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特集 北九州市
北九州市の運輸と観光
1 はじめに
 北九州市は、九州の玄関口に位置し、美しい海と山に囲まれ、恵まれた自然を持っている。本市は、昭和38年、世界でも類を見ない五つの都市の対等合併により、人口約103万人、面積447km2で九州最大の都市として誕生した。
 日本の四大工業地帯の一つとして発展した本市は、近年の社会経済情勢の変化や産業構造の転換によって深刻な影響を受け、今なお、地域経済は厳しい状況が続いている。
 こうした中、昭和63年に創造的な産業都市への再生を目指した「北九州ルネッサンス構想」を策定し、現在は本市を「再生」から「浮揚」へと導く「第三次実施計画(平成11〜15年度)」に取り組んでいる。
 この実施計画では、戦略的な六つのビジョンをまちづくりの基本的な方向性としており、その一つである「交流・物流拠点都市の創造」では、実績のある港湾機能や鉄道網等の社会ストックの存在や交通・物流の拠点性を活かした「物流拠点都市づくり」や「国際交流都市づくり」を推進している。
 「物流拠点都市づくり」については、物流施策を総合的に展開するため、響灘大水深港湾や新北九州空港、門司鉄道コンテナターミナルといった21世紀の物流ニーズを満足する陸・海・空の新たな物流基盤の整備と東九州自動車道などの交通ネットワークの整備を促進している。
 「国際交流都市づくり」としては、本市を世界にアピールし、新しい時代のシンボルとなる「ジャパンエキスポ北九州博覧祭2001」を本年7月から11月にかけて開催しているほか、さまざまな国際会議やイベントを積極的に誘致・開催するとともに、門司港レトロ地区など観光拠点の整備など観光都市"北九州"を推進している。
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北九州市の交通網
2 北九州市の運輸状況について
(1)旅客・貨物流動の現状
 本市における1日当りの発生集中量は、約504万トリップ(H5年)で昭和58年(約522万トリップ)から3.5%減少している。しかしながら、機関分担における自家用車の割合は45%と昭和58年(35.3%)より9.7%増加しており、自動車への依存度が高まり、公共交通の利用者が減少している。
 貨物流動については、本市発着の全国貨物量は約28万トン/日(3日間調査の平均)となっており、品目別では本市発では鉱産品が約45%、着では、化学工業品が約40%を占めている。輸送機関別では、自動車(トラック)と海運(船舶)で全体の95%を占めている。
北九州市の機能分担
単位:%
鉄道 バス・路面電車 タクシー 自家用車 その他 全機関
6.3 9.2 1.4 45.0 38.1 100
出典:3回北部九州圏パーソントリップ調査
北九州市の貨物流動(輸送機関別)
単位:%
鉄道 自動車 海運 航空 その他 全機関
1.5 51.0 44.1 0.0 3.4 100
出典:平成7年度全国貨物純流動調査(3日間)
(2)航空について
[1]北九州空港の現状と課題
 北九州空港は、昭和19年に旧陸軍の曽根飛行場として建設された。戦後の米軍による接収等の変遷を経て、昭和36年4月、国が設置・管理する第二種空港として供用が開始された。
 昭和48年に現在の北九州空港に名称が変更され、昭和58年11月に定期便が休止されるまで、東京はじめ大阪、松山などとの間で定期便が運行されてきた。その後、平成3年3月に滑走路を1600mに延長し、東京への定期便が再開され現在にいたっている。しかしながら、滑走路の制約により大型ジェット機の就航ができないこと、気候の関係で就航率が高くないことなどから、この北九州空港では、北九州市をはじめ圏域200万人の航空交通手段が確保できていないのが現状である。平成12年度は、1日3往復6便の運行によって、東京への定期便再開後最高の約16万人に利用されたが、圏域200万人の空の玄関とはなりえていない。(図1)
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図1
 また、北部九州地域の航空需要は、福岡空港の毎年100万人近くの利用者増加に見られるように、年々増えつづけており、北九州地域においても、今後、ますますの需要増加が見込まれている。
 一方、北九州空港は、三方を山に囲まれた谷間に位置している上、空港周辺まで市街地化が進んでいることから大型ジェット機就航のための拡張整備は極めて困難である。
 このことから、現在、国土交通省において、北九州空港の沖合い海上に、新北九州空港の建設を進めているところである。(図2)
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図2








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