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2000年(平成12年)

平成11年那審第4号
    件名
プレジャーボート平盛丸乗組員死亡事件

    事件区分
死傷事件
    言渡年月日
平成12年3月23日

    審判庁区分
地方海難審判庁
門司地方海難審判庁那覇支部

金城隆支、清重隆彦、花原敏朗
    理事官
道前洋志

    受審人
A 職名:平盛丸同乗者
    指定海難関係人

    損害
船長が溺死

    原因
不可抗力(乗組員の海中転落)

    主文
本件乗組員死亡は、乗組員が海中に転落したことによって発生したものである。
    理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成10年11月24日13時50分
沖縄県金武中城港中城湾
2 船舶の要目
船種船名 プレジャーボート平盛丸
総トン数 1.36トン
全長 7.06メートル
機関の種類 電気点火機関
出力 29キロワット
3 事実の経過
平盛丸は、船尾から約1.8メートルのところに操縦台が設けられ、ハンドレールの設備のないFRP製プレジャーボートで、B所有者が船長として1人で乗り組み、同人の友人A指定海難関係人を乗せ、魚釣りの目的で、船首0.1メートル船尾0.5メートルの喫水をもって、平成10年11月24日09時15分沖縄県西原町を発した。
B船長は、与那原湾において、09時30分ごろからA指定海難関係人にトローリングを行わせ、自らは操舵操船に当たっていたが、釣果がないので釣りを止め、12時ごろ久高島に上陸し、久高漁港の待合室でA指定海難関係人とともにテレビを見ながら飲食した。

B船長は、13時30分久高漁港を発して帰途に就き、同時35分久高島灯台から340度(真方位、以下同じ。)600メートルの地点で、針路を314度に定め、機関を8.0ノットの対地速力にかけ、救命胴衣を着用しないまま自ら操舵に当たり、高さ約3メートルの波浪を右舷船尾45度から受けて進行した。
A指定海難関係人は、横揺れが大きいうえ右舷側からのしぶきがかかるので、操縦台の左舷側で船べりをつかまえて座っていたところ、13時47分B船長から操舵を替わってくれと言われて操舵についた。
13時50分A指定海難関係人は、久高島灯台から318度2.3海里の地点において、船尾方に行ったB船長が何をしているのかと思い、後ろを振り返ったところ、同船長が見当たらず海中に転落したことに気付いた。
当時、天候は曇で風力5の東風が吹き、波高は約3メートルであった。

A指定海難関係人は、旋回して捜索したが発見できず、帰港して漁業協同組合などに通報した。一方、B船長(昭和38年3月29日生、四級小型船舶操縦士免状受有)は捜索に当たった漁船に溺死体で収容された。

(原因)
本件乗組員死亡は、波浪が高く横揺れの大きい状況下、金武中城港中城湾において、久高島から西原町に向けて航行中、乗組員1人が海中に転落しておぼれたことによって発生したものである。


(指定海難関係人の所為)
A指定海難関係人の所為は、本件発生の原因とならない。


よって主文のとおり裁決する。






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