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西表(いりおもて)島

(海図1206)

 

石垣島の観音埼の西方約17kmにその東端を持つ大きな島で、南西諸島南部では沖縄島に次ぐ広さを持っている。一般に、島岸は内方へ急に高くなり、南岸では300m以上の高さに達しているところが多い。内陸部の起伏は少なく、樹木がよく茂っている。島は南岸西部のほか、さんご礁に囲まれ、所によっては礁が距岸2km以上延び、少しうねりがあると礁上では白波が立つ。

島の西岸は屈曲が多く、船浮港のほか幾つかの小港湾がある。この島の清水は、宮古島・石垣島のものより水質が良く、水量も豊富である。船浮港付近はハブが非常に多いという。

東岸の南風見埼〜野原埼間とその東方の竹富島・黒島に至る海域には、洗岩・暗岩等の険礁が多数散在しており危険である。この島にはサキシマハブ(毒ヘビ)が生息している。

 

潮流

西埼から浦内湾口付近までの間では、上げ潮流は南西方へ、下げ潮流は北東方へ流れるようである。

目標

テレビ塔(赤白)(高さ196m) 宇奈利埼(岩がけの埼で、頂は平ら)南東方約2.7kmにある。好目標。

架橋(赤塗) ブサシ〔祖納埼〕の東方約1kmにあり、よく目立つ。

外離島 海方側面は水平な地層を露出したがけで、白浜・船浮港を知る好目標。

鹿ノ川湾口東角のがけ 地層の断面を現した高いがけで、鹿ノ川湾を知る好目標。

テドウ山 中腹に落差56mの滝があり、海方から目立つ。

 

仲御神(なかのうがん)島

(海図1206)

 

西表島西端のパイミ埼の南西方約16kmにある小さな岩島で、島頂付近から西端部にかけては緑草が生え、多数の海鳥がいる。島の周囲は険しいがけを成しており、一般に急深であるが、西端にだけは距岸約200mまで延びるさんご礁があり、その外端に水深5.4mの暗岩がある。

 

小浜(こばま)航門

(海図1206)

 

小浜島とその西方の西表島との間をほぼ南北に通ずる長さ約5.5kmの水道で、石垣島から西表島まで続く礁脈を貫通している唯一の水道。この地方の事情に明るい小型船は、ここで北東・南西の両季節風を避けることができるという。

 

潮流

小浜航門における潮流はかなり強く、北流は低潮の3時間後から高潮の3時間後まで流れ、その流速は最大2.4knである。また、南流は高潮の3時間後から低潮の3時間後まで流れ、その流速は最大2.1knである。

 

鳩間(はとま)水道

(海図1206)

 

鳩間島を囲むさんご礁と、西表島北岸を縁取るさんご礁との間を東西に通じている水道で、最狭幅は約1.3kmである。昼間は、この水道の西側にあるさんご礁の限界は、水の色ではっきり分かるが、これらのさんご礁の付近にある数個の孤立暗岩は見分けにくいので注意を要する。水道のほぼ中間の南側で、西表島北端の西埼の東方約3.7kmに高さ2.0mの白色のさんご砂堆があり、日光を背に受けてこれを見るときは目立って見える。

 

 

 

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