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その競艇の財源をもとに、私どもは社会福祉、文化芸術、教育、スポーツ、海洋船舶、ボランティア活動など、広範囲多岐にわたる支援、あるいは自ら実施いたしておりますが、その中に、私ども昭和37年に設立以来、一貫して重点項目として取り上げている中に、ハンセン病に関する支援がございます。国内的には全国13カ所に、半ば強制的に隔離収容を余儀なくされた患者の皆様をご支援させていただいておりますとともに、国際的には笹川保健協力財団を通じ、WHO、世界保健機構と協力いたしまして、新たに発生した患者を探し出しまして、治療薬を投与する活動を地道に行ってまいりました。ここ長年の世界じゅうのハンセン病の治療薬はほとんど日本財団の資金によるものでございますといっても過言ではありません。WHOでは、病気について、人口1万人に1人以下という罹患率を制圧達成とする基準がございます。16年前、1985年、122カ国550万人以上であった患者の数も、現在未達成国わずかに6カ国、100万人以下の患者数になりました。そうしたことから、WHOでは、2005年にハンセン病の完全制圧達成宣言を出すことを目標といたしまして、本年5月16日、私ども日本財団の理事長笹川陽平を、ハンセン病制圧特別大使に任命いたしましたので、この機会にご報告させていただきます。

私どもは、限られた財源をもとに、民間公益使節団として、人類の幸福、福祉、世界の平和にお役に立つべく、今後も活動してまいります。ご理解ご支援ご協力のほどをお願い申し上げます。

最後に、本日ご参加の皆様が、このセミナーによりまして有意義な時間を持てますことを期待いたしましてごあいさつといたします。どうもありがとうございました。

 

司会:日本財団常務理事、森田文憲よりごあいさつ申し上げました。

 

 

 

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