「尼崎21世紀の森構想」の概要
地球規模の環境問題がクローズアップされるなか、「環境の世紀」といわれる21世紀を持続可能な社会として維持・発展させていくためには、自然と人の営みの豊かな共生を図っていかなければならない。
こうした理念のもと、昨年、「人と自然のコミュニケーション」をテーマに開催された淡路花博は、大規模な土取跡地に緑をよみがえらせた「自然景観の回復」というコンセプトが多くの人々の共感を得たところである。
一方、兵庫県では、これまで淡路島を含む瀬戸内海地域の環境保全を図るため、「瀬戸内海環境保全知事・市長会議」を発足させ、沿岸府県市と協調した取り組みを進めるとともに、「世界閉鎖性海域環境保全会議(エメックス会議)」を開催するなど、閉鎖性海域の環境保全の分野で先導的な取り組みを続けてきた。
このような本県の瀬戸内海の環境回復に向けた取り組みと花博のコンセプトをさらに発展させ、瀬戸内臨海工業地帯のうち、重厚長大産業の衰退に伴い、低・未利用地化の進んでいる尼崎臨海地域において、人々の憩える「21世紀の森」をつくる新たな取り組みに挑戦していく。
1 尼崎臨海地域の現状
尼崎臨海地域は、阪神工業地帯の中心として発展してきたが、水質や大気汚染等環境面での課題を抱えるとともに、近年の産業構造の変化等により多くの遊休地が発生するなど、地域の活力が低下してきており、土地利用の転換など再生への取り組みが急がれている。
こうしたことから、尼崎臨海地域を魅力と活力あるまちに再生するためには、陸域での環境の負荷を少なくするとともに、緑豊かな自然環境の創出による環境共生型のまちづくりを推進していく必要がある。
一つの役割を終えた工業跡地等の遊休地を新たに「森」として、元の緑豊かな環境に回復・創造し、ゆとりとうるおいに満ちた快適な生活空間を創出するとともに、環境調和型産業の集積を図る中で、「環境の世紀」を切り開く先導的なまちづくりのモデルを兵庫から世界に向け発信していく。
2 「尼崎21世紀の森構想」のめざすもの
(1)自然環境の回復・創造
・多様な生態系を育む森づくりと水辺環境の回復・創造
・水と緑の回廊づくり
・自然の浄化システムを活用した省エネルギー・省資源・循環型のまちづくり
(2)美しい景観の創出
・瀬戸内海の風景の回復
・水と緑の水際景観の創出
・まちと一体化した森の展開
(3)魅力と活力ある都市の再生
・森と水を基調とした21世紀の新たな都市基盤
・多様な機能を導入した人間サイズのまちづくり
・環境調和型産業の導入・育成
・環境にやさしい交通システムの導入
・地域の環境保全の推進
(4)豊かな人間性を育むまちづくり
・自然や人とのふれあい豊かなまちづくり
・いきいきと暮らせる生活文化交流のまちづくり
・参加交流型のまちづくり
・森づくり
3 森のイメージ
(1)森のエリア
・国道43号以南、約1,000haの地域を長期的な目標として、緑豊かな自然環境の創出による環境共生型のまちづくりを推進する。
・第1段階として、臨海西部拠点開発地区及びその周辺地区の低・未利用地を活用し、緑豊かな「森」の創出に取り組む。
(2)森の構成
| 環境保全の森 |
地域の環境保全機能を高める森 |
| 都市の森 |
もちと一体的に結びついて、自然との触れあいや人々の交流・活動の場を提供するとともに、良好な都市環境や景観を創出するための森 |
| 環境創造の森 |
瀬戸内海の多島風景を創出するとともに、多様な自然生態系の保全・育成を図る森 |
(3)イメージ図
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図3-9 整備のイメージ