日本財団 図書館


国連分類調和専門家小委員会
 第2回会合講事概要報告
1. 会期、参加国、議題等
1.1 会期及び開催場所
 会期 : 平成13年12月12日〜14日
 場所 : 国連欧州本部(Palais des Nations、ジュネーブ)
1.2 参加国等
1.2.1 国及び国際機関
(1) 委員国:アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェッコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イラン、アイルランド、イタリー、日本、ニュージーランド、オランダ、ノールウェー、ポーランド、南アフリカ、スウェーデン、英国及び米国(出席:23カ国、欠席:3カ国、カタール、スペイン及びウクライナ)
(2) オブザーバー国:ブルガリア、中国、デンマーク、メキシコ、ポルトガル、スイス及びザンビア
(3) 国連機関及び政府間機関:UNEP、UNITAR、ILO、WHO、CEC及びOECD
(4) 非政府国際機関:CGA、CEFIC、EIGA、FEA、HMAC、AISE、IATA、ICCA、ICMM、ISO、I PPIC、IPIECA、CTIF、SDA及びUIC
1.2.2 わが国からの参加者(敬称略・五十音順)
 遠藤秀雄(経済産業省原子力安全・保安院保安課)
 城内博(産業医学総合研究所)
 西尾明美(経済産業省製造産業局化学物質管理課)
 藤原修三(産業技術総合研究所)
 八十川欣勇(日本海事検定協会)
 *小山清孝(日本化学工業協会:I CCAとして出席)
1.3 議題の採択
1.31 第2回小委員会の予定議題(ST/SG/AC.10/C.4/3)は、修正なく採択された。
 
2. 議長等の選出
2.1 前回会合において今次2年間(2001〜2002年)の議長及び副議長としてMs.K.Headrich(カナダ)及びMs.A.L.Sundquist(フィンランド)が選出されており、それぞれ議長及び副議長に就任した。
 
3. 化学物質の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)
3.1 GHSに関するIOMCからの提案
3.1.1 本小委員会は、IOMC/CG/HCCSがGHSに関して与えられていた課題についての作業が終了したことの報告を受けた。IOMC/CG/HCCSでの作業成果は、今回会合へのGHSの具体的提案文書(01/20〜28:IOMC)として提出された。
3.1.2 IOMCの提案(01/20〜28)に関する概略説明が、次のように夫々のフォーカルポイントの代表によって行われた。
 ・ GHSに案する概略説明:米国
 ・ 物理化学的危険性:ドイツ
 ・ 健康及び環境有害性(物質):フィンランド
 ・ 健康及び環境有害性(混合物):アイルランド
3.1.3 有害表示の形象に関して米国は、同国で行われているGHSの有害表示に用いられている菱形形象の使用に関する人的要素の研究成果を報告した。この研究内容はSCEGHS第20回会合にも報告された内容である。これは危険物の輸送においてGHSの菱形形象と危険物輸送の菱形形象との類似性に伴う、取り扱い、緊急時措置等に混乱が起こる恐れがあることについての人的要素の観点からの研究報告であり、具体的提案ではない。
 
4. GHSに対する意見
4.1 表象図形に関するISOの活動(01/30、01/30/Ad.1〜Ad.3:IS0)
4.1.1 ISOは表象図形に関するISO/TC145の活動について報告した。TC145は様々な分野における表象図形に関する基準の策定を検討している。TC145が策定した表象図形はすでに世界的に採用されており、GHSが同内容の異なる表象図形を用いることとなれば混乱が生じるので、ISOはSCEGHSに協力したいし、ISOでの検討にSCEGHSの意向を反映したいとの意見表明を行った。
4.1.2 このISO意見に対しては、ISOとの協力関係は必要であるが、ISOはGHSの観点からその基準を見直す必要のあることも指摘された。
 
