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メッセージ
 過去数十年間、観光は世界でも最も重要な産業のひとつとして発展を遂げてきました雇用創出面では観光は最大の産業であり、またその提供するサービス内容は旅行、宿泊、食事はもとより、文化や伝統(特に伝統工芸)の維持、さらには生態系の保存まで、極めて広範囲に及んでいます。世界的な生活水準の向上によって海外旅行が身近かなものとなり、また科学技術の発展によって旅がますます容易に楽しめるものとなるにつれ、外国を訪れて異文化に触れようという人々の数は著しい増加をみせています。
 「ツーリズム・サテライト・アカウント:その概念的枠組み」と「2020年へ向けた観光予測(ツーリズム: 2020ビジョン)」の中で世界観光機関(WTO)は、観光産業のもつ経済面での影響度を調査、分析、予測しています。これは同産業の規模、重要度、純寄与度などについて信頼するに足る経済データを提供したもので、各国の政府や観光業界が21世紀において観光産業のさらなる発展を図る上での貴重な判断材料となっています。WTOの目的は、まず、各国の政府・民間観光業界の連携を強化すべく、WTO加盟国の観光振興機関の技量向上を支援することにあります。また各国レベルおよび広域レベルでの観光が経済、社会、文化、環境とどのような係わりをもち、どのような影響を与えているかについての知識の向上にも努めています。
 この意味で、WTOの労作ともいえる貴重な統計データをベースにアジア太平洋観光交流センター(APTEC)が刊行したこの「世界観光統計資料集」は、主要な観光客送り出し国に関する観光統計の重要な情報源となっています。本資料集に盛り込まれた情報は、1996-2000年の期間中、当該国・地域の経済に対して観光産業がどのような影響を及ぼしてきたかを推測する上で特に役立つ関連指標を提供しています。本資料が必ずや、日本およびアジア太平洋地域において観光に携わる官民諸団体のお役に立つものと確信しております。
アントニオ・マシュー
世界観光機関(WTO)観光統計・経済測定局長








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