日本財団 図書館


・昭和46年から3回しか値上げしておらず、浅草〜日の出桟橋間の利用料金は660円(40分)である。消費税が5%になったときに値上げして以来値上がりしていない。これは、この路線は儲かっているので、値上げを認めてもらえない。観光船ではなく、アクセス航路としての認可のため。このため、バランスを考えると他の航路の料金も値上げできない。他の航路は値上げしたいところである。

・レストランボートの採算は、昼間の通常航路で利用している船(償却した船)を使っているため採算がとれているが、レストランボートだけでとなると赤字。

 

【事業上の留意点】

・新設航路については、採算は考えていない。「使える施設があるなら行きましょう。」というスタンスである。実際に隅田川ライン以外赤字である。

・従来、新しい集客施設ができると、航路を新設してきた。これまでの経験から、集客施設の入場者数の2.5%(往復で5%)が航路を利用するという目途をたてている。

・採算の良い航路で償却した船を赤字の航路で利用している。

・採算がとれないからといって、便数を減らすことは考えられない。運航間隔が1時間を超えると客が来なくなる。採算が合わなくても船を走らせる。

 

【今後の事業展開について】

・今後は、東京全体をテーマパークと捉え、テーマパーク内の移動に航路を使って下さいというスタンスである。

・外国観光客は、都内の安いホテルに泊まっているので、そこにパンフレットを置かしてもらっている。

 

【国・自治体等への要望事項】

・認可は利便性確保という観点。実際は観光利用である。このまま利便性追求型の認可だと、レベルが下がるのは目に見えている。利便性だけを考えるのであれば、「通船」に毛の生えた物でよい。周遊は遊覧として使えるが、2点間は未だに利便性である。

・東京都に対しては、社会教育には船をなるべく使うようにして欲しい。児童数が減っているので減少傾向であるが。

・TDS(東京ディズニー・シー)は、中で海を楽しんでもらうという発想であり、あまり連携が考えられない。例えば、中まで水路を造るということも考えられるが、水路だと土地ではなくなり、建坪率との関係が問題となる。水路も土地として認めてもらえれば面白いことができる。

・規制緩和により、他の業者が参入してきた(ビッグサイト、お台場が多い)。これまで当社がPRに費用を使ってきたが、彼らは全くPRする必要がなく、実際にPR費用は使っていない状況にある。なかには「通船」を持ってくる事業者もいるが客の苦情は当社に来る。

・交通輸送施設のバリアフリー法がひかえているが、今の施設のままでは使えなくなる。一方で、河川法上一級河川では待合室をつくれないという問題がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION