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III バリアフリーフロンティアクルーズ
 
III-i 目的
III-ii 事業の内容
 
 
1 目的
 より使い易い障害者用ヨットを目指し、広く障害者の意見を聞きその声を2号艇に反映させることを目的とする。
 
 
2 事業の内容
 第1号艇を千葉、神奈川、東海、近畿、徳島、長崎に運び、障害者の体験見学会や現地障害者と共にヨットレースに参加し、広く意見を聴取した。またパネル等を使用した1号艇の開発状況の説明や障害者の小型船舶免許取得の現状など障害者や介助者、一般の方々に講演会を実施し、海のバリアフリーへの理解を深めていただいた。
意見聴取にあたり障害者で第1号艇で帆走体験した方を帆走乗船、係留中の第1号艇でスライドシート、ウインチ、エレベーター等の機器類を体験見学した方を操作体験見学として人数の区分表示をした。
バリアフリーフロンティアクルーズで聴取した意見は、第1号艇の艤装品改造開発で2号艇建造での変更指示図及び変更指示書に反映された。
 
実施内容
主催: 特定非営利活動法人ヨットエイドジャパン
共催: 社団法人日本中小型造船工業会
後援: 国土交通省、厚生労働省、財団法人日本障害者スポーツ協会・日本パラリンピック委員会。
    2001年ボランティア国際年参加事業
特別協賛: 日本財団
 
5月20日  千葉身体障害者ヨット体験会
   開催場所: 千葉県 稲毛ヨットハーバー
   意見聴取: 午前2回、午後1回、各40分程度帆走。
   参加障害者: 総数約18名(脊椎損、体感障害、切断、麻痺、視覚、筋ジス)
           有明帆走乗船6名
           操作体験見学約12名
   
6月 3日  神奈川身体障害者ヨット体験会
   開催場所: 神奈川県 横浜ベイサイドマリーナ
   意見聴取: 午前1回、午後1回、各1時間の帆走
   参加障害者: 12名(脊椎損、体感障害、切断、麻痺)
           有明帆走乗船4名
           操作体験見学8名
   
7月21日  東海マスコミ、関係者御披露目
   開催場所: 愛知県蒲郡港
   意見聴取: 午後より
   参加障害者: 4名(小児麻痺、麻痺、脊椎損傷)
           有明帆走乗船2名
           操作体験見学2名
22日  ひと・人・ヒトヨットレース参加
   開催場所: 愛知県蒲郡港
   意見聴取: レース参加及びレース後
   参加障害者 26名(小児麻痺、麻痺、脊椎損傷、視覚、切断、体感障害ほか)
          有明帆走乗船2名
          操作体験見学約24名
   
8月 5日  近畿身体障害者ヨット体験会
   開催場所:兵庫県新西宮ヨットハーバー
   意見聴取:午前1回、午後2回
   参加障害者 12名(麻痺、脊椎損傷、視覚、切断、体感障害ほか)
          有明帆走乗船6名
          操作体験見学約6名
   
8月13日  徳島身体障害者体験会
   開催場所: 徳島県徳島港
   意見聴取: 午前2回、午後1回
   参加障害者 8名(麻痺、脊椎損傷、切断)
14日  阿波踊りヨットレース
   開催場所: 徳島県徳島港
   意見聴取: 阿波踊りヨットレース参加
   参加障害者: シドニーパラリンピック選手
   
8月19日  西宮セーリングデイ2001体験・講演会
   開催場所: 兵庫県新西宮ヨットハーバー及び会議室
   講演会: 午前中1時間30分「有明」とパラリンピック
   意見聴取: 午前1回、午後2回
   参加障害者 12名(麻痺、脊椎損傷、切断、視覚、小児麻痺、機能障害)
          有明帆走乗船6名
          操作体験見学約6名
20日  西宮セーリングデイ2001体験会
   開催場所: 兵庫県新西宮ヨットハーバー
   意見聴取: 午前1回、午後1回
   参加障害者 11名(麻痺、脊椎損傷、切断、機能障害)
          有明帆走乗船6名
          操作体験見学約5名
   
8月25日  長崎身体障害者体験会
   開催場所: 長崎県ハウステンボスマリーナ
   意見聴取: 午前1回、午後1回
          参加障害者:4名(脊椎損傷、機能障害ほか)
          有明帆走乗船6名
26日  ハウステンボスヨットレース
   開催場所: 長崎県ハウステンボスマリーナ
   意見聴取: ハウステンボスヨットレース参加
   参加障害者: シドニーパラリンピック選手
   
10月27日  チャレンジカップヨットレース
   開催場所: 東京都東京湾マリーナ
   意見聴取: チャレンジカップヨットレース参加
   参加障害者: 競技強化選手6名
   
10月28日  フリーダムカップヨットレース参加
   開催場所: 東京都夢の島マリーナ
   意見聴取: フリーダムカップヨットレース参加
   参加障害者 16名(脊椎損傷、切断、小児麻痺、機能障害、筋ジスほか)
          有明帆走乗船2名
          操作体験見学約6名
 
多く指摘された問題点
・ 椅子の足部分の幅不足(クルー、スキッパー共)
・ 後ろのウインチ位置が移動のじゃま
・ 油圧ハンドルの操作性
・ ロッカーの小ささ少なさ
・ 椅子レール及びブロック等を下げ平端に
・ スライドハッチを前後方向に大きく
・ クルー椅子の座面を低く
・ レールの可動範囲が狭い
・ エレベーターのハンドル位置、ポンプ回数を少なく軽く
・ エレベーターをデッキでコントロールを
・ 椅子にベルトを固定すべき
・ ゲートスタンションの位置が介助しにくい
・ シート類をデッキの下に通す
・ メインセールがバックステーに引っかかる
・ 波をしゃくりデッキとコクピットがびしょびしょになる
 
話題となり希望が多いもの
 電動化(エレベーター、椅子、ウインチ、アンカーほか)
 
要望のあったもの
・ 車椅子ごとヨットに乗れないか
・ 盲人用コンパス
・ 高齢者用に椅子をとる
・ 海外レース参加
・ 係留装置の開発
 
 
意見聴取結果
 バリアフリーフロンティアクルーズで寄せられた多くの障害者からの意見は、選択され第2号艇の改造指示に反映された。また今後取り組むべき貴重な意見をいただき、さらなる開発事項も出てきた。
 各地での障害者の関心も高く、同時に開催した第1号艇「有明」開発の講演会にも多数参加を得た。体験会や講演会そしてレース参加で多くのマスコミの取材を受け、第1号艇「有明」の体感を通じて、海のバリアフリーが進んだことを広く知ってもらうことができた。
 
 
マスコミ露出 テレビは、東海でのマスコミ披露、徳島、新西宮セーリングデイ、長崎ハウステンボスで取材を受けたが行事中の放送及び出先のことでビデオ録画ができなかった。録画したもの6/3神奈川体験会NHK。6/22読売社会保障ニュース衛星放送。スーパーニュース東海TV。8月マイビディオNHK。
  ラジオは、7/20首都圏ネットNHK。
  新聞についても時間的制約で取材を受けたが掲載紙を入手できなかった。
  入手できたもの: 8/12徳島新聞。8/14徳島新聞。8/15日徳島新聞、読売新聞、朝日新聞。8/19産経新聞。








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