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まえがき
 この報告書は、当協会が海上危険業務従事者の安全管理のために、日本財団から助成を受けて平成11年度から3ヶ年計画で実施した「海難救助業務能力向上に関する調査研究」事業において、過去3年間に亘る調査研究の報告をとりまとめたものである。
 この調査研究は、転覆船内からの人命救出、悪条件下における水中捜索や沈没船体からの残存油抜取り等、海難救助を中心とする海上危険業務に従事する者の安全管理について総合的に調査研究し、業務の効率的推進及び同業務に従事する者の能力向上を図るためのもので、初年度はその第一段階として、精神面、安全管理面及び科学的トレーニングに関して研究することを目的として、海難救助従事者に対するメンタル及びフィジカル関係の聞き取り調査、栄養調査、蓄積疲労の調査等の実態調査並びに次年度以降の方策の策定が検討され、次年度においては引き続き調査を継続しつつ、初年度の調査結果に基づくメンタルヘルスマネジメント、体力管理法の改善及び新潜水技法の導入に関する研究並びに最終年度の方策の策定が検討された。
 最終年度である今年度は、初年度及び次年度に行った調査及び教育的介入等によるストレスの改善や体力管理法に効果が認められ、海上危険作業従事者の精神面、安全管理面及び体力管理面に関する業務能力向上のための提言がなされた。
 本研究の成果が、海上危険作業従事者のための業務能力の向上に資することはもとより、民間海難救助体制及びストレスマネジメント等の学術的研究にも寄与することを祈念するとともに、本調査研究の実施にあたり、ご協力いただいた関係団体、関係機関及び関係各位に対し、ここに厚く感謝の意を表する次第である。
 平成14年3月
財団法人海上保安協会








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