日本財団図書館（電子図書館）　雇用流動化への対応に関する調査報告書（添付資料）

添付資料1　作業要件書(試案)　:　鋼板手切り職

(注)

「詳細な知識」:当該知識を完全に理解していて、応用がきき、他人を指導できるレベル。

「十分な知識」:単独で作業を行うに際して、十分な知識を有しているレベル。

「常識的な知識」:作業を行うに際して、造船従事者として常識的な知識を有しているレベル。

No.	必要知識				No.	必要技能
	項目	1級	2級	3級		項目	1級	2級	3 級
1	鉄工作業法一般　次に揚げる事項について所定の知識を有すること				1	ガス切断作業関係
	(1)主な船種の船体構造の特徴について所定の知識を有すること	常識的知識	常識的知識			(1)工作図/船殻構造図、あるいは鋼板に罫書かれた文字・記号を見て次の切断作業ができること
	・バラ積み船					・上位技術者の指示によりガス/プラズマ切断作業の段取りができること	〇	〇	〇
	・油送船
	・化学製品油送船					・ガス/プラズマ切断作業ができること	〇	〇	〇
	・コンテナ船					・ガス切断作業ができること	〇	〇	〇
	・フェリー					・プラズマ作業ができること	〇	〇
	・RORO船					・開先切断作業ができること	〇	〇
	(2)工作図、ネスティング図、一品図、部材リスト等造船で使用される図面の内容について所定の知識を有すること	常識的知識	常識的知識			・小物部材の罫書き作業ができること	〇	〇	〇
						・切断部材の精度(寸法および切断面）のチェックができること	〇
	・図面に記載されている線の種類、寸法、溶接記号、工作記号について十分理解できること
						(2)ガス/プラズマ切断作業の計画、他作業との調整、適切な配員ができること。また、作業良否の判定が的確にできること。	〇
	(3)造船現図についての所定の知識	常識的知識	常識的知識
					2	床上操作式クレーンが操作でき、ガス切断作業に関係する玉掛作業ができること
	・部材一品図作成手順
						(1)床上操作式クレーンが操作でき、ガス切断作業に関係する玉掛作業ができること	〇	〇	〇
	(4)切断についての所定の知識　・ガス切断の原理	詳細な知識	十分な知識	常識的知識

	・ガス切断に使用する工器具
	・ガス切断作業法
	・プラズマ切断、レーザー切断の原理
	(5)溶接についての所定の知識・溶接方法の種類、用途及び特徴	常識的な知識	常識的な知識
	・溶接継手の種類および特徴
	・溶接作業に使用する工器具の種類および使用方法
	・開先の種類および形状
	・溶接作業の方法
	・溶接欠陥の種類および防止方法
	・歪みの防止方法
No.	必要知識				No.	必要技能
	項　目	1級	2級	3級		項　目	1級	2級	3 級
1	(6)金属材料の種類,及び用途についての所定の知識　・軟鋼(構造用鋼材)	常識的知識
	・ステンレス鋼
	・アルミニウムおよび合金
	(7)防錆処理についての所定の知識　・ブラスト処理	常識的知識
	・鋼材に使用される塗料の種類と塗装方法
	(8)精度維持方法についての所定の知識　・変形及び歪みの防止方法	常識的知識
	・寸法測定方法と測定工器具の使用方法
	(9)品質管理についての所定の知識　・特性用要因図	常識的知識
	・標準偏差
	・平均値
	・抜き取り検査
	・管理図
	・パレート図
2	ガス切断工作法	詳細な知識	十分な知識	常識的知識
	(1)ガス切断に使われる機械設備、工器具についての所定の知識
	・半自動式切断器(IK）
	・手動切断器（ウィゼルまたはプラズマ切断機）
	(2)ガス切断工作に使用される治工具の使用方法
	(3)切断ガスの種類と特徴についての知識
	(4)切断品質に関する規格、船級協会規則
3	玉掛作業に関する所定の知識を有すること	十分な知識	常識的知識	常識的知識
	・部材、組立品の重量、重心が正しく推測できること

No.	必要知識				No.	必要技能
	項目	1級	2級	3級		項目	1級	2級	3級
4	安全衛生に関する知識ガス切断作業に伴う安全衛星について、次に掲げる事項について所定の知識を有すること	詳細な知識	詳細な知識	常識的知識
	・使用する機械、治工具,原材料等の危険性およびこれらの取扱い方法
	・安全装置,保護具の性能および取扱方法
	・作業手順
	・作業開始前の点検
	・整理・整頓などの5Sの保持方法
	・事故時における応急措置方法
	・その他,労働安全衛生関係法令のうち,造船業に必要な部分に関する知識