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はじめに

 

海洋科学技術センターは、昭和46年に設立されてから、平和と福祉の理念に基づき、海洋開発に係わる科学技術に関する総合的な試験研究等を行っており、有人潜水調査船では2,000mまで潜水可能な「しんかい2000」と、6,500m級の「しんかい6500」を、また、無人探査機では10,000m級の「かいこう」を開発し、画期的な深海底の探査システムにより様々な成果を収めてきました。

また、海洋観測の分野においても、様々な先進的な技術を取り入れ、世界最大級の海洋地球研究船「みらい」や風向・風速・水温等を長期間にわたって計測できる「トライトンブイ」等を開発し、観測調査活動を行っており、さらに、海洋表層から極限環境である深海底までの海洋生態系ダイナミクスの解明等についても研究しております。

このような様々な研究活動と併せて、現在、深海底を掘削し、堆積物や岩石を採取するとともに、掘削孔を利用した長期計測も行う「深海地球ドリリング計画」を進めております。本計画により現在建造中の「地球深部探査船」は、ライザーという管を船体と海底の間に張り渡し、その中にドリルパイプを通して、ライザーパイプ内に泥水を循環させながら掘削することにより、掘削孔壁の崩壊を防ぐとともに、海底面上に噴出防止装置(BOP)を設置することにより、ガスや石油の存在する海域においても海洋環境を汚染することなく安全かつ確実に海底面下をより深く掘削することができる、環境に優しい世界初の科学目的のライザー掘削船です。

本調査では、米国テキサス州ヒューストンで開催されたOTC2000 (Offshore Technology Conference, 2000)に参加するとともに、ヒューストン郊外のガルベストンの岸壁に係留中のセミサブ型の掘削船「DEEPWATER NAUTILUS」を調査し、さらに、カレッジステーションのODP (Ocean Drilling Program)オフィスに訪問し、意見交換等を行いました。

最後に、本調査の実施に当たり資金援助いただきました日本財団、調査の実施と本報告書の作成に当たりご協力いただきました関連各社の関係者の方々に対して、この場をお借りしてお礼申し上げます。

海洋科学技術センター 海洋技術研究部

柴宮義文

黒木一志

 

 

 

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