宮古(みやこ)列島
(海図1205)
先島群島の東部にある島々で、宮古島、伊良部島、下地島、多良間島、水納島、池間島、大神島、来間島の八つの島からなり、島全体がおおむね平坦で、河川は存在しない。ハブ(毒ヘビ)は、水納島に生息している。主な港湾としては、宮古島の平良港、伊良部島に長山港がある。
気候
高温多湿な亜熱帯海洋性気候に属し、四方を海に囲まれているため冬季も比較的暖かく、年平均気温は23℃である。1〜2月がもっとも寒く、最低気温は10〜15℃である。5月中旬頃から6月下旬までは梅雨で、この期間に年降水量のおよそ20%が降る。梅雨が明けると本格的な夏になり、9月頃まで最高気温30℃以上の暑さが続く。夏秋季は台風シーズンで、特に、9月頃強い台風が来襲する傾向がある。昭和34年9月15日の宮古島台風は最大瞬間風速64.8m、最低気圧908.1hPa、昭和41年9月4〜6日の第2宮古島台風は最大瞬間風速85.3mで観測史上まれにみる最低気圧と最大瞬間風速を記録した。台風は恵みの雨をもたらすが、台風の少ない年は干ばつに見まわれることが多い。10月頃になると朝夕涼しくなる。
八重干瀬(やびじ)
(海図1205)
宮古島の北端北方に広がる南北約13km、東西約7.5kmに及ぶ広大なさんご礁群である。各礁はいずれも約0.3m干出するが、その間は深水である。荒天時においては、これらの礁上は全面にわたって破浪するが、波が静かでしかも高潮のときには隠れて見えなくなり、極めて重大な危険物となるので付近を航行する船舶は十分な警戒を要する。
フデ岩は八重干瀬南端の東方約9.5kmにある水上岩で、灯台があり、東方から望むとカメの浮き上がったような形に見え、よい目標になる。
潮流
八重干瀬の東側付近における潮流は、北流が低潮の約3時間後から高潮の約3時間後まで、南流が高潮の約3時間後から低潮の約3時間後まで流れ、流速は1kn未満である。
池間(いけま)島
(海図1281)
八重干瀬南端と宮古島北端の間にある小島で、宮古島北端との間はほとんど岩礁で連続し、また橋で結ばれている。小型漁船はその付近の岩礁の切れ目を縫って東方から池間漁港に入港するという。島の南東端付近にある高さ26mのドーム形の山は好目標になる。
島の南東端からその南東方の瀬渡埼(宮古島)間に池間大橋がある。
大神(おおがみ)島
(海図1281)
池間島の東南東方約5.5kmにある円すい形の小島で、島頂には樹木が茂っており、宮古列島中、最も目立つ目標になる。
伊良部(いらぶ)島
(海図1281)
約5.5km隔てて宮古島西岸北部に対し、平良港の西方に当たる。島頂は島の南東端にある高さ89mのがけであるが、島は一般に北東部が高く、南西方へ向かってしだいに低くなっている。島には所々に松林があるが、その他は原野か耕地である。
目標
島頂の西北西方至近にある無線塔(パラボラアンテナ)は遠方からよく目立つ。
アクセス
宮古島との間に定期フェリー便がある。
下地(しもじ)島
(海図1281)
伊良部島の南西側にあり、狭い水道を隔てて抱き合うような形になっている。伊良部島と反対に南西部が高く、北東方へ向かってしだいに低くなっている。島の南西岸の突出部はおおむね黒い断がいからなっている。南西岸のほぼ中央付近に著岩があり、北西部に飛行場がある。
来間(くりま)島
(海図1205)
宮古島南西端とは干出さんご礁と橋でつながっている小さな島で、島はほとんど耕地である。
島の南方約3kmの間及び南西方約4kmの間には、それぞれ数個の孤立暗岩があり、また、海底が険悪で付近の海底地形は複雑である。
宮古(みやこ)島
(海図1205)
宮古列島の主島で、沖縄島南端の南西方約270kmにある。前記の各属島とはほとんどさんご礁で連続している。島は、高さ120m以下の山丘が起伏しているが大部分は原野と耕地で、所々に松林があるほか一般に樹木は少ない。この島にはハブは生息していない。
この島は、わき水が豊かで、どんな干天でも飲料水に不足することはない。
気候
年平均気温が23℃を超え、四季をとおして緑につつまれた暖かな気候であり、年平均湿度は79%で高温多湿な亜熱帯海洋性気候に属している。降水量は年間2,000mmを超え、風向は冬は北〜北東、夏には南〜南西より吹き、台風は主に6〜10月頃に数回到来する。例年5、6月は梅雨期でかなりの雨量をもたらすが、7〜9月頃まで毎年のように干ばつにみまわれている。
アクセス
平良港から石垣港・那覇港に、また、多良間島・伊良部島に至る各定期フェリー便がある。
平良市の南東方約3kmに飛行場があり、石垣島及び那覇に至る定期航空便がある。