第1章 グリーン経営とその必要性
事業活動は基本的には営利活動であり、事業者は事業を進めるにあたってコストを削減し、利益をあげることが要求されています。一方、環境問題が深刻になるにつれて、企業が持続可能な成長を図るためには、営利性の追求と同時に、環境保全を企業の社会的責任としてとらえ、事業活動における環境負荷の削減を図っていくことが不可欠となってきました。このマニュアルでは、事業活動のなかに環境保全への配慮を組み入れ営利性の追求と環境配慮の両立を図っていくことを経営のグリーン化と呼んでいます。
したがって、グリーン経営とは自主的・計画的に環境対策を進めながら、経営面での向上を図っていく経営をいいます。具体的には、燃費向上によってコストの削減を図ることができる「エコドライブの推進」や「社用車を含めた低公害車の導入」等は、グリーン経営を推進する代表的な取組といえます。トラック運送事業者は中小規模の企業が大部分を占めており、事業活動を進めるうえでこうしたグリーン経営の考え方は不可欠です。
このマニュアルは、トラック運送事業者のみなさんが自主的・計画的な環境対策をもとに、グリーン経営を進めるための手法を示したものです。
グリーン経営では、取組の方針や体制を整え、自主的な目標と計画の下での取組、結果の点検・評価、見直しというサイクルで進めることが基本になります。このマニュアルはそうした仕組みを前提に、トラック運送事業者の大部分を占める中小事業者でも取り組みやすいよう、環境保全への具体的な取組を簡易なチェックリストで把握・評価し、それをもとにグリーン経営を進めようとするものです。