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(3)我が国における実態
底生生物に与える覆砂によるキャッピングの影響(事例1)
 
調査位置:広島湾呉地区大柿地先、水深21mの海域(図1)。
覆砂状況:昭和54年10月〜11月に120m×160mの範囲で覆砂厚50cmの1区を施工(図1)。
調査結果:底生生物の経時変化を図2に示す。事前に比べ覆砂1ヶ月後の事後1回目におけるマクロベントス(1mm目のふるいに残る種)の個体数は、非覆砂域よりも覆砂域で減少が顕著であった。覆砂4ヶ月後の事後2回目では非覆砂域よりも覆砂域で増加が顕著であった。メイオベントス(1mm目のふるいを通過し、0.5mm目のふるいに残る種)の個体数は、覆砂域、非覆砂域ともに経時的に増加傾向がみられ、覆砂域でその傾向が顕著であった。マクロベントス、メイオベントスともに全調査点で同様な傾向がみられたことは季節的変化があったと考えられる。
キャッピングの影響:マクロベントスヘの影響は覆砂直後においてみられた。しかし、4ヶ月後には出現状況の差がみられなくなることから、一定期間後にキャッピングの影響が無くなると考えられる。メイオベントスへの影響はみられないと考えられる。
出典:広島湾底質浄化追跡調査報告書 昭和55年3月 運輸省第三港湾建設局・社団法人底質浄化協会
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図1 調査位置








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