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慶良間(けらま)列島

(海図236、水路参考図H-203)

 

那覇港の西方約20km〜42kmの間に分布している一群の島々で前島、渡嘉敷島、座間味島、阿嘉島、慶留間島、外地島、屋嘉比、久場島及びその周辺の数個の小島から成っている。その内有人島は、渡嘉敷島、座間味島、阿嘉島、慶良間島の4島のみである。

慶良間列島の島々は何れも山が多く、非常に急傾斜をしており、山上には沖縄松や常緑広葉樹の森林が茂り、谷間にはきれいな泉がわき、多数のシカが生息している。

 

注意

この島々の周辺には多数の浅礁があるので注意を要する。

潮流

慶良間列島内の諸水道では、潮流は北方又は南方へおのおの6時間流続し、その流速は時として3knに達することがある。北流は低潮の3〜4時間後から高潮の3〜4時間後まで、南流は高潮の3〜4時間後から低潮の3〜4時間後まで流れる。

 

前(まえ)島

列島中、最も東にある無人島で、全島にわたって低い樹木が茂っている。島頂は円すい形で非常に目立つ。

 

黒(くる)島

列島中、最も北方にある小島で、無人島である。島岸は険しく、頂上に樹木が密生している。

 

渡嘉敷(とかしき)島

慶良間列島のほぼ中央にあり、この列島中最大の島である。この島にはハブが生息している。

 

目標

北部の山脈中最も高い山が阿嘉真(あかま)山で、この山の南東側に著屋(国立青年の家)があって、夜間この灯火は、はるか沖合いから視認できる。南の山脈中でも、大見座(おおみざ)山と、その南南西方約1.5kmにある大見謝(おおみじゃ)山とは、ともによく目立つ。

 

儀志布(ぎしっぷ)島

渡嘉敷島北端部の北方至近にある険しいがけの島で、さんご礁に囲まれている。この島の北端から北北西方へ約800mにわたって延びる礁脈上に数個の岩小島があり、外端付近にある自津留(じつる)島とその南方の地自津留(じのじつる)島は、いずれも頂のとがった岩でよく目立つ。

 

離(はなれ)島

阿波連村落西方の岬から南南西方へ約1.9kmにわたって延びている礁上にある島で、岩肌は白く見え島頂付近は樹木が少ない。

 

城(ぐすく)島

黒色の険しいがけの小島で、その頂には樹木が茂っている。この島と北西方の儀津埼とは干出さんご礁でつながっており、その西側に渡嘉敷港がある。

 

座間味(ざまみ)島

さんご礁で囲まれ、海岸の入り組んだ険しい島で、その中央付近は低い地峡を成し、島の最高峰は東部北側の大岳であり、樹木が繁茂している。

座間味港は列島の北西〜北方にある粟国島や渡名喜島に向かう船舶が夜明けを待つ場合には、ここに錨泊するのが常であるという。

座間味島南岸西半部の南方に西側から嘉比(がひ)島、安慶名敷(あげなしく)島、安室(あむる)島(礁脈で座間味島と連続している)の3島があり、いずれも干出さんご礁で囲まれている。

 

阿嘉(あか)島

島岸はさんご礁で囲まれている。この島の北西方至近の数個の小島から成る伊釈迦釈島も周囲はすべてさんご礁で囲まれている。伊釈迦釈島〜阿嘉島間は浅水で小舟しか通れない。慶留間島との間は浅水で、中央付近に橋及び架空線(高さ23m)がある。

 

外地(ふかじ)島

慶留間島とは架橋で接続している。島には飛行場がある。

 

奥武(おう)島

3小島が砂地によって一つに結ばれている。この島の南端から南南西方へ礁脈が延び、その上には黒い岩が多数あり、先端にある高さ12mの岩は鋭くとがっておりよく目立つ。

 

屋嘉比(やかび)島

無人島で、さんご礁に囲まれ、島頂には樹木がある。

 

久場(くば)島

島岸はおおむね険しく、北岸及び東岸はさんご礁で縁取られている。島の周囲には、距岸約500m以内に多数の水上岩が散在している。

 

慶良間(けらま)海峡

(海図236、水路参考図H-203)

 

渡嘉敷島とその西側にある島々との間をほぼ南北に通る長さ約11km、最狭幅約1.7km、水路中央の水深60m内外の水道で、この海峡内は、周囲の島々によって各方向の風を防ぐ自然の錨地を形成し、那覇港の外港に錨泊する船舶が暴風に遭うと、この付近に避難することが多いようであるが、昭和20年沖縄を強襲した後鹿児島県の枕崎付近に上陸した枕崎台風のときには、ここに避泊した船舶のうち、大型船4隻、漁船7隻がそれぞれ走錨して乗り揚げたといわれ、必ずしも安全な錨地とはいえない。

 

針路法

北方から海峡に入り、真喜武曽根を避けるには、牛ノ島灯台を222°以上に見て進めばよい。

 

 

 

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