(2) 機関信頼性管理の検討
検討したPDCAサイクルは機関の信頼性向上を目的としている。そのため、機関の信頼性を表す評価指標を策定する必要がある。
評価指標として、
[1] 故障件数・遅延時間
[2] 運用アベイラビリティ
[3] MTBF
[4] 故障リスク
[5] FMEA
を検討した。
図3.14、図3.15に開発した機関管理システムの画面例を示す。
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図3.14 主機関性能表示
〈目的〉
データロガーから取り込んだオンライン計測データを基に、Performance Curve上に表示された主機性能に関するデータを参照することにより、主機の運転状態を監視する。また、主機シリンダ出口排ガス温度グラフの参照及びPower Reportの作成を行う。
〈使用方法〉
表示したいデータの期間及びインターバルを選択することにより、該当データが表示される。
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図3.15 運転点表示
〈目的〉
データロガーから取り込んだオンライン計測データを基に、Propeller Curve上に表示された主機運転点に関するデータを参照することにより、主機の運転状態及びトルクリッチ状態を監視する。
〈使用方法〉
表示したいデータの期間及びインターバルを選択することにより、該当データが表示される。
(4) 実船データの計測
現在の機関管理の問題点として、有効な実績データの蓄積が無いことを指摘した。これを受け、特に燃焼状態を把握するために有効であると思われる、[1]ライナー温度、[2]筒内燃焼圧を計測するセンサー、ロガーを実船に搭載し、データの蓄積を図った。図3.16に筒内燃焼圧の計測結果を機関管理システムにて表示した例を示す。このようなデータの計測、蓄積により客観的に燃焼室回りの状態を把握することが可能となる。
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図3.16 主機燃焼状態診断(筒内圧)
〈目的〉
燃焼監視装置から取り込んだ燃焼圧データから得られた筒内圧、熱発生率データ等を用いて燃焼状態グラフとして参照することにより、燃焼状態の異常を診断する。
〈使用方法〉
表示したいデータ項目及びシリンダNOを任意に選択することにより、該当データが燃焼状態グラフ上に表示される。
(5) 燃料油管理機能の検討
燃料の性状(品質)は機関運転、機関保全に影響する。燃料油に関する情報を管理し、機関管理システムにて利用できる必要がある。
ここでは、体系的な燃料油管理方法について検討した。