第3章 液状化物質判別法に関する調査研究
3.1 経緯
弊会は、平成6~8年度に「貨物の液状化特性に関する研究」を実施し、固体ばら積み貨物が「航海中に液状化する恐れのある貨物」か否かを判定する「液状化物質判別法」を開発した。そして、IMO・DSC小委員会第2回会合(DSC2)において「液状化物質判別法」は日本提案として提出され、液状化物質判別法についての有効性を検討するためのCorrespondence Group(以下「C.G.」。C.G. Coordinator太田主査)がDSC4の後に設置された。その後、DSC5(平成12年2月)からDSC6(平成13年2月)にかけて、国際共同研究が行われ、我が国においては弊会IMO・DSC特殊貨物部会の下に作業部会を設置し、その審議の下、船舶艤装品研究所が試験を実施した。以下に、概要を述べる。
3.2 試験の概要
試験の項目は以下の通り。
(1) 試料の基本物性値計測
液状化物質判別試験に先立ち、固体密度計測を行うとともに、液状化の判定の基礎となる粒径分布計測を計測した。
(2) 液状化物質判別試験
液状化物質判別法試験を実施し、試料の排水後の飽和度・水分値等を記録した。
(3) 流動水分値計測
貫入法およびIMOフローテーブル法により流動水分値を計測し、運送許容水分値を求めた。
(4) プロクター/ファガベリ試験
プロクター/ファガベリ試験を実施し、運送許容水分値を決定するとともに、試料の充填曲線を求めた。
(5) 透水性計測
試料の充填曲線を参照して締め固め方法を決定し、代表的な締め固め状態の試料について、液状化に関する基礎的性質である透水性(ダルシー数)を求めた。
(6) その他
各種試験結果に関する考察は、東京大学生産技術研究所に委託した。
試験に用いた試料は、Carol Lake鉄精鉱(カナダより)、銅精鉱、亜鉛精鉱、粒状ニッケル鉱滓、沈殿方鉛鉱(精鉱。ポーランドより)の5種類である。
試験の詳細及び結果については、日本提案文書DSC6/5/3(付録2(1))を参照されたい。
3.3 DSC6における審議結果
DSC6においては、各国の理解をより容易にするため、試験法の名称を“Liquefaction Potential Test”から“Liquefaction Material Identification Test”に変更した。この試験法についてはDSC7で引き続き審議される予定である。