国際里親養育機構(lFCO)
第12回研修大会青少年里子会議の概要
○期日 |
2001年7月15日(日)〜20日(金) |
○場所 |
オランダヴェルデホーヘン市
ケーニッヒホフホテル |
○標語 |
フォスター・ケアー社会に向かって
towards a foster caring society |
○日程 |
(日本代表団が参加した主な会議等) |
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7月15日(日) |
18:00 |
開会式 |
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20:00 |
歓迎晩餐会 |
日本の里子代表団は法被や浴衣姿で参加し、注目を浴びる。 |
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7月16日(月) |
9:00 |
オープニングドキュメンタリー |
障害を持っている幼児のケアー等のドキュメンタリーフィルムの上映 |
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10:30 |
基調講演II(講演と質疑) |
“運営と組織”フォスター・ケアーにおける市民社会の意味 |
パネルスピーカー〜エジプト、インド、ルーマニア、ウガンダ、オランダ、日本 |
日本代表のパネルスピーカーの渥美会長は、日本のフォスター・ケアーの歴史と現状についてプレゼンテーションを行った。 |
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13:00 |
分科会 |
「日本におけるフォスター・ケアーの概要」 |
渥美会長が種々の資料を基に説明し、オランダ人ケースワーカーやアイルランド人の専門家等の参加者との間に活発な質疑が行われた。 |
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15:00 |
各分科会にそれぞれ出席 |
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18:00 |
夕べの集い |
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7月17日(火) |
9:00 |
基調講演 |
「ユース・イン・ケアー・ネットワーク」 |
IFCO理事・カナダ代表 |
(内容)IFCOへのユースの参加の重要性、カナダにおけるユース・イン・ケアー・ネットワークの紹介、虐待から守られる権利、学校教育を受ける権利、国籍を持つ権利などユースの権利の説明等 |
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10:30 |
ユース討論会 |
各国のユース・イン・ケアー及びフォスター・チルドレンと共に育った実子のユースも参加し、活発な討論が行われた。 |
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13:00 |
分科会 |
「フォスター・チャイルドの声に耳を傾けよう」 |
フィンランドのケース・ワーカーのグループが行っている子どもを対象にしたツールが紹介された。 |
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14:30 |
分科会 |
「“ユースの形成”為せば為る」 |
何らかの福祉ケアーを受けたユースを対象に学校選択、住宅、就職、サークル活動等のサポートを提供しているカナダのグループ(我が国の大阪の児童福祉施設とも交流を持っている)のプレゼンテーションがあり、その後日本の代表7人の自己紹介と意見交換が行われた |
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18:00 |
ブラーバントの夕べ、レセプション |
北ブラーバント州州庁において州副知事の歓迎挨拶のあとブッフェスタイルの晩餐会が開かれ、ディスコホールなども設けられ、各国の参加者と楽しい交流が繰り広げられた。 |
○第4回役員会
平成12年度第4回役員会が3月16日(金)東京都港区赤坂の茜荘で開催され、平成12年度補正予算、平成13年度事業計画・収支予算及び各都道府県里親会分担金の改定並びに理事、評議員の改選が議決された。
・理事の改選
△新任 小林幸男(常務理事)、竹内重富 (福井県)
・評議員の改選
△新任 杉江正昭(名古屋市)
○第1回役員・評議員会
平成13年度の第1回役員・評議員会の合同会議が5月21日(月)、東京都港区赤坂の赤坂陽光ホテルで開催され、平成12年度事業報告・収支決算、平成13年度事業計画・収支予算、評議員の改選、平成13年度の里親促進事業実施地区の選定及び各都道府県里親会分担金の改定等が議決された。
●平成13年度予算の概要 (単位 千円)
収入 |
支出 |
基金運用収入 |
1,098 |
事業費 |
44,432 |
寄附金収入(各里親会分担金を含む) |