4.2 慢性毒性に対する形象の改正(INF.5:スウェーデン)
4.2.1 スウェーデンは、IOMCが提案している二重感嘆符(“!!”)では死に至るような重大な危険性を表す継承としては不適当であるとして、同国で作成した3種類の形象を提案(INF.5)した。この提案は20SCETDGにも情報として提供されてた。
4.2.2 この提案に対し、チェッコ、フランス、南ア、ノールウェイ等が賛意を示したものの、米国、英国、オーストラリア等は二重感嘆符(“!!”)策定経緯を考慮すべきであるとしてこれを支持しなかった。
4.2.3 本件については、スウェーデンがその提案を次回会合の正式文書として提出し、次回会合において引き続き検討することとなった。
 
4.3 その他の意見
4.3.1 物理化学的危険性に関するGHS案についての若干の問題提起(INF.8:EIGA)については、EIGAが次回具体的詳細な提案を行うことを申し出た。
 急性毒性の単位に関する修正提案及び吸入毒性に関する表現に関する修正は承認されたされ、腐食性ガスの分類基準に策定についてはOECDにおいて先に検討されるべきことが同意された(INF.7)。
4.3.2 GHS案に対する編集上の修正その他詳細な修正に関する提案(INF.17:ベルギー、オーストリア、フィンランド、ノールウェイ、スウェーデン及び英国)は、Corresponding Group(コレポン部会)いおいて検討し、次回会合に正式文書として提案されることとなった。
4.3.3 GHS案に対するその他の検討概要は次のとおりである。
(1) GHS文書は、ISO基準に基づく項番号付けとする。
(2) Annex1(定義、略号)は、第1.2章として第1部に移す。
(3) Annex11(エアゾールの試験)は、UN試験マニュアルに含まれ、それが参照できるようになった時点で削除する。
(4) Annex12(将来作業範囲)は削除でき、必要な場合には第1回委員会報告書のAnnexとすることができる。
(5) GHS文書の整理にっいて今後検討すべき事項のあることが指摘された。
 
5. 未解決事項
5.1 0ECDは、吸入有害性に関するAd hoc専門家会合及び化学物質の分類等に関する第11回タスクフォース会合が2002年1月にパリで開催されること、及びこのタスクフォースでは感作性に関する問題点及び変更/解散議定書の批准について検討されることを報告した。
5.2 SCETDG議長(イタリー)は、20SCETDGがGHS第3.1章に基づく水質汚濁物質の分類に関する規定をUN危険物輸送のモデル規則の新第2.9章としての追加の承認を報告した。
 
6. GHSの実施
6.1 ニュージーランドは、同国におけるGHSの採択と実施に関して提案(01/19)に基づいて同国の関係法令を説明した。
6.2 GHSの実施に関する討議の概要は次のとおりである。
(1) CECは、GHSに関する作業部会を設けて実施やその影響について検討していることを報告した。
(2) ブラジルは、GHSに関するセミナーの開催等自国におけるGHSの啓蒙のための活動を報告した。オーストラリアからも同様の啓蒙活動を進めるつもりであることが報告された。
(3) 米国は、同国の一部にはGHSを強制力のある国際条約等にすべきであるとの意見もあったが、当初決定されていたとおり国際勧告としての実施方法についての議論が開始されたことを報告した。
 
7. 管理能カ強化プログラム
7.1 UNITARは、GHSの国家レベルでの管理能力強化(Capacity Building)のための経済的又は専門家による支援計画の実施について、ザンビアにおけるプロジェクトの開始及びセネガルやスリランカでの実施が予定されていることを報告した。
7.2 ザンビアは、UNITARの支援計画に謝意を表明し、同国でのGHSに関する行政機関による会合が行われたことを報告した。
 
8. その他の事項
8.1 本小委員会は、FIPCM(Federation Industrial Paints & Coats of MERCOSUL)のオブザーバーとしての参加提案を承認した。
 
9. 次回会合
 次回(第3回)会合は、2002年7月10〜12日に開催される。
 次回会合への文書提案期日は、2002年4月12日である。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION