催しています。
また、試験場が設定した研究テーマに沿って、中小企業の技術者と職員が共に研究を行い、研究開発に必要な技術・知識を習得する「ORT研修」を実施しています。
[3]雇用・能力開発機構 千葉センター
市内には、全国唯一のハイテク教育センターである「高度ポリテクセンター」や、千葉職業能力短期大学(ポリテクカレッジ)、千葉職業能力開発促進センター(ポリテクセンター千葉)が設置されており、職業能力開発の支援により、高度な人材の育成を行っています。
また、職業能力開発・向上に関する相談・援助や情報提供など幅広い事業を展開しています。
4 連携機関の概要及び協力関係
地域プラットフォームの機能を高め、都市型新産業創出の促進を図るためには、都市型新産業支援機関のほかにも、様々な機関や組織との連携を強化する必要があります。これらの機関や組織を「連携機関」として位置付け、地域プラットフォームの支援機能を充実していきます。
【公的な連携機関】
千葉県商工会議所連合会は、「創業塾」や「ベンチャー・フォーラム」等の開催を通じて、新事業創出の支援事業を実施しています。
また、日本貿易振興会アジア経済研究所、日本貿易振興会千葉貿易情報センターは、ベンチャー企業の海外取引、進出をはじめ国際企業交流等のための情報提供・相談支援等を実施し、(社)中小企業診断協会千葉県支部や(社)日本技術士会千葉県技術士会では、経営・技術分野の支援事業を実施しています。
【民間金融機関等】
地元金融機関では、千葉銀行を中心としてちばぎんキャピタル(株)などで構成されるグループが、ベンチャー企業向け助成金交付事業及び投融資事業を充実させています。そのほか市内には千葉興業銀行、京葉銀行などの地域金融機関や、大手金融機関・大手証券会社・有力監査法人の支店・支所、さらに、経営コンサルタント、法律事務所、弁理士事務所等が立地しており、それぞれがベンチャー企業の支援事業を実施しています。
【民間研究所、民間企業グループ】
市内には、臨海部の鉄鋼関連の研究所をはじめ、機械・金属関連.化学・薬品関連、食品関連、情報通信関連企業などの研究所も立地しており、各分野毎に優れた研究シーズ、技術開発成果を保有しています。
また、本市の都市型新産業創出の重点分野である「情報通信関連分野」における民用企業グループとして、(社)千葉県情報サービス産業協会や協同組合シー・ソフトウェアなどが組織されています。
5 都市型新産業支援機関と中核的支援機関相互の提携又は連携に関する事項
(1)支援機関の相互補完関係の構築
地域プラットフォームが総体として効率的・機動的な都市型新産業創出支援を行っていくには、中核的支援機関と都市型新産業支援機関とが連携を強化し、各機関が保有する情報などを共有化するとともに、各機関が行う支援事業などを効果的に組み合わせていくことが必要です。
そこで、中核的支援機関、都市型新産業支援機関及び連携機関をメンバーとして、都市型市産業創出に関するシーズ、ニーズをはじめとした地域産業資源に関する情報や、各支援機関が行う支援事業に関する情報の交換及び共有化、あるいは相互の連絡調整や意見交換などを定期的に行う「千葉市都市型新産業創出支援連絡会議(仮称)」を設置します。
また、中核的支援機関・都市型新産業支援機関・連携機関相互の迅速な情報交換・連絡調整を迅速かつ効率的に行うため、インターネットによる情報ネットワークを構築するとともに、各機関における担当者のメーリングリストを作成することにより、人的なネットワークを形成して相互の連携を深め、地域プラットフォーム総体として、より円滑な支援が実施できるような体制を整備します。
また、(財)千葉市産業振興財団は、地域プラットフォームにおける中核的支援機関として、産業情報ネットワークシステムの構築や総合相談窓口の設置などによりワンストップサービス機能を強化するとともに、地域プラットフォーム総体として、都市型新産業創出のために最も効果的な支援が可能となるよう都市型新産業支援機関や連携機関をつなぐコーディネート機能を強化します。
(2)プラットフォーム外との連携
地域プラットフォームの機能をより向上させるには、都市型新産業支援機関・連携機関以外の市内外の大学・研究機関や民間専門支援事業者、あるいは千葉県の「地域新産業プラットフォーム」や、その中核的支援機関である(財)千葉県産業振興センター、さらには類似の産業支援機関・組織などとも柔軟な補完・協力関係を形成することが必要です。
そこで、これら各機関・組織との間で情報ネットワークによるリンクを形成し、広域的な連携を促進します。
さらに、全国的な中核的支援機関のネットワークである「日本新事業支援機関協議会(JANBO)」に参加し、さらに幅広い交流・ネットワーク化を図っていきます。
6 実現化に向けた課題・対応策の検討
(1)ベンチャー成長段階に応じたインキュベータの早期整備
今年度開設した財団のインキュベータにおける卒業者や他の創業・起業化した後の成長段階に応じたインキュベータの早期整備を、今後図ることが必要であります。
公民の既存遊休施設や新たに取得することが可能な公共施設に、これらの施設を積極的に整備していく必要があります。
特に、入居企業がビジネス上で、取引相手から、信頼性を感じられるような適切な新規又は既存空ビル・工場施設を重視し、入居企業には、個別企業ニーズに即応して、中核的支援組織による経営・財務サービスの提供、傾斜式の複数年度にわたる賃貸料の補助等を検討します。
(2)先行的なソフト面での支援事業の早期整備
新産業・技術振興については、実施可能なソフト面での支援事業を、先行的かつ早期に実施していくことが不可能であります。
特に市内ベンチャー企業・起業家からは、柔軟かつ迅速な支援が必要であるとの指摘が強く、支援事業の早期実現が望まれています。
中でも、総合的支援体制及び中核的支援施設の核となる「コーディネータ」等の専門的人材の確保・育成を先行的に行うことが不可欠である。民間企業現役及び退職者を含めた、技術評価と事業化評価をできる専門的な人材を確保し、特にビジネスセンスをもって、都市型新産業の立ち上げを精力的かつ機動的に活動できる人材が極めて重要となります。
(3)産学官の合意形成とネットワークづくりの推進
既存中小企業の支援に加え、ベンチャー企業、起業家、製品開発型企業への重点的支援を行うため、市内産業界及び関連組織等の十分な理解と協力を求めることが期待できます。
また、大学・研究機関との連携のため、本市行政、大学及び産学連携組織との間で、合意と協力の要請を行うことが重要であります。
さらに、個別のキーパーソン・有力な支援者・協力者、金融機関をはじめ民間専門支援事業者・団体等のヒューマン・ネットワーク化、支援協力者との具体的連携を着実に図ることが重要であります。
(4)その他長期的な課題・対応策の諸点
・技術移転、専門的人材育成に係るソフトな支援事業の充実
・選考施設のノウハウを活かした本格的な中核施設
・重点分野別の集積拠点整備の促進
・大規模研究開発プロジェクトの導入等の促進
・ベンチャー・起業家風土・意識醸成のための人材教育・育成