14,450 |
里親制度普及振興事業 |
4,000 |
日本財団補助金 |
3,000 |
里親促進事業 |
22,977 |
〃助成金 |
6,000 |
全国青少年里子会創設支援事業 |
10,300 |
こども未来財団助成金 |
22,977 |
里親養育電話相談事業 |
5,455 |
社会福祉・医療事業団助成金 |
15,755 |
一般事業(全国里親大会等) |
1,700 |
一般会計繰入金 |
1,000 |
管理費(人件費・役員会 里親だより等) |
19,331 |
基本財産取崩収入 |
9,500 |
繰出金 |
1,000 |
誌収入 |
462 |
基本財産取得支出 |
9,500 |
前期繰越金 |
230 |
予備費 |
209 |
合計 |
74,472 |
合計 |
74,472 |
・評議員の改選
△新任 高橋亨夫(仙台市)、田坂素臣(広島県)、前原五男(鹿児島県)
・里親促進事業実施地区の選定
一般里親促進事業は52県里親会148地区(前年度より2増)、短期里親開拓事業は17県里親会37市(前年度と同数)及び未委託里親ふれあいキャンプ事業は8道県里親会がそれぞれ選定された。
・平成13年度各県里親会分担金の改定
財政状況が厳しくなっていることに対応し、積算基準のうち委託里親について現行年額1人3,000円を5,000円に引き上げる案が提案され、原案どおり承認された。
○第2回役員会
平成13年度第2回役員会が8月24日(金)、東京都港区赤坂の茜荘で開催され、次の事項が議決された。
・評議員の改選
△新任 千葉熊夫(宮城県)、西 輝男(熊本県)
・第47回全国里親大会(北海道大会)における受賞者の選考
△大会会長表彰状受賞者 |
41組 |
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斎藤憲・ミサ子(北海道) |
白木祐一・弘子(北海道) |
阿部賀延(北海道) |
小松勝美・タイ(北海道) |
相内三之助・うめ(青森県) |
伊藤勇夫・トミ(岩手県) |
幕田好三・由美子(福島県) |
高木静夫・修子(茨城県) |
加藤芳司(栃木県) |
田中正男・和子(栃木県) |
唐沢美好・つよ子(群馬県) |
小林一美・幸子(埼玉県) |
菅野佳伸・恵子(千葉県) |
山口昌彦・はる美(東京都) |
大木英雄・尚子(東京都) |
杵渕賢一・紀子(東京都) |
田口武男・ゆり子(神奈川県) |
高橋利幸・順子(神奈川県) |
石山雅・正子(新潟県) |
関戸勝治・美恵子(山梨県) |
山崎政雄・静枝(長野県) |
生田真一・初代(静岡県) |
増田武夫・あさ恵(静岡県) |
後藤中・美津代(愛知県) |
金崎敏雄・元子(大阪府) |
小西庸介・雪子(兵庫県) |
福谷則枝(鳥取県) |
御神本啓一・俊子(島根県) |
山岡憲興・静枝(岡山県) |
村本二三・アヤ子(広島県) |
堀英雄・ひさえ(山口県) |
高岡実・雪美(徳島県) |
川原安行・多見(宮崎県) |
宮良正秀・久美子(沖縄県) |
末吉重昭(沖縄県) |
長谷川力・綾子(札幌市) |
近藤敏彦・美江子(千葉市) |
峯松眞六・陽子(横浜市) |
石川孝司・兼子(川崎市) |
伊藤雅男・留美子(京都市) |
森本誠・佳子(大阪市) |
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△大会会長感謝状受賞者 |
7組 |
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函館心の里親会(会長庭山啓子)(北海道) |
レナ観光ファミリー会(代表新田博施)(北海道) |
横溝幸一・礼子(神奈川県) |
高木浄圓(富山県) |
佐々木昭広・章子(京都府) |
小川勝水・喜子(鳥取県) |
原田勝・時江(島根県) |
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・平成13年度「里親制度の推進に関する要望書」の決定
各地区里親会から提出された要望事項を基に活発な討議を行い、児童福祉法における里親の規定の整備、未委託里親への委託促進等の諸施策を強力に推進するよう決定した。
・平成14年度日本財団の助成金申請
来年度も厳しい財政状況が予想されるが、里親委託児童の増加を目指して、従来の2事業に広報ポスターの配布事業を加え、一応本年度並みに申請することに決定した。
・専門里親モデル実施調査研究事業の実施
里親に委託される児童の中にも虐待を受けた子どもが多くなってきていること等から、我が国におけるいわゆる専門里親制度の確立を目指し、その資格要件、専門里親への研修及び支援システムを検討し、専門里親制度のあり方について提言するため、平成13年度の社会福祉・医療事業団の子育て支援基金の助成を受けて、標記研究事業を実施すること及びこれに伴い特別会計を新設することが議決された。(詳細は別掲概要のとおり)
○ブロック別里親研修会の開催状況
本年度も5月から10月にかけて各ブロックにおいて研修会が開催され、それぞれのブロックにおける創意工夫や特色のある研修が実施された。
