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[3]運輸部門における二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組み
 国土交通行政は、運輸部門や民生部門のうちの住宅・建築物に係る分野等について、地球温暖化対策を推進する立場にあります。国土交通省では、国土交通大臣を本部長とする国土交通省地球温暖化対策推進本部を2001年11月16日に設置し、地球温暖化対策に取り組む体制を整備しました。
 運輸部門は、国民生活や我が国経済活動の基礎をなすものであり、二酸化炭素排出抑制のために交通量やエネルギー消費量の規制といった直接的手段を講じることは、国民生活や経済活動に与える悪影響が懸念されます。従って、国土交通行政における地球温暖化対策については、自主的取組みやインセンティブ付与、技術開発の推進等を基本として、国民生活や経済活動への悪影響を最大限回避しつつ進めていく必要があります。
 地球温暖化対策推進大網の予測によると、我が国全体の二酸化炭素排出量の2割を占める運輸部門については、2010年の時点で何も対策をとらなければ約29,600万t-CO2まで増加すると見込まれており、これを95年比とほぼ同レベル(約25,000万t-CO2)に抑制することが求められています。従って、運輸部門においては、2010年時点で約4,600万t-CO2の二酸化炭素排出削減を図るための対策を推進することが必要とされています。
 運輸部門の二酸化炭素は排出量の88%は、自動車部門からのものです。このうち公共交通機関及び貨物輸送からの排出量は近年(’95→’99)安定傾向にありますが、自家用乗用車からの排出量が引き続き増大しており、自家用乗用車からの二酸化炭素排出削減対策が急務となっています。
 
●運輸部門における二酸化炭素排出量の推移
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2000年の排出量は「2000(平成12)年度エネルギー需給実績(速報)」(1月31日公表)に基づく国土交通省の推計公共交通機関:バス、タクシー、鉄道、旅客船、内航海運、国内航空
 
 しかし、自家用乗用車の走行量の増加・大型化等により、99年度末までに排出量が既に約23%増加(90年度比)しており、自動車からの二酸化炭素を抑制するため、低公害車の開発・普及や交通流対策による自動車交通対策の他、環境負荷の小さい交通体系の構築として、モーダルシフト等物流の効率化や公共交通機関の利用促進等に係る対策の強化が必要となっています。
 
●運輸部門の地球温暖化対策の考え方
経済活動や国民生活に悪影響を与えないよう、自主的取り組み、インセンティブ付与、新技術の開発・導入等により推進。
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コラム
・・・日常生活と温室効果ガス排出の関わり・・・
 
 地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも最も寄与度の高い二酸化炭素は、日常生活においても大量に排出されているため、これまでの公害と違って被害者も加害者も同じといわれています。
 運輸部門での二酸化炭素排出で日常生活に最も身近なのが、自動車からの排出です。
 例えば燃費が13km/リットル(10・15モード燃費値)の自動車は1km走る毎に約50g(炭素換算、以下同じ。)、8km/リットル(同)の自動車は1km走る毎に約80gの二酸化炭素を排出していることになります。
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 ちなみに、平均的な家庭用の風呂を1回沸かす際に発生する二酸化炭素量は約280gです。また、六畳間の電気(60W)を1時間使用した場合の電力をつくる際に発生する二酸化炭素量は約6gです。
 したがって、例えば、1回20kmの自動車使用は、風呂3〜6回分、六畳間の電気なら1日5時間使用として1ヶ月〜1ヶ月半分に相当することになります。
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 また、乗用車で10分間アイドリングすると1〜2kmの走行に相当する約130ccの燃料が消費されるといわれています。これは1〜2kmの走行に相当する約90gの二酸化炭素排出になります。やかんの水2リットルを沸かすと約10gの排出ですから、それだけで、9回お湯が沸かせ、また、六畳間の電気なら約3日分に相当します。
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