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ごあいさつ
〜薬師山病院は病める人の家である〜

 この度、日本財団のご支援を得て薬師山の地に、新ホスピス棟の完成を迎える事が出来ました事、職員一同望外の喜びと感じております。
 又、療養型病棟の改修も終り、同時にスタートさせて頂く事、重ねて関係各位に御礼申し上げます。ホスピスの志を同じくするものが集まって病院を始め、試行錯誤を繰り返しながら3年半が経過致しました。
 全人的ケアを謳い、身体と心のケア、充分な疼痛緩和、症状コントロールをはかりながら、その人らしい生を全うする場として、薬師山病院はこの3年半の間、ささやかな貢献が出来たと確信しております。
 その反面、経営では独立型ホスピスの限界を感じ、大変厳しい状況が続いておりますが、患者様、御家族、ボランティアを始め、幅広い方々からの御厚情、御寄付に支えられ公益法人財団としてつつがなく運営出来て参りました事は、神仏の御心によるものと感謝しております。
 
 新ホスピス棟は、患者様がより時間を充実して送れる様々な工夫が施されています。
 日本財団ホールを中心とした広いスペース、祈りの間、カウンセリング室、又、療養型と共用するリハビリ室等、快適にターミナルケアを受けられる設備をより充実させました。
 又、職員研修、ケーススタディを徹底して行なう教育面の配慮を重点的に行ない、ホスピスを志す次代の方にも利用していただける場を設けました。
 庭園は北山氏の設計の下、四季折々の花々を観賞でき、患者さんが車イスで散歩出来る様になっています。
 薬師山病院はこの3年半の間に、ボランティアが組織化され、又、当院で看取りをさせていただいた御家族の会が結成され、様々な面から支えていただける組織が整って参りました。
 ご支援頂きました日本財団の期待に答えられますよう職員一同初心に立ち返り、薬師山病院が日本一のターミナルケアを提供できる施設となる様、努めていく所存でございます。
 最後に妹尾設計建築事務所、大林組、宮崎木材工業を始め工事関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。
 
平成14年3月29日
財団法人薬師山病院理事長
田辺 親男








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