地区別 |
開催時期 |
開催地 |
主な内容 |
北海道 |
10.5 |
札幌市 |
表彰、体験報告、事例報告、討論 |
東北 |
7.26〜27 |
仙台市 |
表彰、記念講演、分散会(1〜3)、全体会、交流会 |
関東甲信越静 |
7.20〜21 |
長野県諏訪市 |
表彰、記念講演、分散会(1〜5)、パネルディスカッション ほか |
東海・北陸 |
5.31〜6.1 |
富山県高岡市 |
記念講演、分散会(1〜4)、意見交換 |
近畿 |
6.1 |
大阪市 |
講演、分科会(1〜3) |
中国 |
5.24〜25 |
鳥取県米子市 |
表彰、講演、国際里子会議報告(里子)、事例発表 |
四国 |
9.7 |
愛媛県松山市 |
講演、研究協議(体験発表、意見交換) |
九州 |
7.26〜27 |
長崎県長崎市 |
表彰、記念講演、体験発表、分散会(1〜2) |
○専門里親モデル実施調査研究事業の概要
1.事業内容
[1]専門里親制度についての研究及び研修等の実施
ア専門里親制度についての研究
専門里親の資格要件、対象とすべき児童、子どもの委託期間、専門里親としての期間、及び専門里親手当の費用等についての検討
イ専門里親養育マニュアルについての検討
被虐待児等処遇の難しい子どもの養育上の参考とするための里親養育マニュアルの作成についての検討
ウ専門里親への研修及び支援のあり方についての検討
専門里親として被虐待児を養育していくためには、里親に対する研修及び支援が不可欠であるので、諸外国の研修プログラムを検討し、我が国における専門里親研修プログラム案を作成するため、モデル研修を実施するとともに、里親に対する望ましい支援のあり方についても検討する
[2]里親等を活用した子育て支援員についての研究及びモデル事業の実施
育児不安を持つ母親や自らの虐待行為に悩む母親等への子育て支援に里親等の子育て機能を活用することが期待されるが、その資格要件、手当及び研修等について検討するとともに、支援モデル事業を実施する。
[3]研究報告書の作成・配布
研究結果報告書を作成し、里親会及び関係機関等に配布する。
2.研究事業費予算額
18,498千円 平成13年度社会福祉・医療事業団子育て支援基金助成費
3.研究事業の実施状況
里親代表を含む15人の委員による研究委員会(委員長 青山学院大学教授庄司順一氏)が本年8月に発足し、精力的に審議を行うとともに研究事業の一環として、11月2日(金)〜4日(月)の3日間、東京において、専門里親モデル研修会を開催。また、12月8日(土)〜9日(日)には子育て支援員モデル研修会を開催する等の事業を進めている。
○全国里子会の創設
里子である児童の各種権利を尊重し、その意見を考慮することが国や保護者の義務であることから、地域における青少年里子の組織づくりを行うため、平成11年度から社会福祉・医療事業団の子育て支援基金の助成を受けて、全国青少年里子会創設支援事業を実施した。
この事業により、青少年里子の国際会議への参加やブロック里子会準備会の開催等を実施し、平成12年度には北海道や九州にブロック里子会が誕生し、本年4月には東京において全国里子会の結成大会が開かれ、会長に北海道の根本雄司君が選任され、全国組織として活動を開始した。
○里親制度の推進に関する要望書について
第2回役員会(8月24日)で決定した厚生労働大臣に対する標記要望書(下記)については、厚生労働大臣に要望したほか、各都道府県(市)里親会からそれぞれの知事(市長)に同内容の要望をするとともに、要望事項の1から4の事項については、全国里親会から国会の厚生労働委員会や党の政務調査会の責任者に、また、各都道府県(市)里親会から地元選出の厚生労働関係の国会議員にそれぞれ要望を行った。
今後とも、これらの要望事項の実現に向けて、幅広い活動を展開していきたい。
里親制度の推進に関する要望書 |
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最近における少子高齢化の趨勢および家庭における児童に対する養育機能の低下等児童をめぐる環境の変化の著しい現状に鑑み、要養護児童の福祉施策の一翼を担う本制度の役割は益々重要性を増しております。本会としては次の事項の実現を期し里親制度の充実と普及を図られるよう強く要望するものであります。 |
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平成13年9月17日 |
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厚生労働大臣 坂口 力殿 |
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都道府県知事 (市長)殿 |
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財団法人 全国里親会 |
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会長 渥美 節夫 |
