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10.実施後の感想
 潜水後に聞いた感想を次に示す。
対象者 感想
FK30 [1]Helioxは吸いやすい(軽い)。
[2]Helioxから空気に切り換えた時、すごく重く感じた。
[3]空気からHelioxへの切り換え時はあまり分からなかった。
[4]Helioxは吸った時やや冷たく感じた。
AY33 [1]Helioxは、呼吸が気持ち楽なような気がした。
[2]マスクが顔に合わず、やや漏れがあった。
[3]ホースが気になった。
OH28 [1]Helioxから空気に換えた時、重い感じがした。
[2]空気が生暖かい感じがした。
[3]ホースが気になった。
AN26 [1]Helioxは、呼吸が気持ち楽なような気がした(空気抵抗が少ない)。
[2]マスクが顔に合わず、やや漏れがあった。
[3]ホースが気になった。
[4]空気に比べ呼吸が楽であった。
[5]普通空気で40m潜ると、頭が重いが、Helioxだとそれが無かった(頭がスッキリして窒素酔いの症状が現出しなかった)。
[6]浮上の際、空気に切り換えた時、頭が重くなった。
[7]潜水後の疲労感が少ないように感じた。

11.結果と考察
 新潜水技法のシステム潜水(Heliox)1)とフルフェイスマスクなどの器材を体験することができた。
 潜水作業を安全に遂行するための安全確保は、システム潜水を用いることが不可欠である2)。システム潜水は、図6に示す通り、準備と大規模な装置が必要となり、scuba潜水のような手軽な潜水とはならない。呼吸ガスを空気からHelioxに変える理由は、感想でも述べられる通り、呼吸が軽いことから生体負荷を軽減させ、目的の作業の効率を上昇させられる点である。しかし、特救隊員の日常の活動においては利用することは不可能であると思われるが、深い潜水や長期間を要す潜水においては安全確保の面からも検討を要すと考えられる。
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図6 システム潜水(飽和潜水システム)の装置








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