日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 自然科学 > 地球科学.地学.地質学 > 成果物情報

第25回 アジア太平洋造船専門家会議(議事概要、各国提出資料)

 事業名 造船専門家会議の開催
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5
オーストラリア造船業
 オーストラリア造船業は革新的な、輸出指向の産業である。その成功は、革新的な設計と建造工程の開発、高水準の品質と価格競争力によるものである。
 オーストラリアの造船企業はアルミ船体の高速フェリーの建造に特に強味を発揮しているが、特に双胴船を得意とし、建造船型は250人乗り全長30mから900人乗り、乗用車250台積み90m超の大型に至るまで多岐にわたり、バス・トラック積載可能の船型もある。オーストラリア造船業は一般商船部門でも、豪華機動ヨット、漁船など、ニッチ市場で国際競争力を発揮している。
 オーストラリアは高速フェリーの建造、輸出で世界一の地位を占めている。これらの船舶は軽量、高速かつ所要出力が比較的小さいため、既存世代の鋼船やホーバクラフトに比べて運航経済性が高い。オーストラリアの高速フェリー部門は輸出比率が90%にも及び、世界市場におけるシェアは隻数べースで30%前後に達する。高速フェリーの主要建造所は西オーストラリア州ヘンダーソンのAustal Ltd.とタスマニア島ホバートのIncatの両社である。
表1: 造船業の実績を示す主要な統計数値*(1998-99年船価換算)
  1997-98年 1998-99年 1999-00年 2000-1年
売上高(百万ドル) 1,664 1,533 不明 不明
業界総生産高(百万ドル) 551 不明 不明 不明
従業員数 7,778 7,015 不明 不明
輸出額(百万ドル) 797 486 908 352
輸入額(百万ドル) 285 224 945 260
出所:ABC Special Data Service
商船・艦艇建造の合計
 オーストラリア国内における艦艇建造能力は、哨戒艇からフリゲート艦、大型潜水艦に至るまで、かなりの規模に達している。国防軍からの受注は、オーストラリア国内の造船工事量全体に対してかなりの比率を占めている。
 国際水準を誇るオーストラリアの設備と技術は、艦艇設計、プロジェクト管理、重機械製造、システム統合等の電子情報技術などの分野で、競争力の高い船舶・海洋機器部門における付加価値創出に寄与している。
 政府の造船政策の目標は、国内の競争環境を整備して、造船業の成長を促進することにある。
 業界の意見聴取等に基づいた、1998年実施の第三者機関による見直しの結果を見て、政府は建造助成率を3%に引き下げた上で、適用期限を1999年7月31日から2000年12月31日まで延長する決定を下したが、この後2003年までの3年間で助成制度は段階的に解消されることになる。この措置は、EUが3年間の段階的解消期間を伴って、2000年末までに造船助成を段階的に廃止する方針を決定したことを反映している。
 この見直しにより、造船業革新計画(SIS)を導入して、造船業における技術革新促進に強力な支援を与えることも決定された。SIS5ヵ年計画は1999年7月から実施された。その目的は業界における研究開発と設計革新を一層重点的に奨励することで、これに伴ない、対象となる研究開発案件には費用の50%を上限とする助成が行われることになった。
 船舶の設計・建造における技術革新は、オーストラリア造船業が現在国際市場において享受している競走上の優位を維持するための必須要件である。
 オーストラリアの造船労働力は熟練度が高い。国内造船所の人件費は、中国や韓国より高いものの、ドイツ、日本、米国の造船所に比べれば低い。
 資本面でも、また造船事業者が客先に魅力的な支払条件を提示できるという点でも、金融面での競争力は輸出増進にとって決定的な要素である。オーストラリア輸出金融保険委員会(EFIC)は、OECD船舶輸出信用了解に合致する条件で、造船部門向けに直接貸付制度を設けている。EFICは造船業界の要請に応えるため、さらに補足的な金融措置も検討している。
 今後10年間に国際商船市場が拡大を続けるという見通しに立って、オーストラリア造船業は高速フェリー、巡視艇、漁船、その他の小型船舶等の分野において、短期的にも長期的にも高い力量を保有しているが、これを存分に発揮して、今後とも船舶を供給する機会を追求して行く。
 この地域全般において、オーストラリアで建造される艦艇の種目に対する関心が高い。また、高速輸送市場の拡大とともに、オーストラリア造船企業は世界の高速フェリー市場におけるシェアを伸ばして行く。
 高速貨物船の未来を決定する主要因の一つは、在来型海運と航空貨物輸送との間のニッチ市場を開拓することである。高付加価値品目のメーカーのニーズ、あるいは新鮮な農産物を求める消費者のニーズに対応する高速貨物輸送において、高速船が果たすべき役割が見出されるはずである。
 この種の船舶の船型と荷役設備に変更を加える、重量車両運搬用など、特化した貨物船を開発する、安全性の高い航路では運航手順を簡素化する、船速を高めるなど、多様な改善の余地が考えられる。オーストラリアの設計技術者は、この種の技術開発において先頭を走っている。
 オーストラリア造船業は、その競争力からして輸出能力が高い。現在では、ニッチ市場、特に軽量船市場に大きなシェアを確立している。オーストラリア造船業はまた、運航者の要請に適った優秀な設計、建造船舶の質と競争力により高く評価されている。旅客・車両、さらには一般貨物を輸送する高速船の受注が伸びていることからして、業界の前途は明るい。
 今後数年間の貨物輸送需要は、高速船技術の活用と一層の発展を要求するものであり、この面ではオーストラリアの存在はさらに重要となる。輸出面では、豪華機動ヨットの他に、巡視艇、哨戒艇の需要も伸びが見込まれる。
 ニッチ市場における競争力を維持するために、業界が対応すべき主要な課題として、以下の事項が挙げられる:
・建造船舶の設計と質のさらなる向上
・競争がさらにきびしさを増す国際環境における海上輸送需要の流れに乗るため、建造船種の一層の多様化
・船艇建造および修繕船部門について、一層効果的な対政府関係の展開
・資機材供給元との関係強化、およびその関係から生じる価値の増進
・競争力強化のため研究機関からの技術移転の促進、および公的研究開発機関の民間利用度低迷の克服








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



関連する他の成果物

1.修繕船管理システム取扱い説明書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から