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都道府県(市)里親会長 |
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記 |
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1.児童福祉法における里親についての規定を一条文として整備し、里親としての権利及び義務等を明確に規定されたいこと。 |
2.里親の開拓について積極的に努力されるとともに、未委託里親への委託促進を強力に進められたいこと。 |
3.里親手当(現行月額28,000円)を、児童養護施設に対する事務費を勘案し引き上げられたいこと。 |
4.里親業務体制の強化を図るため、全ての児童相談所に専任の児童福祉司を置くよう措置されたいこと。 |
5.被虐待児童を養育できるよう、その里親の資格、特別の研修、養育特別加算などを含む専門里親制度を創設されたいこと。 |
6.就職に必要な資格取得のための修学中の里子については、18歳を超えても修学終了時まで公費負担を継続されたいこと。 |
7.地域における子育て支援活動の方途として里親制度を活用されたいこと。 |
8.青少年里子の組織化及びその活動について一層の支援をされたいこと。 |
9.国及び都道府県・指定都市は、全国里親会、地方里親会の活動を促進するための助成を行われたいこと。 |
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里親制度の推進に関する要望書 |
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最近における少子高齢化の趨勢及び家庭における児童に対する養育機能の低下等児童をめぐる環境の変化の著しい現状に鑑み、要養護児童の福祉施策の一翼を担う本制度の役割は益々重要性を増しております。本会としては次の事項の実現を期し里親制度の充実と普及を図られるよう要望するものであります。 |
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平成13年 月 日 |
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財団法人 全国里親会 |
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都道府県(市)里親会長 |
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衆議院厚生労働委員殿 |
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参議院厚生労働委員殿 |
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関係地元国会議員殿 |
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記 |
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1.児童福祉法における里親についての規定を一条文として整備し、里親としての権利及び義務を明確に規定されたいこと。 |
2.里親の開拓について積極的に努力されるとともに、未委託里親への委託促進を強力に進められたいこと。 また、短期里親制度の推進、障害児の里親受託の促進、ファミリー・グループ・ホームの制度化を図られたいこと。 |
3.里親手当(現行月額28,000円)を、児童養護施設に対する事務費を勘案し引き上げられたいこと。 |
4.里親業務体制の強化を図るため、全ての児童相談所に専任の児童福祉司を置くよう措置されたいこと。 |
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○本会事務所の取得について
これまで賃借となっていた本会事務所について、物件の管理人より売却の要請があり、この取得について昨年10月の合同役員会で承認を得ていたが、本年4月12日に売買契約を締結し、同日本会の基本財産として登記を行った。
○叙勲の受彰等
・次の方々が今年春の叙勲の栄に輝きました。ご功績を讃え祝意を表したいと思います。
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北海道里親会連合会長 |
広瀬清蔵氏 |
勲4等瑞宝章 |
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長崎県里親会長 |
橋田村俊氏 |
勲5等旭日章 |
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前全国里親会常務理事 |
海老沢泉氏 |
勲5等旭日章 |
・また、高知県里親連合会長 岡田好夫・智ご夫妻は、多年にわたる幅広い社会福祉活動の功績により、社会貢献支援財団の平成13年度社会貢献者表彰を受彰されました。おめでとうございます。