日本財団 図書館


コンクール優勝者に聞く
 司会・・銅谷 志朗
 
 CSデジタル衛星放送・スカイパーフェクTV!381チャンネルから放送されている日本レジャーチャンネル番組「吟剣詩舞の世界」の新春特別番組「コンクール優勝者に聞く」が正月三ヵ日に放送されました。三人のゲストの今年にかける抱負などを収録しました。
父と共に勝ち取った晴れの栄冠
 平成十三年度全国吟詠コンクール決勝大会
 青年の部優勝 林 綾香さん(東京)
z0010_01.jpg
「これからは少壮吟士を目ざして…」と語る林綾香さん
 
 司会: コンクールには何回ほど挑戦していますか?
 林 「幼年の部から出させていただいていますから、十回以上になります。少年の部では最高が二位で、青年の部は一昨年が入賞で、昨年優勝することができました」
 司会: 昨年の吟詠は、ご自分としていかがでしたか?
 林 「大きなミスがなかったので、自分としてはまあまあだと思いました」
 司会: 日頃、どなたから指導を受けていますか?
 林 「宗家である、父(吟詠煌成会宗家・林煌成氏)から習っています」
 司会: お父様は夏季吟道大学を受講されたそうですね?
 林 「はい。そこで習ったことを私に教えてくれました。例えば、椅子など重い物を持って声を出す練習などです。腹筋に力を入れる練習だと思いますが、普段もその感じで吟じなさいということでしょう」
 司会: その成果が優勝につながりましたね?
 林 「そうだと思います」(笑)
 司会: 優勝の名前が呼ばれたときの気持ちは?
 林 「自然に涙が出てきました。そして、長い間、続けてきたものが形になった喜びが沸いてきました」
 司会: お父様はその時どうでしたか?
 林 「話に行こうかと思ったら、トイレに行ってしまい、いませんでした」(笑)
 司会: もしかしたら、おトイレで涙を流していたのかな?
 林 「そうかもしれません」(笑)
 司会: お父様と一緒に勝ち取った優勝ですね?
 林 「はい、ありがとうございます。家族全員が詩吟をしていますが、詩吟の時間が家族の時間になっていまして、これでさらに絆が深まったと思います」
 司会: 綾香さんの吟の長所は何ですか?
 林 「私は声が大きく、男性的な迫力のある吟をするのですが、父にもそういうところが良いと言われます」
 司会: 最後にお父様に何か一言いってください?
 林 「長い間、熱心に教えていただき、ようやく優勝ができました。ありがとうございます。これからは少壮吟士を目指してがんばります」
自分への挑戦として続けてきた詩舞
 平成十三年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞一般一部優勝 田中直美さん(京都)
z0010_02.jpg
「毎年が新しい挑戦」と語る田中直美さん
 
 司会: コンクールにはどれくらい挑戦していますか?
 田中 「財団のコンクールには第一回から出ています」
 司会: 振り付けはご自分でしているのですか?
 田中 「第一回目は安倍秀風先生に振付けていただきましたが、二回目以降は自分で行なっています」
 司会: 振り付けの難しいところはどこですか?
 田中 「私などのような者は、うわべの意味で振付けてしまいますので、漢詩の表に出てこない意味も、本を読んだりして勉強し、振りに表現したいと思っていますが、なかなかできませんね」(笑)
 司会: 詩舞への考え方が、最初と今では変わりましたか?
 田中 「初めの頃は、自分の振りで舞台に出るのが恥ずかしく感じましたが、最近は私にはこれしかできないと言う、良い意味での開き直りができるようになりました」
 司会: 「越中覧古」で気をつけた点は?
 田中 「四人の人が出てくるので、その舞い分けに苦労しました。最初に悩んだのが扇と衣装の選び方で、四人に共通して使える物はどれか悩みました。今回は、お扇子が決まらないと、一ヶ所振り付けができないところがありましたから」
 司会: それでいい扇がありましたか?
 田中 「はい、ありました。それがあったから、着物も決まり、悩んでいた振り付けも解決しました」(笑)
 司会: 指導者としてお弟子さんたちに伝えたいことは?
 田中 「表現の仕方、詩心を大切に。それには自分がきれいな花を見てきれいだと思い、悲しいものは悲しいと思う感性をもつことが大切だと思います」
 司会: ご自分の舞の特長とは?
 田中 「一番大切にしていることは品格です」
 司会: これまで詩舞を続けてきた一番の理由は?
 田中 「毎年、自分の修養のつもりでコンクールに出させていただきましたが、自分のできない舞を毎年ひとつづつ入れていき、それができたら自分を誉めてやったり、また来年課題を入れ、それに挑戦したり、それが続けて来られた理由ではないでしょうか」
 司会: これからの指導者としての目標は何ですか?
 田中 「これまで私がコンクールに出場できるだけで精一杯でしたので、こんどは、ぜひ次の人を育てたいと思っています」
剣詩舞は私の夢、私の全て
 平成十三年度
 全国剣詩舞コンクール決勝大会
 剣舞青年の部優勝 大岡史帆さん(愛知)
z0011_01.jpg
大岡志帆さん、コンクール演舞の出来は「99.99パーセント」
 
 司会: 優勝した演舞は、誰のご指導ですか?
 大岡 「杉浦英容先生です」
 司会: どんな点を注意されましたか?
 大岡 「気持ちの入れ方や間の取り方などを、よく注意されました。間を間違えると、ぜんぜん違う人物になったり、踊りの意味が通じなくなったりしますから」
 司会: 間の取り方などは、上手くできたのですね?
 大岡 「できたと思いますが・・・」(笑)
 司会: 何パーセントぐらい上手くできたと思いますか?
 大岡 「99.99999%ぐらいですか」(笑)
 司会: 自信があったんですね?
 大岡 「終わった後は、自分なりには自信がありました。演舞終了後、とても気持ちが良かったです」
 司会: 詩の部分で注意したところはどこですか?
 大岡 「苦手なのは初めの出だしの前奏で、走って出て急に止まるのですが、お稽古の時、止まれずに転んだこともありました」(笑)
 司会: 扇を離して、また取るところがありますが、緊張しましたか?
 大岡 「緊張、緊張、緊張で、投げる前が特にそうです。この踊りは三行踊って、四行目の始めに扇子を使いますが、三行踊る間に手が震えてきて、その後に扇子を開きますが、本当に開くのかどうか心配でたまりませんでした。さらに放して取るので、心から緊張しました。取れた時は、やったーと言う感じです」(笑)
 司会: 詩を理解するためにしていることは?
 大岡 「詩文を何回も読み直し、自分でストーリを作り、その話の中に自分の気持ちを入れていきます」
 司会: 大岡さんにとって剣詩舞とは何ですか?
 大岡 「私にとって、夢です。私の全てです」
 司会: 将来はどのような剣詩舞道家を目指しますか?
 大岡 「先生の生徒さんには、小さなお子さんもたくさんいますから、そんな子達と楽しく舞えるよう剣詩舞道家になりたいです」
 司会: 次の目標は何ですか?
 大岡 「二月に群舞コンクールがありますが、剣舞で出場させていただくので、そこでがんばることが当面の目標です」








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION